はじめに 「気象庁」の組織体制について
先の中央官庁「気象庁」の基本情報では、その役割や組織構成、予算などの情報をまとめました。「気象庁」の基本情報は、下記の通りです。
「気象庁」は、東京都千代田区霞が関にあり、1956年に設置、定員は、5,382人です。年間予算(平成30年度)は、約200億円です。
今回は、国家公務員総合職や一般職の方がどの官庁へ就職するかの判断材料になるための詳細情報をまとめました。
それでは、今回は基本情報に続いて、詳しい組織体制について解説します。
「気象庁」の組織概要
「気象庁」の組織は、「気象庁長官」を長とし、「幹部」組織と大きく5つの「内部部局」を中心に構成されています。加えて、その他の機関などがあります。
なお、その他の機関には、5つの「施設等機関(気象研究所等)」、2つの「地方支分部局(管区気象台等)」があります。
「気象庁」の組織分析
「気象庁」の主な業務は、的確な気象情報の提供です。下記のように「気象庁」のホームページにて紹介されています。
気象庁は的確な気象情報を提供することによって、自然災害の軽減、国民生活の向上、交通安全の確保、産業の発展などを実現することを任務としています。また、世界でも先進的な気象機関として、気象業務に関する国際協力も行っています。
このため、気象庁は、常に最新の科学技術を駆使することによって気象業務の技術基盤を確立し、利用目的に応じた分かりやすい気象情報の作成・提供を行っていきます。また、気象庁のサービスに対する利用者の皆様からの声を基に評価を行い、技術開発を進め、新しいサービスを計画・実現していきます。
- 出典
- 気象庁の任務
「気象庁」の上部組織・下部組織について
「気象庁」の上部組織は「国土交通省」です。下部組織は、ありません。
5つの「内部部局」について
「内部部局」について説明します。
まず、5つの「内部部局」の内訳は、下記の通りです。
1)「総務部」
2)「予報部」
3)「観測部」
4)「地震火山部」
5)「地球環境・海洋部」
「総務部」とその業務について
「気象庁」の「内部部局」の1つである「総務部」の業務は、4つの課と3つの官職によって細分化されています。
1)総務課
2)人事課
3)企画課
4)情報利用推進課
5)参事官
6)経理管理官
7)航空気象管理官
・「総務課」とその業務について
「気象庁」の「内部部局」の1つ「総務部」のさらに下の部署の1つ「総務課」の主な業務は、大きく分けて11あります。
1)機密に関すること
2)長官の官印・庁印の保管に関すること
3)公文書類の接受・発送・編集および保存に関すること
4)気象庁の保有する情報の公開に関すること
5)気象庁の保有する個人情報の保護に関すること
6)公文書類の審査・達に関すること
7)気象庁の所掌する事務の総合調整に関すること
8)気象庁の事務能率の増進に関すること。
9)気象庁の所掌する官報掲載に関すること
10)庁内の管理に関すること
11)上記に掲げるもののほか、気象庁の所掌事務で他の所掌に属しないこと
なお、「総務課」には、その下部部署として「広報室」「業務評価室」「調達管理室」「施設物品管理室」が置かれています。
・「人事課」とその業務について
「気象庁」の「内部部局」の1つ「総務部」のさらに下の部署の1つ「人事課」の業務は、主に4つあります。
1)気象庁の職員の任免・給与・懲戒・服務その他の人事および教養・訓練に関すること
2)気象庁の定員に関すること
3)表彰に関すること
4)職員団体に関すること
なお、「人事課」には、下部部署として、「構成管理室」「人事企画官」が置かれています。
・「企画課」とその業務について
「気象庁」の「内部部局」の1つ「総務部」のさらに下の部署の1つ「企画課」の主な業務は、大きく11あります。
1)法令案の審査・進達に関すること
2)気象庁の機構に関すること
3)図書の出納・保管
4)気象庁の所掌事務に関する政策の企画・立案に関する総合調整
5)気象業務に関する基本的な計画の作成・推進
6)気象業務に関する基本的な制度の企画・立案
7)気象業務に関連する技術に関する研究・開発並びにこれらの助成と気象業務に関連する技術に関する指導・普及
8)宇宙の開発に関する大規模な技術開発であって、気象業務に係るものに関すること
9)国立国会図書館支部気象庁図書館に関すること
10)交通政策審議会気象分科会の庶務に関すること
11)図書および資料の刊行に関すること
なお、「企画課」には、下部部署として、「防災企画室」「国際室」「危機管理規格調整官」「情報セキュリティ対策企画官」「技術開発調整官」「海外気象プロジェクト推進官」が置かれています。
・「情報利用推進課」とその業務について
