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【目指せ!外交官】IT産業とカレーの国「インド」の基本知識

世界の国特集、今回ご紹介する「インド」は、人口約13億2千万人、GDPランキング6位の国です。

「インド」は長い歴史を持ち、宗教や人種の多さ、カレーの発祥地として有名です。

外交官になるなら押さえておきたい国の基本知識特集です。

2019年03月04日更新

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目次
「インド」ってどんな国?
「インド」の国民・宗教・言語について
「インド」の経済状況について
「インド」の政治・政策について
「インド」の大統領・首相について
「インド」の国防制度・軍事制度・兵役について
「インド」と日本の関係について
まとめ
インドの国旗

「インド」ってどんな国?

「インド」の日本語の表記は「インド共和国」で、漢字による当て字では「印度」と表記し、「印」と略されることもあります。正式名称はヒンディー語で「भारत गणराज्य(ラテン文字転写: Bhārat Gaṇarājya(バーラト・ガナラージヤ)」です。公式の英語表記は、「Republic of India(インディア)」です。

面積・場所について

「インド」の国土の広さは、約329万平方キロメートルで、世界第7位、日本領土の約9倍の大きさです。

「インド」の場所は、南アジアで、インド亜大陸(インド半島)とインド洋の大半を領有しています。インド亜大陸はかつて独立したインド大陸でしたが、ユーラシア大陸に衝突し、ヒマラヤ山脈が誕生したとされています。

そして「インド」は、パキスタン、中国、ネパール、ブータン、バングラデシュ、ミャンマーと国境を接していて、アラビア海とベンガル湾の二つの海湾を挟んでスリランカ、モルディブ、インドネシアと隣接しています。

都市について

「インド」の首都は「ニューデリー(New Delhi)」で、政治・経済・文化の中心都市となり人口約30万人です。このニューデリーは、イギリス統治下の新しい首府として建設され、「ニューデリー」と、かつてからある街の「オールドデリー」で、「デリー首都圏」を構成しています。近郊の都市圏人口は約2,600万人(2016年)で世界第3位の巨大な大都市圏を形成しています。

そして、「インド」の最大の都市が「ムンバイ(Mumbai)」で、国内随一の商業及び娯楽の中心都市です。ムンバイ市域人口は約1,250万ですが、周辺の大都市をも含めた都市圏人口は、約2,300万人(2016年)で、世界第6位の大都市圏が形成されています。

ちなみに、ムンバイは、かつて英語の公式名称の「ボンベイ (Bombay)」でしたが、現地語の「ムンバイ」に変更されました。しかし、「インド」の最大の証券取引所はボンベイ証券取引所という名称を使っています。

人口について

「インド」の人口は、約13億2千万人(2018年推計)で、世界第2位の多さですが、生活水準の向上などにより人口増加が激しく、2025年頃には1位の中国の人口を抜くと予想されています。また、人口構成の年齢が若いのも特徴となっています。

成り立ちについて

現在の「インド」の領域は、紀元前2600年頃~前1800年頃に、インダス川流域に栄えたインダス文明が始まりです。しかし、インダス文明は滅び、紀元前1500年頃に「インド・アーリア人」がパンジャーブ地方に移住し、ガンジス川流域の先住民を支配し定住しました。そして、現在でも「インド」の社会に規定されている司祭階級(バラモン)を頂点とした身分制度「カースト制度」が形成されました。

紀元前6世紀には十六大国が栄え、紀元前5世紀には、仏教の開祖である釈迦が誕生します。釈迦は35歳で悟りを開き、80歳まで教えを説いて回り各階級の人に指示を得て、仏教は「インド」で発展していきます。

その後、「インド」は様々な王朝が領地や権力のための争いが続き、混乱期となりますが、5世紀にはグプタ朝が「北インド」を統一し、サンスクリット文学や仏教美術が盛んになります。また、7世紀前半頃、玄奘三蔵(西遊記のモデル)が「インド」にやってきて、当時仏教の最高峰・ナーランダ大学で勉強し、657部のお経を中国(唐)に持ち帰りました。

