公務員の役職に「主事」や「主査」という役職がありますが、一般的に馴染みがなく、どっちが偉いの?どれくらい偉いの?など疑問に思う方も多いと思います。
一般的な「主任」「課長」のようなものなのか、違う考え方があるのかなど、公務員独特の役職についてご紹介し、解説します。
公務員には「主事」や「主査」などの特有の役職名があります
公務員の役職には、一般企業などではあまり使われない「主事」や「主査」「主幹」などの名称があります。
「主査」や「主幹」については、自治体によって、どちらの階級が上になるのかが異なるようです。
例として、東京都庁では、階級が下の方から役職を並べると、次のような順番になります。
- 主事(いわゆる「平社員」)
- 主任
- 課長代理(「主査」や「主幹」を含む役職)
- 課長
- 部長
- 局長
- 副知事
「部長」などは一般的な名称ですのでわかりやすいと思いますが、それぞれどのような役割があるのかをご紹介します。
》参考:東京都人事委員会|職務の級の決定
https://www.saiyou.metro.tokyo.lg.jp/syokukyuukettei.html
「主任」「主査」「主幹」などは、自治体によって階級の上下が異なる
実は、「主任」「主査」「主幹」という役職は、自治体によって階級の上下が異なります。
基本的に階級が下の方から「主任」→「主査」→「主幹」という順番なのですが、例えば、「主幹」が「課長」より偉いのかは、自治体によって違うことがあります。
具体的には、さいたま市では、「主幹」より課長よりが上級ですが、千葉市では課長より「主幹」が上級です。
このように、自治体によって階級制度は異なることがありますので、就職や転職する際などにはご注意ください。
》参考:総務省|独自構造の給料表を用いる都道府県・指定都市における級別標準職務(平成21年)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000043253.pdf
「主事」とは?一般企業でいう「平社員」に相当
「主事」とは、新入庁の職員がまず与えられる役職名です。 社会人採用枠の場合は「主任」からスタートする場合もありますが、入庁1〜5年目で最も多いのが「主事」です。
民間企業での「平社員」に相当し、役職手当はありません。
「主事」の平均年齢は20歳代後半で、異動の期間は平均して3~5年です。早い人だと2年で異動があるようです。
「主任」とは?一般企業と同じように平社員の1段階上の階級に相当
「主任」とは、「主事」の次に昇格できる役職です。昇格基準は自治体によるのですが、たいていは在籍年数や年齢で、仕事の評価にかかわらず、誰でも自動的に昇格可能なようです。
「主事」の解説でもご紹介した通り、例えば、社会人枠・中途採用枠などで、30歳になれば誰でも「主任」になる自治体に、30歳以上で入庁すると、主事ではなく、主任からキャリアがスタートという場合もあります。
ただし、自治体によっては主事から主任への昇格も自動昇格でなく、試験による昇格としているところもあるようです。
「主任」の平均年齢は30〜35歳頃で、異動までの期間は3〜5年です。部下がつく場合もありますが、役職手当はつきません。
「主査」とは?東京都では、「課長代理」職の一つ
「主査」とは、東京都では「課長代理級」の職種の一つです。課長代理級なので、役職手当はありません。
また、「主査」が「係長級」であるという自治体もあります。
「主査」の平均年齢は、30歳代後半から40歳代で、異動の期間は5年ほどが多いようです。
「主幹」とは?課長級の階級
「主幹」は、自治体によって階級が違う、つまりどのくらい偉いのかが異なってはいますが、一般的には「課長級」の階級です。
「主査」の次の役職が「主幹」という自治体もありますが、「主査」の役職を「主幹」と言い換えているだけで、「主査」と同等の階級としている自治体もあります。
課長級ですので、役職手当がつくことが多く、「業務上で中心となる人材」という意味通り、プロジェクトリーダーなど、まとめ役としての業務が増えます。「〇〇課」の課長ではなくても、課を率いることができる能力や経験が認められた役職です。
まとめ
このページでは「主事」「主任」「主査」「主幹」など、公務員に特有の役職について、立場などを中心に解説しました。
民間企業とは役職名として呼び方は違いますが、民間企業に相当する職種がある役職もあります。
例えば「主事」は民間企業では役職名がつかない、いわゆる「平社員」に相当しており、新入庁の職員からなれる職種です。
また、自治体によって役職の上下は異なりますので、「主幹」だから「主査」より偉いとは必ずしも言えない場合があるので、ご注意ください。
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