「気象庁」の「内部部局」の1つ「総務部」のさらに下の部署の1つ「情報利用推進課」の主な業務は、大きく5つあります。
1)民間における気象情報の利用の促進その他の民間の活動の振興に資するための気象業務に関する基本的な計画の作成および推進
2)民間における気象業務に関する事務の取りまとめ
3)気象・地象・津波・高潮・波浪・洪水の予報業務と、気象の観測の成果を無線通信により発表する業務に関する許可
4)気象予報士に関すること
5)民間気象業務支援センターの行う業務に関すること
なお、「情報利用推進課」には、下部部署として、「気象ビジネス支援企画室」「民間予報業務管理官」が置かれています。
・「参事官」とその業務について
「気象庁」の「内部部局」の1つ「総務部」のさらに下の部署の1つ「参事官」の主な業務は、命を受けて、気象庁の所掌事務に関する重要事項についての企画・立案に参画することです。
・「経理管理官」とその業務について
「気象庁」の「内部部局」の1つ「総務部」のさらに下の部署の1つ「経理管理官」の主な業務は、気象庁の所掌する経費・収入の予算と、決算・会計および会計の監査に関する事務です。
・「航空気象管理官」とその業務について
「気象庁」の「内部部局」の1つ「総務部」のである「航空気象管理官」の主な業務は、大きく2つあります。
1)航空機の利用に供するための気象業務に関する事務の取りまとめ
2)航空気象業務に関する基本的な計画の作成・推進
なお、「航空気象管理官」には、下部部署として、「国際航空気象管理調査官」「国際航空気象企画調整官」「航空気象業務監督官」が置かれています。
「予報部」とその業務について
「気象庁」の「内部部局」の1つである「予報部」の主な業務は、4つの課によって細分化されています。
1)業務課
2)予報課
3)数値予報課
4)情報通信課
・「業務課」とその業務について
「気象庁」の「内部部局」の1つ「予報部」のさらに下の部署の1つ「業務課」の主な業務は、大きく3つあります。
1)予報部の所掌事務に関する総合調整
2)予報・警報の伝達の組織および方法に関すること
3)予報部の所掌事務で他の所掌に属しないものに関すること
なお、「業務課」には、下部部署として、「気象防災情報調整室」「情報通信システム企画官」が置かれています。
・「予報課」とその業務について
「気象庁」の「内部部局」の1つ「予報部」のさらに下の部署の1つ「予報課」の主な業務は、下記の3つです。
1)気象、地震・火山現象を除く地象および水象の予報・警報
2)天気相談に関すること
3)気象・地象・水象の観測の成果および情報の速報
なお、「予報課」には、下部部署として、「気象防災推進室」「航空予報室」「アジア太平洋気象防災センター」「主任予報官」「地域気象防災推進室」「航空予報技術開発推進官」が置かれています。
・「数値予報課」とその業務について
「気象庁」の「内部部局」の1つ「予報部」のさらに下の部署の1つ「数値予報課」の主な業務は、気象・地震および火山現象を除く地象・水象の数値予報に関する事務です。
なお、「数値予報課」には、下部部署として、「データ同化技術開発推進官」「数値予報モデル開発推進官」が置かれています。
・「情報通信課」とその業務について
「気象庁」の「内部部局」の1つ「予報部」のさらに下の部署の1つ「情報通信課」の主な業務は、大きく2つあります。
1)気象情報の総合的な処理のための情報システムの整備・運用
2)気象通信に関すること
なお、「情報通信課」には、下部部署として、「システム運用室」「データネットワーク管理室」「国際津新管理官」が置かれています。
「観測部」とその業務について
「気象庁」の「内部部局」の1つである「観測部」の主な業務は、3つの課によって細分化されています。
1)計画課
2)観測課
3)気象衛星課
・「計画課」とその業務について
「気象庁」の「内部部局」の1つ「観測部」のさらに下の部署の1つ「計画課」の主な業務は、大きく分けて5つあります。
1)観測部の所掌事務に関する総合調整
2)気象・地震と火山現象を除く地象・地球磁気・地球電気・陸水象およびこれらに関連する輻射に関する観測と、その成果の収集・発表
3)気象、地震と火山現象を除く地象・陸水象に関する情報の収集および発表
4)気象測器その他の測器の検定に関する制度および需給計画
5)観測部の所掌事務で他の所掌に属しないものに関すること
なお、「計画課」には、下部部署として「計画課」「気象技術開発室」「情報管理室」「航空気象観測高度化企画調整官」が置かれています。
・「観測課」とその業務について
「気象庁」の「内部部局」の1つ「観測部」のさらに下の部署の1つ「観測課」の主な業務は、下記の3つです。
1)気象・地震と火山現象を除く地象・陸水象およびこれらに関連する輻射に関する観測の実施と、その成果の収集・発表の実施