11世紀になると、「北インド」はイスラムの諸王朝が支配するようになり、「南インド」はヒンドゥー教の王朝が栄えていきます。それぞれの宗教や文化の違う王朝の内部抗争が続きますが、16世紀に「インド」において最後の王朝となる「ムガール帝国」が誕生します。

このムガール帝国は、様々な制度を作りイスラム教とヒンドゥー教を融合させ発展し、華々しい文化も栄え、ヨーロッパとの交友交易も盛んに行われました。このムガール文化最盛期に、美しい白亜の霊廟「タージ・マハル」(世界遺産)が作られています。

しかし、17世紀に6代皇帝が今までの宗教信仰を寛容していた策をやめ、イスラム教に基づく統治を行ったため、各地で反乱が始まり、6代皇帝の死後、強硬策の反動で帝国は領土は拡がったものの急速に衰退していきました。

このムガール帝国の発展と同時に、ヨーロッパの国々は「インド」を手に入れようと進出していました。1498年「ヴァスコ・ダ・ガマ」(ポルトガルの探検家)の来訪を皮切りに、ポルトガルでだけでなく、デンマークやオランダ、イギリス、フランスが侵略し、植民地化されていきました。また、各国の領地争いも行われ、それぞれが「東インド会社」を創設しました。

ヨーロッパ諸国を巻き込んだ七年戦争(1756~1763年)に関連し、イギリスとフランスが植民地である「インド」で全面戦争を起こします。そして、衰退していたムガール帝国がついたフランス東インド会社が敗北し、この勝利を契機にイギリス東インド会社は、ムガール帝国の行政権限を授与され、さらに侵攻戦争を繰り広げていきます。そして、「インド」全土は「イギリス東インド会社」の植民地となりました。

その後、イギリスは「インド」の綿織物産業を壊滅させ、1840年には中国とアヘン戦争を起こし、1858年最後の皇帝を追放しムガール帝国を滅亡させました。そして、1877年ヴィクトリア女王支配下の「イギリス領インド帝国」になりました。

イギリスは、人種・宗教・地域で全く異なる「インド」を統制するため、様々な政策をとりますが、「インド」人の反英機運は高まっていき、自身の生産活動により私財産を持った「民族資本家」が増えていきます。この人たちを中心に、国民議会でも「インド」人の勢力が強くなっていき、日露戦争の同じアジア・日本の勝利をきっかけに独立運動が活発になります。

そのような状況をイギリスは利用し、第一次世界大戦に「インド人の自治権」を約束し、「インド」は参戦しました。しかし、勝利したものの、事実上自治権は与えられず、さらに独立運動が高揚されました。

1919年に「マハトマ・ガンジー」が主導する「非暴力独立運動」が始まり、イギリス軍の無抵抗な民衆を惨殺した事件を契機に大衆運動まで深化していきました。そして、第二次世界大戦では「インド」はイギリスに協力せず、アジアにおいてイギリス軍に優勢だった日本の援助を得て「インド国民軍」を結成しました。

戦後、このインド国民軍の将校をイギリスは処刑しようとしたため、反発した国民の大暴動が各地で勃発、これをイギリスは抑えることができず、1947年8月15日に独立が認められました。そして、1949年11月26日にインド憲法が成立し、1950年1月26日に共和制に移行されました。

「インド」の国民・宗教・言語について

国民について

インド亜大陸は、インド・ヨーロッパ語族、ドラヴィダ語族、オーストロアジア語族、シナ・チベット語族の4つに大きく分けられていましたが、人種的には約4,000年前から混血しており、「インド」の民族は多種多様です。

現在はインド人の大半がインド・アーリヤ族やドラビダ族、モンゴロイド族ですが、オーストロアジア語族、シナ・チベット語系チベット・ビルマ語族など、国境付近等に少数民族が数多く住んでいます。

