2020年度、国家公務員から人事院に寄せられた相談事案は1247件で過去最多
国家公務員が職場環境について相談する窓口として、人事院の相談窓口があります。自分の組織の中では上下関係などもあって解決しにくいという場合などに活用できます。
その人事院の相談窓口に寄せられる相談件数は年々増加しているそうですが、2020年度の相談件数は1247事案(同一人物からの相談を1件としてカウント)で、前年度より123件も増加し、過去最多となりました。
また、同一人物からの複数回の相談もそれぞれカウントするのべ相談件数については1727件で、昨年度より106件増加し、のべ件数でも過去最多を記録しています。
常勤職員、非常勤職員、どちらも苦情相談件数は増加傾向
人事院に苦情を寄せた国家公務員のうち、相談者が常勤職員が975事案、非常勤職員は272事案で、どちらも前年より増加傾向にあるようです。
雇用形態に関わらず、相談件数が増えていることがわかります。
苦情・相談の内容は、全体の3割が「ハラスメント」に関するもの
人事院に寄せられた国家公務員からの苦情や相談について、具体的な内容を確認すると、「パワー・ハラスメント、いじめ・嫌がらせ」に関するものが29%と最も高く、それ他のハラスメント事案では、「セクシュアルハラスメント」に関するものが1.9%、「妊娠、出産、育児又は介護 に関するハラスメント」が0.4%でした。
国家公務員の方が人事院に相談したい時は
国家公務員からの苦情相談は、人事院の公平審査局職員相談課・各地方事務局などで受け付けられており、相談者は電話、メール、手紙、面談などで相談することができます。
詳しい連絡先は下記のページをご覧ください。
▼参考URL:人事院|苦情相談(外部サイト)
また、人事院では、2020年6月から「人事院規則10−16(パワー・ハラスメントの防止等)」を施行したことから、最近は特にハラスメント防止に力を入れているようです。このような情報の周知が、相談しやすい環境を生み出し、相談件数増加につながっているとも考えられます。
▼参考URL:人事院|ハラスメント防止について(外部サイト)
まとめ
このページでは、国家公務員の職場に関する苦情・相談窓口の一つになっている「人事院」が発表した、2020年度の相談件数・内容についてご紹介しました。
2020年にパワー・ハラスメントなどを防止するため新たに人事院規則が施行されるなど、近年特にハラスメント防止策に力を入れている人事院ですが、相談件数は増加傾向です。
これは、ハラスメントに関する情報の周知が進み、相談しやすい環境が整ってきているという効果であるとも捉えられています。
相談しやすい環境が整ってきたことは歓迎すべきことですので、今後も順調に相談から解決までが行われることが求められています。
また一方で、国家公務員の人員が限られる中で、行政ニーズが多様化していることで、ますます職場環境が厳しくなっているという人事院の担当者分析を報じているメディアもあり、相談しやすさが件数を伸ばすだけではなく、新たな職場環境による相談も増加しているという指摘もあるようです。
今後も、国家公務員の働く環境について、公務員を目指す方にとっても注目されるテーマとしてとりあげていきます。
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