2)気象・地震と火山現象を除く地象・陸水象およびこれらに関連する輻射に関する観測についての技術上の基準に関すること
3)気象測器その他の測器に関すること
なお、「観測課」には、下部部署として、「観測システム運用室」「航空気象観測整備運用室」が置かれています。
・「気象衛星課」とその業務について
「気象庁」の「内部部局」の1つ「観測部」のさらに下の部署の1つ「気象衛星課」の主な業務は、気象衛星を利用して行う気象業務に関する事務です。
なお、「気象衛星課」には、下部部署として、「衛星整備計画官」「衛星運用事業管理官」が置かれています。
「地震火山部」とその業務について
「気象庁」の「内部部局」の1つである「地震火山部」の主な業務は、大きく4つの課によって細分化されています。
1)管理課
2)地震津波監視課
3)地震予知情報課
4)火山課
・「管理課」とその業務について
「気象庁」の「内部部局」の1つ「地震火山部」のさらに下の部署の1つ「管理課」の主な業務は、下記の8つです。
1)地震火山部の所掌事務に関する総合調整
2)地震動・津波の予報および警報に関すること
3)地震・地動およびこれらに関連する輻射に関する観測と、その成果の収集・発表
4)地震に関する情報の収集・発表
5)地震、火山現象・地動に関する測器の需給計画に関すること
6)地震・地動に関する測器に関すること
7)地震調査研究推進本部の庶務に関すること
8)地震火山部の所掌事務で他の所掌に属しないものに関すること
なお、「管理課」には、下部部署として、「地震津波防災対策室」「地震情報企画官」「地震津波監視システム企画調整官」が置かれています。
・「地震津波監視課」とその業務について
「気象庁」の「内部部局」の1つ「地震火山部」のさらに下の部署の1つ「地震津波監視課」の主な業務は、大きく分けて3つあります。
1)地震動・津波の予報と、警報の実施に関すること
2)地震・地動およびこれらに関連する輻射に係る観測の実施と、その成果の収集・発表の実施
3)地震に関する情報の収集・発表の実施
なお、「地震津波監視課」には、下部部署として、「国際地震津波情報調整官」「地震動予測モデル開発促進官」「津波予測モデル開発推進室」が置かれています。
・「地震予知情報課」とその業務について
「気象庁」の「内部部局」の1つ「地震火山部」のさらに下の部署の1つ「地震予知情報課」の主な業務は、下記の4つです。
1)大規模な地震の発生を予知するための地震と、これに関連する輻射に関する観測並びにその成果の収集・発表
2)大規模な地震の発生を予知するための地震に関する情報の収集・発表
3)地震予知情報に関すること
4)大規模な地震の発生を予知するための地震に関する測器に関すること
なお、「地震予知情報課」には、さらに下の部署として、「地震活動監視技術開発推進官」「評価解析官」に置かれています。
・「火山課」とその業務について
「気象庁」の「内部部局」の1つ「地震火山部」のさらに下の部署の1つ「火山課」の主な業務は、大きく4つあります。
1)火山現象の予報・警報
2)火山現象およびこれに関連する輻射に関する観測並びにその成果の収集・発表
3)火山現象に関する情報の収集・発表
4)火山現象に関する測器に関すること
なお、「火山課」には、さらに下の部署として、「火山防災情報調整室」「火山監視・警察センター」「火山対策官」「火山活動評価解析官」「火山機動観測管理官」が置かれています。
「地球環境・海洋部」とその業務について
「気象庁」の「内部部局」の1つである「地球環境・海洋部」の主な業務は、下記の4つの部署によって細分化されています。
1)「地球環境業務課」
2)「気候情報課」
3)「海洋気象課」
4)「環境気象管理官」
・「地球環境業務課」とその業務について
「気象庁」の「内部部局」の1つ「地球環境・海洋部」のさらに下の部署の1つ「地球環境業務課」の主な業務は、大きく6つあります。
1)地球環境・海洋部の所掌事務に関する総合調整
2)気象庁の所掌事務のうち地球環境に係る気象業務に関する基本的な政策の企画・立案・推進
3)気象庁に所属する観測船に関すること
4)離島における気象業務に関すること
5)海水象・大気中におけるオゾンの分布・温室効果ガスの濃度その他の地球の全体又はその広範な部分に影響を及ぼす気象およびこれに関連する輻射に関する気象測器その他の測器の需給計画に関すること
6)地球環境・海洋部の所掌事務で他の所掌に属しないものに関すること
なお、「地球環境業務課」には、さらに下に3つの部署「地球温暖化対策調整官」「地球環境観測ネットワーク企画調査官」「観測船運用管理官」が置かれています。
・「気候情報課」とその業務について
