【中学校の先生に聞きました!】仕事で必要なこと、そのためにやったこと

どんな仕事にも、その仕事特有の「必要な能力・知識」があります。そしてそれを得てこそ、プロフェッショナルになれます。

本記事では、中学校の先生に、仕事で必要なこと、そのためにやったことをコラムにして書いてもらいました。


はじめに – 中学校の先生によるコラム

筆者が中学校の先生になってから、自分に必要だと改めて気付いた部分はたくさんあります。教師という職業は、いわば「一生勉強」であり、どんなことでも、「これで十分」ということはないように思います。

今回は、そんな中でも特に必要だと思ったこと、そのためにやったことを3つ、紹介します。

その1:英語力

中学生の時は英語が得意で、大学でも英文学科に所属し、中学校の英語を教えるのはそんなに難しくないだろうと思っていました。しかし、実際にやってみると、自分が習って理解することと、教えることは全く違い、とても難しかったです。

特に大変だと思ったのは、発音を教えることでした。学生期間は自分の発音をそこまで気にすることなく過ごしていましたが、教えるとなると、自分が手本にならなければいけないため、自分がしっかり発音できることが必要でした。実際、はじめのころはカタカナ英語っぽい発音であったと思います。だから、まずは授業で使うCDを前もって聞きながら、発音練習をするようにしました。そうすると、少しずつ、発音もよくなっていきましたし、授業でもだんだん自信を持って言えるようになりました。

さらに、自分が習っていたころにはなかったフォニックスという英語の発音の学習がありました。アルファベットすべてにフォニックスの発音があり、教師になってから1から学んだので大変でした。また「a」、「u」、「o」の微妙なニュアンスが難しく、本当に、教材を見て、CDを聞いて練習するという繰り返しでした。ALTの先生に教えてもらったり、実際に授業でやってもらうこともあり、本当にそれが助かったなと思います。

自身の英語のスキルアップのために英会話教室にも通いました。教科書の英語だけではなく、もっと発音よく英語を話したかったですし、英語特有の表現なども授業に取り入れられればいいなと思いました。先生はアメリカ人の若い女の人で、グループでのレッスンでした。最初はあまり積極的にレッスンに参加できませんでしたが、それではもったいないと思い、どんどん発言するようにしました。すると、以前よりも発音も、レスポンスも早くできるようになっていったと思います。結局時間の都合で、1年くらいでやめてしまいましたが、少しは身についたと思いますし、生徒の気分も味わえてよかったです。

文法についても、自分でざっくりと覚えていたり、こじつけて覚えていたこともたくさんあったので、教えるために正しい文法を確認することは何回もありました。特に3年生になると受験問題を解かせて解説したり、生徒が質問にきたりする中に難しいものもあったので、大変でした。テストの採点、英作文の添削でも、当たり前ですが、生徒に正しいことを教えないといないので、何が間違っているか、何が正しいかを説明できる文法力が必要でした。

その2:指導力

大学生まで生きてきた中で、人に腹を立てることはあっても、実際に人を叱る場面は一度もありませんでした。自分の性格的にも、人とはケンカをしないことが一番だと思っていましたし、自分が折れてすむならそれでいいやと思って生きてきたところもあるくらいだったので、中学校の先生になって、日々いろんな先生が、いろんなことに対して生徒を叱ったり、注意したりしているのを見て、最初は本当に驚きました。そして、生徒も最初はいい子風でしたが、だんだん人によっては生意気で、大人だったら絶対人に言わない、しないと思うようなことを言ったりしたりするので、とても驚きました。

もともと企業に就職したくて就職活動もしていて、先生になろうと思ったのも軽い動機だったので、先生になる勉強もそんなにせずに先生になってしまった私は、とても大変でした。指導力を高めるためには、それこそ、先生の仕事の経験を積むこと、先輩の先生方に教えていただいたり、見て学んだりということにつきました。人を叱ったり、注意することも慣れだなと思いました。

その3:人間力

学校の先生になるまでは、教科の授業さえちゃんとやっていればいいと思っていましたが、中学校の先生は生活指導が主な業務であると思います。だから、自分が生きてきた中で経験したことがすべて、教師としての力になると思います。そう思うと、地元の小中学校も割と平和で、そのまま高校、大学へと進んだ私は、勉強も運動もそれなりで、友達関係もそこまで悩むことなく生きていたので、経験したこと、人間力はとても低い状態で学校の先生になったと思います。

しかし、中学校の生徒は本当にいろんな子がいました。勉強が得意な子、不得意な子、運動がよくできる子、苦手な子、なんでも平均くらいの子、自己主張が激しい子、全然しゃべらない子、学校に来ない子、親と死別している子などいろんな境遇の生徒がいましたし、性格的にも本当に1人1人個性がありました。また、保護者の方とかかわる中で、いろんな家庭があるなと思いました。


そんないろんな生徒とかかわる中で、教わることは本当に多かったです。今までも、居心地のいい場所と感じるところでばかり生きてきた自分は本当に世間知らずだったなと思いました。はじめは生徒のことを理解できないことがとても多かったですが、いろんな生徒とかかわることで、いろんな生徒やその人生を知り、それが教師としての経験になり、教師としてやっていくうえで必要な人間力も高まっていったように思います。

まとめ

いかがでしたか?

筆者が中学校の先生になってから必要だと思ったこと、そのためにやったことを紹介しました。

今回紹介した事例に留まらず、教師という職業は、たくさんの「力」が必要になります。それを得るための過程は、楽なことばかりではありませんが、そこで得たものは、仕事を超え、人生にも役に立つことばかりのように思います。

教師にとって何が必要か知りたい方は、ぜひこの記事をご参考ください。

本記事は、2019年10月2日時点調査または公開された情報です。
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