はじめに
高齢者福祉複合施設で働く、キャリア2年の訪問看護師によるキャリアレポートです。
なお、高齢者福祉複合施設とは、高齢者向けの施設や介護サービス、医療施設などが複数、同じ建物内にある施設のことです。
「高齢者福祉複合施設の訪問看護師」の仕事内容について
老人ホームやクリニック、リハビリ等の複数の施設がある社会福祉法人の訪問看護ステーションにおける「訪問看護師」の仕事についてです。
「訪問看護師」の主な仕事内容は、在宅で看護を必要とする患者宅に、看護師が訪問し看護を提供する事です。訪問看護は、誰でもすぐに利用できるわけではなく、主治医からの指示書がなければ利用する事ができません。
1件あたりの訪問時間は、30分未満～1時間半程度で、介護保険で入るか？医療保険で入るか？により訪問回数や看護時間が異なります。看護師の1日の訪問件数は、1人あたり平均4～6件です。
訪問中の主な業務内容は、バイタルサインなどの健康状態の確認、清拭や入浴介助などの清潔援助、浣腸や摘便などの排泄ケア、点滴の管理、内服薬の管理など様々あります。看取り希望の患者の場合は、主治医と連携し、在宅で最期を迎える準備なども行っています。
「訪問看護師」は、主治医やケアマネージャーさんなどと情報を共有し、常に患者に必要なケアを提供できるようにします。
「高齢者福祉複合施設の訪問看護師」の1日の仕事の流れ
基本的には日勤のみですが、交代で夜間待機電話当番や休日待機電話当番が月3～4回あります。
日勤の場合
8:00 出社
8:10～訪問前準備(当日訪問予定の訪問者ファイル準備)
8:30～朝礼、申し送り
8:50～訪問準備
9:10～訪問(2～3件)
11:30～訪問終了後、看護記録入力・使用材料の滅菌
12:00～13:00 お昼休憩
13:00～訪問準備
13:15～訪問出発
13:30～訪問(2～3件)
16:00～訪問終了後、看護記録入力・業務日誌と勤務表記録・使用材料の滅菌
17:30 退社
この仕事の給料・残業・有給休暇について
「高齢者福祉複合施設の訪問看護師」の月給は、手取り20万前後（諸手当・残業代込み）、ボーナスは年2回で40万前後です。年収は約340万でした。
残業は1日1～2時間程度あり、臨時訪問等がある場合や休日訪問がある場合は、1日8時間以上の時間外勤務もあります。
有給休暇は、比較的取りやすい環境です。
この仕事で、働いているときに困ったこと
待機電話当番の時には、いつ電話が鳴るかわからないので、帰宅後も落ち着く事ができず、困りました。また、夜中でも呼ばれたら、訪問に行かなければならないので、睡眠不足になる事も、しばしばありました。まだ訪問した事のない患者様宅から電話が来る事もあり、その場合は上司に連絡して、同行をお願いしたりしなければならず、手間がかかりました。
いつでも看護記録を入力出来るように、タブレットを渡されていますが、ネットに繋げないとできない作業があったり、なかなか訪問中に記録をする事ができませんでした。ですから、訪問中はノートにメモを取る程度にし、ステーションに戻ってから記録作成することになり、看護記録は時間がかかり大変でした。
この仕事や職場でよかったこと
訪問看護ステーションに異動して、すぐに妊娠が発覚したのですが、妊娠や出産には理解のある職場だったので良かったです。
ケアが多くて大変な患者宅の訪問を入れないようにしてくれたり、待機電話当番も悪阻がひどかった妊娠初期や、お腹が大きくなって動きにくくなった妊娠後期からは、やらなくても良いように配慮してくれました。
現在は育児休業中ですが、復帰後は保育園が休みの土日祝などに勤務の場合は、事前に申請すれば、子供を預ける事ができる場所があるので助かります。
「高齢者福祉複合施設の訪問看護師」の仕事エピソード
とある患者の御家族の中に、訪問看護を利用している患者以外にも、2名の介護を在宅でしていて、1人で3名の介護を行っている方がいました。
1人の介護をするだけでも大変なはずなのに、その御家族はとても前向きな方で「あたしがやらないと、他にやる人がいないしね」「みんな家にいたがってるから、その気持ちを優先してあげたい」と話されていて、その言葉にとても感動しました。
1件目の訪問が長引いてしまい、2件目の訪問時間に間に合うか？間に合わないか？ギリギリの時間だった時、少しスピードが出過ぎてしまっていて、警察にスピード違反で捕まってしまったのは大失敗でした。
まとめ ー「訪問看護師」を目指す方へメッセージ
訪問看護は、ある程度のスキルや知識が必要となりますが、やりがいのある仕事です。
本記事は、2018年6月11日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。
