「市役所」の「市民課窓口業務事務」に関する仕事内容・給料レポート

市役所で働く、女性の「市民課窓口業務事務」によるキャリア体験談レポートです。

今回は、その仕事内容や一日のスケジュール、年収(給料・ボーナス)や残業状況・職場恋愛などについてインタビューしたものを編集して掲載します。


はじめに

市役所で働く、女性の「市民課窓口業務事務」によるキャリア体験談レポートです。

ちなみに、その方は、秘書検定2級と、漢字検定準2級と、日本語ワープロ検定準2級の資格を持っているそうです。

「市役所の市民課窓口業務事務」を目指した理由

叔母が同じ仕事をしていて、やりがいを感じている様子を見てきたことと、他の店や会社とは違う市役所という場所で、市役所にしかできない仕事というものを経験したかったからです。

「市役所の市民課窓口業務事務」の仕事内容について

市民課の窓口(諸証明発行)業務です。

住民票や戸籍の写しなど証明書の発行、印鑑証明のための印鑑登録、転出・転居・転入などの住所異動に関する受付業務がメインです。

住民票発行や住所登録について

住基システムを使って入力・発行を行うので、端末の操作とシステムの理解については必須です。

戸籍謄本・抄本の発行について

現在の証明としてだけでなく、使用目的によっては縦書きの旧戸籍や、相続に関するものであれば故人の出生から死亡までの連続した戸籍が必要になることも多いので、古い戸籍を読み解くスキルと、複数枚にわたる戸籍が途切れていないことを確認できる技量が要求されます。

印鑑登録に関して

印影をまっすぐ、はっきり正確に取らなければいけません。

住所異動について

他市から転出証明書を持参して来られた方の転入、同一市内での住所変更である転居、市内から他市へと引っ越される方には転出証明書を発行することが主な業務になります。

取り扱う業務の種類が多彩で、なおかつ各作業にそれなりの知識が必要とされるものばかりですが、市役所に来庁される方の用事のうちの大半を占めるほど、毎日の客数と業務量が多いものなので、数をこなすことで自然とノウハウは身に付きます。
個人情報の一番重要な項目ばかりを取り扱うので、守秘義務は常に厳守しなければなりません。

「市役所の市民課窓口業務事務」の1日の仕事の流れ

8:00:自宅を出て、自転車で通勤(当時はペーパードライバーだったため)
※雨の場合は、バスもしくは私鉄を利用し、最寄り駅から徒歩で通勤します。
8:15:到着 窓口周辺の簡単な清掃
8:30:開庁 業務開始
※開庁を待っておられる方も多いので、朝一から忙しいことがほとんどです。
※月曜日など、休日明けはさらに混み合います。
12:00:昼休み60分
※ギリギリに来庁される方も多く、入力や戸籍の遡りなど時間のかかる案件にかかると、15分ほどズレ込むこともままあります。
※昼休み時間も、交代で窓口担当を配置します。(その場合は13時から昼休みです。)
13:00:午後の業務開始
17:15:閉庁 業務終了
※ここでも、自分の担当する案件の処理が長引けば、終業がずれ込みます。


「市役所の市民課窓口業務事務」の給料・残業・有給休暇について

私の場合ですが、臨時雇用だったため、残業代込みで日給5400円でした。ちなみにボーナスはありませんでした。(その数年前まではありましたが…。)

残業はなく、数か月に一度のみ、夜の窓口担当出勤があり(特定の曜日のみ夜まで窓口対応を延長するもの)、その際は夜間手当がつきました。

有給は毎回スムーズに取得できました。

この仕事で、働いているときに困ったこと

とにかく現場で数をこなしながら覚えるというスタイルなので、最初は業務量と仕事の種類の多さ、ひとつひとつの処理の複雑さに戸惑いました。

特に戸籍に関しては、毛筆の難解な記述を読み解くことに苦労し、先輩方に教えていただきたい局面が多々あるにもかかわらず、先輩方も常に業務に追われている状態で、おろおろしていると、また違うお客様から用件を投げかけられたりと、毎日が目まぐるしく、ずっと余裕がない状態でした。

勤務していた時は20代半ばでしたが、この部署に配属されて白髪が沢山出てきました。

窓口のカウンターに、少しでもスペースがあれば、お客様が乗り込んでくる、といった惨状ともいえる風景が毎日繰り広げられていたので、お客様も、応対する側も落ち着けるように、銀行のように、番号札を取ってお待ちいただくようなかたちにできればなあ、と思っていました。

この仕事や職場でよかったこと

業務に追われて忙しいものの、職員間の雰囲気は和気あいあいとしていて、人間関係で悩むことがなかった点は、とても大きかったです。

同年代の職員同士では、日々の業務の苦労を共有できるので、仲良くなるのも早く、10年近く経ち別々の道を進むようになった今でも交友があります。

個人情報という、とてもデリケートなものを扱うので、絶対に間違いがあってはいけないことから、どうしてもという難しい案件などは正規の職員の先輩にお願いしたり、教えていただくこともできました。

残業や休日出勤がなく、上司も部下も当たり前に有給を取得できるのも良かったです。

「市役所の市民課窓口業務事務」の仕事エピソード

7.5時間、頭の中が常に住民情報でフル回転の状態になるので、終業後の精神的な疲労感が毎日大きかったです。

また、重要な情報を的確に、なおかつ迅速に処理しなければならない中で、接客・サービス業としての精神も忘れてはならないところに非常に気を使いました。

実際に、余裕がなく、態度が悪いとお客様から指摘を受けてしまったことも一度あり、大変落ち込みました。

しかし、出生から死亡、転居や結婚など、人の生涯の大きな節目に関わることのできる数少ない仕事を経験することができ、自分の人生にも大変プラスになったと思います。


「市役所の市民課窓口業務事務」の職場恋愛について

正規職員の方では、職員同士でご夫婦になられている方が大多数でした。もちろん配偶者の方は他課へいらっしゃるケースが大半ですが、結婚前には同じ部署や連携する課などで一緒に仕事をされていたことが圧倒的多数なのではと推測します。

非正規職員に関しては、特定の部署以外は9割以上くらいの高確率で女性ばかりでしたので、すでに恋人がいる方も多かったです。

また、非正規職員の女性と正規職員の男性が恋愛関係になり、結婚に至ることも意外と多かったように思います。

まとめ ー「市役所の市民課窓口事務」を目指す方へメッセージ

高度かつ特殊な事務処理と接客、あらゆる面で非常に鍛えられ、仕事としてだけでなく、人間としても成長できる業務でした。

多忙ですが、その分やりがいはとても大きいです。

本記事は、2018年12月12日時点調査または公開された情報です。
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