宗教について

「インド」の宗教の内訳は、ヒンドゥー教徒が人口の約80%、イスラム教徒が約13%、キリスト教徒とシク教徒がそれぞれ約2%、 仏教徒約1%です。

ヒンドゥー教徒の数は約9億人とされ、その9割以上がインド人です。そして、ヒンドゥー教はキリスト教、イスラム教に次いで世界第3位の教徒数です。

言語について

「インド」の公用語は、ヒンディー語で人口の約40%を占めますが、他に憲法で公認されている州の言語が21あります。そして、方言も含むと800種類以上の言語がある「インド」では、地域が異なるとインド人同士でも意思疎通ができない場合があります。

そのため、準公用語の英語を共通語として重視していて、「イギリス」の植民地だったこともあり、国民の英語能力はとても高く、全ての大学教育は英語で行っています。

「インド」の経済状況について

「インド」のGDPは約26,000億ドル(2017年)、日本円にすると約290兆円で、世界第6位です。同年の一人当たりのGDPは人口が多いため約2,000ドルで、世界で143位です。「インド」の主要産業は、農業、工業、鉱業、IT産業です。

「インド」は労働者の約3分の2が農業に従事する、世界第2位の大農業国で、自給自足達成国でもあります。中でも、米の生産量は、中国に次いで世界2位で世界の主要な米輸出国です。また、綿花やお茶の栽培も植民地時代から盛んで、同じく中国に次いで世界2位の生産量です。その他にも、小麦や大豆、マンゴー、カシューナッツ、ココナッツなども生産しています。

「インド」は労働者の約17%が工業に従事する、世界第14位の工業生産国でもあります。輸送機械産業のオートバイ、スクーター、オート三輪などの生産が盛んで、二輪車市場では世界第1位、自動車生産は世界第6位で、まだまだ成長が続いています。その他にも、製薬産業や繊維産業、鉄鋼業も世界トップクラスの生産国です。

「インド」で近年急成長をしているのがIT産業です。「インド」は先進国の情報技術の導入が加速し、ソフトウェア開発や販売、欧米企業の情報技術関連業務アウトソーシングを拡大し、高い成長率を続けています。また、工科系大学を中心に卒業し、先進国に移住した多くの優秀な情報技術者からの本国への送金は、重要な外貨獲得源にもなっています。

また、欧米で研修をした多くの医師が帰国し、医療ビジネス・レベルは著しく進歩しています。世界的に見ても医師の水準が高く、先進国より破格に治療費が安いため、海外から渡航して手術や治療を受ける人が増えています。

その反面、独立以前からの金融制度の腐敗が止まらず、貧困層や中間層人口の増加、通信設備などのインフラ整備、日常的な電力供給不足、環境汚染などが現在の問題・課題となっています。

貿易について

「インド」の主要輸出相手国は、「米国、UAE、香港、中国、シンガポール、英国」で、主な輸出品目は、石油製品、宝石類、機械機器、化学関連製品、繊維などです。

「インド」の主要輸入相手国は「中国、米国、UAE、サウジアラビア、スイス、インドネシア」で、主な輸入品目は、原油・石油製品、宝石類、機械製品などです。

「インド」の総貿易額は、輸出が約2,800億ドル、輸入が約3,800億ドル(2016年)で輸入額の方が多くなっています。

「インド」の政治・政策について

政治体制について

「インド」は共和制で、元首は大統領(任期5年)です。

議会制度は二院制で、上院は250議席で任期は6年で、各州の議員により2年ごとに3分の1ずつ改選されます。この中には、大統領が有権者の中から指名する12議席が含まれています。

下院は545議席ですが、2議席はアングロ・インディアンから大統領が指名します。任期は5年で、国民による上下院ともに任期は5年で、国民による小選挙区制選挙で選出されます。

「インド」の行政区分は、デリー首都圏と6つの連邦直轄領、そして29の州で構成されます。そして一部の州については、パキスタンと中国との間で所有権を巡り争っています。

