知的創造に関する成果保護を担当する経済産業省の外局「特許庁」の基本情報

発明などの知的創造に関する成果を保護・活用し、経済および産業の発展を図ることを任務とする中央官庁「特許庁」について解説します。

「特許庁」は、経済産業省の外局として、発明・デザイン・商標など知的創造の保護・活用を担う行政機関です。その基本的な情報についてまとめました。

はじめに

「特許庁」は、東京都千代田区霞が関にあり、1884年に設置された経済産業省の外局の1つです。定員は、2,837人で、長は、特許庁長官です。

なお、前身の組織は「商標登録所」「専売特許所」「専売特許局」「特許局」「特許標準局」「特許庁」でした。

今回は「特許庁」の公務員を目指す方に押さえておいてほしい基本的な情報と役割について解説します。

「特許庁」について

「特許庁」は、東京都千代田区霞が関にあり、長は、特許庁長官です。

ちなみに、「特許庁」の沿革は、1884年まで遡ります。

1884年(明治17年)の商標条例の公布に伴い、農商務省工務局に「商標登録所」が設置されました。

その翌年の1885年、日本で初代特許庁の長官となる高橋是清は、欧米で近代産業が発展する上で知的財産制度が果たす重要性に着目して特許制度を導入し、農商務省工務局に「専売特許所」が設置されました。

これにより、日本の特許制度は、憲法や国会よりも早く誕生することとなりました。

さらに、1886年には、「商標登録所」と「専売特許所」が統合されて、内局の「専売特許局」として、翌年の1887年には、外局の「特許局」に名称変更されました。

こうして、知的財産制度は近代化の幕開けとともに成立し、日本独自の技術は開花しました。

そして、農商務省の内局、商工省の外局、内閣所轄の技術院に移管された後の1945年に「特許標準局」に改組、さらに3年後の1948年に「特許局」に改組され、その翌年の1949年に「特許局」は、「特許庁」に名称変更されました。

その後、「特許庁」は、2001年の中央省庁再編に伴い、経済産業省の外局となりました。

「特許庁」の役割について

「特許庁」の役割は、大きく分けて三つあります。

一つには、産業財産権制度により、発明、デザイン、商標などの知的創造の成果を保護・活用すること、二つには、知的財産により産業の発達に寄与すること、三つには、知財政策の策定と審査体制を強化することです。

「特許庁」では、この三つを実現することにより、「世界最高の知財立国」の実現を目指しています。

また、このような役割を持つ「特許庁」の主な業務は、大きく分けて5つあります。

1)世界各国から受け付けた出願を厳正に審査・審理して産業財産権を適切に付与すること
2)地域ブランド・模倣品対策など産業財産権施策を企画立案すること
3)日・米・欧先進国間協力や中国・韓国を含めた五庁で協力して国際的な制度調和と途上国協力を推進すること
4)「特許庁」では、特許法・商標法・審査基準など産業財産権制度の見直しや、中小企業・大学等に対し支援すること
5)特許電子図書館(IPDL)やDVD-ROM公報等の発行による産業財産権情報提供を拡充すること

「特許庁」の組織構成について

「特許庁」の組織構成は、「特許庁長官」および「特別な職」である「特許技監」と、「内部部局」である「総務部」「審査業務部」「審査第一部」「審査第二部」「審査第三部」「審査第四部」「審判部」「特許庁顧問」によって成り立っています。

この組織の中で、「特許技監」は、工業所有権に関する審査・審判に関する事務のうち技術に関する重要事項を総括整理し、庁内ナンバー2の立場にあります。

なお、特許庁の担う業務の中で、商標の審査は「審査業務部」、意匠の審査は「審査第一部」で行われ、特許の審査および実用新案の技術評価書の作成は技術分野に応じて「審査第一部」~「審査第四部」で行われています。

また、「審判部」では、審査に対する不服の審理などが行われ、方式審査および登録などは「審査業務部」、その他の事務は「総務部」で行われています。

この「特別な職」および「内部部局」のほかに、「工業所有権審議会」があります。

「特許庁」の年間予算は約1,564億円

「特許庁」の平成30年度の予算は、約1,564億円でした。

その主な内訳項目は、大きく「イノベーション創出を支える知財システムの強化費用」と「中小・ベンチャー企業等の知財活動の促進費用」の2つに分かれます。

これらのうち、「イノベーション創出を支える知財システムの強化費用」については、さらに「世界最速・最高品質の審査の実現のための費用」と「新興国の知財システム整備支援費用」とに分かれています。

この2つの費用については、「世界最速・最高品質の審査の実現のための費用」が約567億1000万円、「新興国の知財システム整備支援費用」が約5億3000万円で、「世界最速・最高品質の審査の実現のための費用」が予算のほとんどを占めています。

一方、「中小ベンチャー企業等の知財活動の促進費用」については、約138億2000万円となっています。

内訳についてはこちらの予算概算要求の概要をご参考ください。
https://www.jpo.go.jp/sesaku/sesaku/yosan/gaisanyokyu/pdf/index/h30chizai_gaisanyoukyu.pdf

まとめ

いかがでしたか?

発明・デザイン・商標などの知的創造に関する成果を保護する「特許庁」についてご紹介しました。「特許庁」は、知的財産に関する業務の高い専門性を活かして「世界最高の知財立国」を実現するため、特許制度など知的財産制度に関する政策を策定し、審査体制を強化する役割を担う省庁です。

ちなみに、「特許庁」の英語名称は「Japan Patent Office」で、略称は「JPO」です。

「特許庁」のウェブサイトのURL

https://www.jpo.go.jp/indexj.htm

本記事は、2018年11月26日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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