【エリカの部屋(9)】市役所のあるある話「一極集中氷山型の真理」の巻

社会人から公務員になった「エリカさま」が公務員に関する質問にざっくり回答するコーナー <エリカの部屋>、第九回の質問は、前回から引き続き「市役所のあるある話し教えて!」で、今回は、優秀でやる気のある人ほど、わりをくってしまう「一極集中氷山型の真理」編です。


質問者(市役所 女性)市役所の「あるある話」を教えて!

英語教師、貿易実務、海外営業を経た後、30代前半で社会人枠の市役所採用試験を受け公務員へ転職した筆者が公務員にこれからなる方や現場の方からの質問や相談に本音トークで徹底回答していきます。民間と公務員を両方経験した筆者だからこそ語れる応援パワーを皆様にお届けします。

第九回の質問は、前回から引き続き「市役所のあるある話教えて!」で、「一極集中氷山型の真理」についてお話します。

エリカ様回答:「あるある話」正職員目線の続編です。どうぞ」

前回から始まった市役所あるある話ですが、とても書ききれない程のボリュームだったので続編として今回も正職員目線でのあるある話をお送りします。

市役所正職員目線あるある話・・「一極集中氷山型の真理」

自分だけ仕事量が周りと比べて多かったら貴方はどう感じますか?

誰しも仕事量は周りと同等、もしくは楽に働きたいと望みます。ただ、市役所職員の仕事量は残念ながら非常に個々によりバラつきがあります。何故なら仕事が出来る人のみにどんどん雪だるま式に仕事が溜まっていきやすいからです。民間にも仕事が出来る人と出来ない人の差はありましたが仕事が出来ない人は必ずや評価も低く、それに応じて給与にも反映され昇進からも遠のいていきました。

では、市役所の場合はどうでしょうか?

年功序列の副作用

市役所の場合は年功序列の給与体制なので仕事が出来なくても年齢さえ重ねていけば確実に給与は上がっていきます。なので仕事は出来ないのに給与と福利厚生は好待遇という方も少なからず存在しています。それに加え仕事が出来ない人には誰も仕事は振らないのでどんどんその方の仕事量は減るばかりです。

ではその人が受けなかった仕事は誰が引き受けているのでしょうか?

それは、グループの課員、リーダーが引き受けてくださっているのが現状です。なので仕事が出来ない方を抱える課員やリーダーは相当にしんどくなります。ただでさえ他の課員の仕事を引き受けるだけで大変なのに、仕事が出来る人にはシャワーのように次から次へと仕事が課内だけでなく他課からも依頼が殺到するので雪だるまのように仕事量が膨れ上がっていきます。

実際、私が在籍中も仕事の出来るリーダーは沢山いらっしゃいました。ですが、残念ながらある時心身を病み休職されました。毎日夜遅くまで残業し週末も出勤し年中働き三昧の方で、この人に休暇はあるのだろうか、心がつぶれないかペーペーの私が心配になる位の仕事量を持ってらっしゃいました。半年の病気休暇を経て復職しリーダー職から降格し仕事に従事されましたが、病気が再発し休職するのを繰り返しされるようになりました。

以前あんなに身を粉にして働いていた方が病気を繰り返す姿は本当に見ていられません。一度心身のバランスを崩すと病気休暇をとることも、一旦病気休暇から復職し働き続けること事態全てのサイクルのバランスが非常に難しくなります。


まとめ

庁内は仕事が出来ない人は仕事量がどんどん減っていき、仕事が出来る人にはどんどん無数に仕事が振られるという一極集中氷山型が顕著です。しかし、実は仕事が出来るというより、仕事をどんどん断らずに受けてしまう人に仕事が集まりやすいという現象があるということなのかもしれません。

市民からの要望に幅広く応えられるよう仕事内容も一昔前よりどんどん細分化され内部としても規約やマニュアル等も複雑に絡み合い仕事量は増えるばかりです。「より市民の為に!」と熱く仕事に熱中される職員こそその責任感から仕事を全部引き受けようと抱え心身を病む方向に迎ってしまう危険性があるのかもしれません。

仕事を断る勇気を持とう!

仕事をどうぞ断って下さい。その仕事は貴方が断ったら他の誰かに行くだけです。他の誰かが引き受けます。

そのための市役所なんです。実は市役所とは代用が効く場所ということです。誰が来てもその仕事が回るようになっているのです。何故なら殆ど8割が事務員として辞令を受け配属されているに過ぎません。頑張り過ぎてしまう前にどうぞご自身の仕事のやり方を再度見直し、自分が気持ちよい仕事の仕方を見つける機会にしてください。

自分の笑顔を大切に

仕事が出来ないというレッテルを貼られて困るのは自分のエゴだけです。「仕事が出来る自分でいたい」という自分の欲望が傷つくだけです。そんなエゴより自分の笑顔を思い浮かべてください。

貴方は今笑顔でいれてますか?

貴方の笑顔こそが自分自身に自信を作り、貴方の家族に光をもたらし、そして、市民に安心安全を届けられます。病んだ状態では自分にも、家族にも、まして市民には全く光は届きません。市役所職員は自分自身を守り、自分の家族を守り、そして、市民を守るという大役を担っています。なので、給与と福利厚生ががっちりしているのです。

エゴや責任感より実は貴方自身の笑顔と、家族の笑顔と、市民の笑顔全て丸かって連動する仕組みが市役所あるある話の真理ともいえます。どういう働き方が自分に一番ピッタリとあっているのか、市役所職員として、そして、自分の人生の主役者としてキラキラ輝いて働けるよう応援しています。

本記事は、2017年9月29日時点調査または公開された情報です。
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