「中核病院」の「病棟専任薬剤師」に関する仕事内容・年収レポート体験談

中核病院で常勤の正規雇用者として働く、女性の「病棟専任薬剤師」によるキャリア体験談レポートです。 今回は、その薬剤師の仕事内容や一日のスケジュール、年収(給料・ボーナス)や残業状況・職場恋愛などについてインタビューしたものを編集して掲載します。


はじめに

中核病院で常勤の正規雇用者として働く、女性の「病棟専任薬剤師」によるキャリア体験談レポートです。

ちなみに、その方は、高齢者入浴アドバイザー、初級禁煙支援薬剤師と、Webライティング検定1級の資格を持っているそうです。

なお、中核病院とは、複数の診療科や高度な医療機器を備え、地域医療の拠点としての役割を担う病院のことをいいます。

「薬剤師」を目指した理由

祖父ががんで闘病生活を行い、亡くなりました。その時、現代の医療レベルがまだこんなものなのかというショックを受けました。

6年制導入時期だったので、医師よりも薬剤師の方が将来性が高いと感じて進学しました。

「中核病院の病棟専任薬剤師」の仕事内容について

地方にある約200床の地域の中核病院に約5年勤務しました。

院内には10以上の診療科がありましたが、私は脳外科・神経内科担当の病棟専任薬剤師として活動していました。

主に院内の調剤業務以外にも、TPNや抗がん剤の混注、NST回診、服薬指導、内服在庫担当者、輸血療法委員会などの会議メンバーとしても多岐にわたって活動していました。

また、学生実習時や看護実習生向けの勉強会用の資料作成や直接指導もしていました。

縦割りの病院ではなかったので、多職種と連携して患者フォローを行うことも多かったです。薬剤師が服薬指導時に聴取・抽出した問題点に対して、栄養士や看護師などへ情報提供や相談を行い、協力して問題解決に当たっていました。

年に1回の出張が義務付けられていたので、学会発表の準備を毎回行っていました。また、週に1回は部内会議が開かれていたので、そのための資料作成も行っていました。(ヒヤリハット・インシデント担当者としてです。)


「中核病院の病棟専任薬剤師」の1日の仕事の流れ

就業パターンは主にシフトで3パターンに分かれていました。

通常の場合

7時30分:自宅を出て通勤する
8時10分:到着
8時15分~30分:朝礼~業務準備
8時30分:業務開始
12時30分:お昼休憩(60分)
13時30分:業務開始
17時:終業

遅番の場合

10時10分:自宅を出て通勤する
10時25分:到着
10時30分:業務開始
12時30分:お昼休憩(60分)
13時30分:業務開始
19時:終業

当直の場合

10時10分:自宅を出て通勤する
10時25分:到着
10時30分:業務開始
12時30分:お昼休憩(60分)
13時30分:業務開始
16時30分:休憩(30分)
17時:当直開始
翌日8時30分:休憩(30分)
9時:病棟業務開始
12時30分:業務終了

「中核病院の病棟専任薬剤師」の給料・残業・有給休暇について

私の場合ですが、給料は基本給で月給22万円(残業代は1時間2000円程度)で、ボーナスは40万円程度でした。ちなみに、年収は約400万円でした。

残業が多い職場で、17時の終業後にも残業することが多く、忙しくない時で19時頃まで、年に数回忙しい時には夜23時頃までかかったこともあります。

日勤中のシフトが30分毎にスケジュール管理がされていたので、効率的な業務が求められる職場でした。

有給休暇は先輩方優先で取得するので取りにくい雰囲気でした。夏休み休暇として最大一週間までの有休取得が認められていました。

また、当直が2週間~1か月に一回ありました。

この仕事で、働いているときに困ったこと

常に業務効率を考えて動かないといけない職場だったので、時間に追われている気持ちになって、作業がおざなりになることがありました。

残業が多いのでプライベートの予定が組みにくく、時間外に急ぎの仕事(本日中に提出してほしいとのこと)をいきなり依頼されて、予定をキャンセルして残業をしたことも数回ありました。

基本的に日勤中は、調剤と病棟業務で手一杯なので、それ以外の資料作成などは全て時間外の残業となってしまう職場で大変でした。

男性が多い職場だったので、女性ならではの体調不良の時に相談できる相手がいなくて辛いことがありました。

この仕事や職場でよかったこと

医師が主導となって率先して動いてくれる病院だったので、指導力があり、学会にも病院が参加費を全額出してくれて(報告書作成は必須ですが)毎年意欲的に参加することができるのが良かったです。

複数の診療科があるので処方内容について幅広く学ぶことができる環境です。


病棟業務が導入されていたので、病棟活動に力を入れることができて患者さんとの距離を近く感じて素早い問題解決を行うことができました。なお、多職種との距離が近いので、相談しやすい環境でした。

「中核病院の病棟専任薬剤師」の仕事エピソード

患者さんの対応に悩んでいた時に、先輩や同僚が助けてくれたのが嬉しかったです。

鎮痛薬コントロールがうまくいかない患者のために、数時間ごとに病室を訪問してNRSを測定したことがあり、いまだに印象に残っています。

NRSについて看護師に依頼しても、何それ?という感じだったのが、このケースを経験後は看護師側が積極的にNRSを測定してくれたことが嬉しかったです。

素直に質問をしてくれる環境だったので、こちらも説明やアドバイスがしやすく、患者が少しずつ元気になっていく姿を見れて感動しました。

また、退院後の患者さんが、かかりつけでもらった薬がよく分からないと相談に来て頼られたことが嬉しかったです。

当直中は電話が度々なるのでほとんど眠れず、次の日の病棟業務が大変でした。

「中核病院の病棟専任薬剤師」の職場恋愛について

医師や薬剤師、薬剤師と栄養士、看護師同士の結婚が多い職場でした。

職場恋愛は無理だと言っていた男性が、こっそり多職種と付き合って結婚することも多かったです。

女性の場合は薬剤師同士(他の職場含む)や医師(同病院)と恋愛・結婚して退職する方が多かったです。

風通しの良い職場で飲み会も月に一回程度は常に開催されていたので、同じ病棟担当者同士で仲良くなることが多い職場でした。

職場外だと地域の婚活や飲み会などで出会うことが多いようでした。

まとめ ー「薬剤師」を目指す方へメッセージ

病院薬剤師は、激務な反面、とてもやりがいのある仕事です。

人気の職場なので給料は安くなりますが、新卒でたくさん学びたいという意欲のある方にはおすすめの職場です。

本記事は、2018年10月14日時点調査または公開された情報です。
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