「気象庁」の「内部部局」の1つ「地球環境・海洋部」のさらに下の部署の1つ「気象情報課」の主な業務は、下記の3つです。
1)気候の予報
2)前号に掲げる事務に関し必要な地震・火山現象を除く地象・水象の予報に関すること
3)気候に関する情報の収集・発表
なお、「気象情報課」には、さらに下に2つの部署「異常気象情報センター」「気候モデル開発推進官」が置かれています。
・「海洋気象課」とその業務について
「気象庁」の「内部部局」の1つである「地球環境・海洋部」のさらに下の部署の1つ「海洋気象課」の主な業務は、大きく4つあります。
1)海上気象・海水象およびこれらに関連する輻射に関する観測と、その成果の収集・発表
2)海上気象・海水象に関する情報の収集・発表
3)海面水温・海流・海氷の状況の予報
4)海水象に関する気象測器に関すること
なお、「海洋気象課」には、さらに下に2つの部署「海洋気象情報室」「沿岸防災情報調整官」が置かれています。
・「環境気象管理官」とその業務について
「気象庁」の「内部部局」の1つ「地球環境・海洋部」のさらに下の部署の1つ「環境気象管理官」の主な業務は、下記の3つです。
1)海上気象を除く地球的規模の気象と、これに関連する輻射に関する観測およびその成果の収集・発表
2)海上気象を除く地球的規模の気象に関する情報の収集・発表
3)地球的規模の気象とこれに関連する輻射に関する気象測器その他の測器に関すること
なお、「環境気象情報官」には、さらに下の部署として「全球大気監視調整官」が置かれています。
「施設等機関」について
「気象庁」の「施設等機関」には、「気象研究所」「気象衛星センター」「高層気象台」「地磁気観測所」「気象大学校」があります。
ちなみに、「施設等機関」とは、国の行政機関におかれる試験研究機関、検査検定機関、文教研修施設、医療更生施設、矯正収容施設、作業施設の総称です。
「気象研究所」について
「気象庁」の「施設等機関」である「気象研究所」は、気象庁の施設等機関として、日本の気象業務を支える科学技術を研究・開発の面で担っている研究機関です。
「気象研究所」は、これまでに、大規模な自然災害を引き起こす集中豪雨・台風・地震・火山噴火等の現象解明・予測に関する研究や、地球温暖化・異常気象・オゾン層破壊・酸性雨・砂漠化等の地球規模の気候変動・地球環境問題に関する研究などを実施しました。
この「気象研究所」の研究による成果は、天気予報や地震活動の監視などの気象業務の改善・高度化に活用されてきました。
なお、「気象研究所」には、下部部署として、「研究総務官」「研究調整官」「企画室」「総務部(総務課、会計課)」「予報研究部」「気象研究部」「台風研究部」「環境・応用気象研究部」「気象衛星・観測システム研究部」「地震津波研究部」「火山研究部」「海洋・地球化学研究部」が置かれています。
「気象衛星センター」について
「気象庁」の「施設等機関」である「気象衛星センター」の主な業務は、運輸多目的衛星「ひまわり7号」の「衛星管制」の実施です。
加えて、「気象衛星センター」では、数値予報データや気象観測データを収集した処理も行われています。
なお、「気象衛星センター」には、さらに下に2つの部署「総務部」「データ処理部」が置かれています。
「高層気象台」について
「気象庁」の「施設等機関」である「高層気象台」の主な業務は、地上での気象観測の他、高層気象観測によって水蒸気量、大気オゾン量、放射量、有害紫外線量を観測し、正確な天気予報や気候変動・地球環境の監視等です。
なお、「高層気象台」には、さらに下に3つの部署「総務課」「観測第一課」「観測第二課」が置かれています。
「地磁気観測所」について
「気象庁」の「施設等機関」である「地磁気観測所」の主な業務は、地球内部と地球を取り巻く空間にある地磁気を高い精度で定常的に観測し、地球内外の地磁気の状態およびその変化の監視・解析です。
なお、「地磁気観測所」には、さらに下に3つの部署「総務課」「技術課」「観測課」が置かれています。
「気象大学校」について
「気象庁」の「施設等機関」である「気象大学校」の主な業務は、気象庁の職員(気象大学校学生を含む)に対して気象業務に従事するために必要な教育および訓練を行うことです。
なお、「気象大学校」には、さらに下に3つの部署「総務課」「教務課」「学生課」が置かれています。
まとめ
いかがでしたか?
「気象庁」は、組織を細分化し、交通安全情報・各種産業情報・生活情報などを提供し、自然現象を監視する業務を効率的に行っています。
コメント
コメント一覧 (2件)
昨年10月に組織再編しています
https://www.jma.go.jp/jma/press/2009/30a/20200930_soshikikisoku.pdf
コメントありがとうございます。改めて調査いたします。