選挙制度について

「インド」の国民選挙権年齢は18歳です。選挙制度は1選挙区1人の小選挙区制(直接選挙)で、有権者は用紙に印刷された支持する政党マークに印を付ける方式で投票します。有権者の人口が多く、選管職員の配置、軍・警察による警備のため、選挙は5回に分けて行われます。

「インド」の大統領・首相について

「インド」の大統領は任期は5年で、議会の上下両院と州議会議員で構成される選挙会にて選出されます。大統領に実権はなく、内閣の助言にて国務を実施します。

「インド」は議院内閣制で行政府の長は首相で、首相は下院議員の中から大統領が任命します。下院議員の過半数を獲得した政党が内閣を組織し、閣僚は首相が指名し、大統領が任命します。

「インド」の国防制度・軍事制度・兵役について

「インド」は核保有国・原子力潜水艦保有国であることで知られています。「インド」の軍隊は、正規軍として「陸海空の三軍」と「戦略核兵器部隊」、そして準軍事部隊の「沿岸警備隊」、「アッサム・ライフル部隊」、「特別フロンティアフォース」を所有しています。

軍隊の最高司令官は法律上大統領ですが、事実上の指揮権は首相で、軍の管理や運営は国防省が担当してます。軍事予算は約480憶ドル(2015年)で、軍事力は世界第4位と評価されています。

「インド」の兵士は志願制で、徴兵制は歴史上行われたことがありません。兵士は、陸軍が約115万人(予備役は約100万人)、海軍が約6万人(予備役は約6万人)、空軍が約13万人(予備役は約14万人)、沿岸警備隊が約1.2万人、それに戦略核兵器部隊兵を合わせ、インド軍正規兵力は約133万人です。

そして、準軍事部隊組織の沿岸警備隊は、国防省の傘下の法執行機関で、広大な自国の周辺海域における治安維持業務を行います。また、英領インド時代に結成された「アッサム・ライフル部隊」は現在、内務省の管理下、民間警察の一部ですが、平和維持活動や災害支援などの活動と治安維持や戦闘にも参加します。

また、「インド」は軍事目的での「宇宙開発」にも力をいれています。2008年には「インド」で初じめての月探査機打ち上げ成功、2013年には火星探査機の打ち上げにも成功し、アジアで初めて成功した火星探査機です。

「インド」と日本の関係について

「インド」と日本の文化的交流の歴史は長く、「インド」(当時:天竺)の仏教が中国を経由して日本に伝わった6世紀から始まります。その後、「インド」の独立運動や世界大戦中など、お互いの困難な時期において、支援や援助をし合い、親密な関係が続いています。そして、1952年に国交を樹立し、現在でも「インド」にとって、第一の援助国は日本です。

日本から「インド」への輸出額(2016年)は約8,900億円で、主要貿易品目は一般機械、鉄鋼製品、化学製品、電気機器等です。また、「インド」からの日本の輸入額(2016年)は約5,000億円で主要貿易品目は揮発油、化学製品、水産品、ダイヤモンド等です。

そして、「インド」にいる日本人の数は「約9,100人」で、日本にいる「インド」人の数は「約3.1万人」です。(2016年,法務省在留外国人統計)

また、約1,400社の日本企業が「インド」に進出しており、大手電機メーカーや自動車メーカーなどの企業が「インド」に製造施設を置き、日本の企業にとって「インド」は大きな市場となっています。

まとめ

いかかでしたか?

「インド」は、人口も多く若く、国土も広く位置も好条件で、農業・酪農大国である一方、IT産業なども発展しており、経済成長率が著しく、巨大市場として世界中から注目されています。また、「インド」は歴史が長く、仏教発祥の地でもありることから、歴史的建造物が多いことでも有名です。

ちなみに、「インド」には「世界一」の政治家サルダール・パテール立像が2018年10月に建設されました。これまでの世界一高い中国の魯山大仏を上回り、台座を含めた高さは240メートルで、ニューヨークの自由の女神の2倍、建設費は約4億ドルだそうです。

なお、男子サッカーの「インド」のFIFAランキングは、2018年10月では「97位」です。

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