「大学病院」で働く「薬剤師」に関する仕事内容・年収レポート

大学病院で正規雇用で働く、女性の「薬剤師」によるキャリア体験談レポートです。

今回は、その薬剤師の仕事内容や一日のスケジュール、年収(給料・ボーナス)や残業状況・職場恋愛などについてインタビューしたものを編集して掲載します。


はじめに

大学病院で正規雇用で働く、女性の「薬剤師」によるキャリア体験談レポートです。

「薬剤師」を目指した理由

母親が薬剤師ということもあり、薬剤師は身近な存在でした。

高校の文理選択の時に、文系科目よりも理系科目が得意であったことから理系の道へ進み、進路選択の時に、薬剤師は就職に有利であるといった理由などから薬剤師を志すようになりました。

「大学病院で働く薬剤師」の仕事内容について

病院で働く薬剤師の仕事は主に、入院患者の処方箋調剤と入院患者への服薬指導です。

外来患者の処方箋は主に調剤薬局の薬剤師が調剤するため、基本的には入院患者の処方箋の調剤を行います。

内服・外用薬の調剤はもちろん、注射の調剤も行います。その際、処方箋に誤りがないか、用法や用量は適正かを監査し、必要に応じて医師へ問い合わせをします。

入院患者への服薬指導は、入院時の聞き取り(既往歴やアレルギーの有無、薬・サプリメントの服用の有無、嗜好品等)から介入していきます。

服用薬がある場合は一旦預かり、どのような薬を飲んでいるのか調書を作成し、代替となる当院の採用薬も併せて医師へ報告します。医師は必要に応じて処方箋を発行します。

患者一人の服薬指導はおよそ週に1回ほど行います。ベッドサイドへ出向き、直接会話したり身体を診せてもらったりもします。また検査データ(採血、血圧、脈拍、体温、尿量等)を参考にすることもあります。総合して薬の効果や副作用の出現がないかを確認します。

効果が乏しい場合や副作用の出現があった等、使用継続が望ましくないと判断した場合は、代替薬の提案や薬の中止等を医師へ提案します。

その際、患者と話したこと、検査データや処方内容、薬剤師としての介入、次回服薬指導時の留意点などは記録に残しておきます。


「大学病院で働く薬剤師」の1日の仕事の流れ

【日勤の場合】

8時10分 徒歩で通勤
8時20分 到着
8時30分 朝礼、当直者からの申し送り
8時35分 調剤(内・外用薬、注射薬)
12時00分 お昼休憩(45分)
12時45分 調剤(内・外用薬、注射薬)
13時00分 服薬指導(記録も含む)
15時45分 休憩(15分)
16時00分 服薬指導(記録も含む)
17時00分 終業

【当直の場合】

8時10分 徒歩で通勤
8時20分 到着
8時30分 朝礼、当直者からの申し送り
8時35分 調剤(内・外用薬、注射薬)
12時00分 お昼休憩(45分)
12時45分 調剤(内・外用薬、注射薬)
13時00分 服薬指導(記録も含む)
15時45分 休憩(15分)
16時00分 服薬指導(記録も含む)
17時00分 調剤(内・外用薬、注射薬)、外来患者へ与薬、医師や看護師からの問い合わせ 等
― 処方箋の発行や問い合わせなどがあれば対応 食事や睡眠も含む ―
7時30分 身の回りの準備
8時00分 仕事の準備
8時30分 朝礼、申し送り
8時35分 朝食
8時50分 調剤(内・外用薬、注射薬)
13時00分 終業

「大学病院で働く薬剤師」の給料・残業・有給休暇について

私の場合ですが、月給は約30万円(残業代、当直代込み)で、ボーナスは約90万円でした。ちなみに年収は約450万円でした。

当直体制のため残業はほぼありませんでした。有給休暇も取りやすいほうだったと思います。また、有給休暇とは別に5日間の夏季休暇もあり、こちらは消化率100%でした。

この仕事で、働いているときに困ったこと

年功序列だったので、病棟へ上がって服薬指導をさせてもらえるまでに時間がかかりました。

基礎知識を付けるためにある程度の調剤経験は絶対に必要ですが、百聞は一見に如かずとも言いますし、もう少し早い段階で応用知識を付ける場が与えられれば良かったと思います。

あとは個人の問題ではありますが、忙しくなるとピリピリする人がいました。調剤はある程度のスピードは求められますが、間違うことは厳禁なので、他人の空気に飲み込まれない、ある意味マイペースさも必要かもしれません。

この仕事や職場でよかったこと

大学病院に勤めていたため、有給休暇や夏季休暇、福利厚生が充実していました。

家賃補助は公務員よりも手厚かったです。ボーナスも民間病院に比べると多いと思います。また、健康診断の項目やワクチン接種は民間病院よりも幅広く網羅していました。

あとは製薬会社主催の勉強会も病院内で開催されることが多く、勤務後そのまま講義を受けることができました。当時病院の宿舎に下宿しており、病院外の施設にわざわざ足を運ぶ必要がなかったのは恵まれた環境だったと思います。

「大学病院で働く薬剤師」の仕事エピソード

服薬指導時や処方監査時に薬剤師ならではの視点から気付いたことを医師に提案し、処方が変更になった時は嬉しくやりがいを感じます。

患者に「薬の専門家だから」と、医師よりも薬剤師を頼ってもらえた時も嬉しかったです。また、看護師たちより接する機会が少ないのですが、患者や患者の家族に名前を覚えてもらえた時は地味に嬉しかったです。

当直は一人体制でしたので、大変なことが多かったです。忙しい日には夜中でも何度も起こされました。ダブルチェックができないので、重たい処方箋(小児用量の計算や薬を粉砕したり等)が発行されると特に責任も重くしんどかったです。

「大学病院で働く薬剤師」の職場恋愛について

職場での恋愛や結婚は少ないですが、数組いました。またその数組のうち、同じ病院内で働き続けている夫婦が多かったです。

私は学生の頃からお付き合いしていた人と結婚しました。学生の頃からお付き合いしている人がいる場合はそのまま結婚することが多いように思います。


出会いの場が少ないので、女性は独身の方も多かったです。男性は比較的結婚されている方が多かったかもしれません。

合コンに行ったり、婚活サイトに登録したりしている人もいたようです。

まとめ ー「薬剤師」を目指す方へメッセージ

大学の勉強や研究、国家試験の勉強も大切ですが、薬剤師になってからの世界は狭いです。

学生のうちに様々なことを経験し、大いに社会を吸収した薬剤師になれるといいですね。

本記事は、2018年11月4日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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