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アメリカの社会状況2025

トランプ関税カウントダウン アメリカ市民が直面している見えない不安(2025年8月記事)

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ありとあらゆる商品が値上がりする可能性のあるトランプ政権の関税措置。今のところはまだ劇的値上げは回避されている状態とはいえ、8月以降はそうもいかないよう。地域経済に更なる混乱を招きそうです。

目次

すぐに物価が上昇しなかったのはメーカーによる関税対策

関税を実際に払うのは輸入業者で米国の貿易相手国ではない、関税がかけられた輸入品は大幅に値上がりし、家計を直撃すると警鐘がならされ続けて早6ヶ月、当初予想されていたほどの値上げは、まだ起こっていないように感じます。

しかしそれはトランプ氏の一方的な関税率の発表や他国との交渉が口約束だけなので、実質的な関税措置がまだ執行できないだけのこと。今まで身動きが取れずずっと様子見状態だった輸入業者も、正式な通知が出たらすぐに行動を起こす準備は万端に整っていると思います。

例えばAppleはアメリカの企業ですが、収益の大半を占めるiPhoneは主に海外で作られています。アップルCEOから関税対策とアメリカ国内の在庫確保のため、インドの工場から在庫を満タンに積み込んだ飛行機を追加で5機ほど飛ばしたという報道が4月にありました。この駆け込み在庫確保のおかげで、最低でも7月末までは通常価格で商品が提供されるという話です。

しかし実は8月に国別・製品別追加関税措置が執行されるので、今ある在庫が尽きたら次は関税価格になりますよ、今のうちに新しい機種に買い替えておきましょうよと暗に仄めかされているだけなのでは?とも聞こえます。

今後は洋服に家電、日用品まで生活必需品全ての大幅値上げもありうる

国別・製品別追加関税措置が執行される予定の8月は、新しい学年を迎える子供達が新学期に備えて衣類や学用品などを新調するBack to Schoolシーズンでもあります。文房具、工作用品、バッグや衣類など、必要なものが一堂に販売されているうえに値段も安く、種類が豊富で子供が好きな色や柄を選ぶことができる、ウォールマート/Amazonが毎年一番の買い物先に選ばれます。

例年なら今時期ウォールマートの店内はBack to School商品が山盛り積み上げられている時期なのに、今年は商品棚に隙間が多く見かけられます。それは単に新学期の準備を早めに済ませてしまう家庭が多かったからだけなのかもしれません。しかしもしかすると関税の影響で入荷する物資の量が落ち込んでしまったせいで、並べる商品がないのかもとも思ってしまいます。

幸い我が家には、学校に通っている子供はいないので、新学期用品を新調する必要はありません。家電やスマホなどの高額商品も、今持っている物をまだしばらく使い続ける予定なので、出費は抑えられているほうだと思いますが、しかしそうも言っていられないのがスーパーで買う生鮮食料品です。

今はまだ他店より値上げを抑えることで割安感を出し、客数を増やす戦略をとっているスーパーも多くあるので、セール商品をうまく活用して買い物をすれば、生活に支障をきたすほどの影響は出ていません。

しかし日本食に欠かせない米・味噌・醤油などを取り扱う小規模のアジア系食材店や、無農薬・無添加食材を積極的に取り扱っているスーパーなどは、商品の仕入れ価格が上がった分を素直に売値に反映していかないと経営が成り立たないという一面もあるので、関税の影響が一番にしかも顕著に出ると思われます。そう言ったお店に定期的に買い物に行く、我が家の家計への影響が一体どれ程になるのかが心配になります。

ハロウィンやサンクスギビング、ホリデーシーズンも心配

相互関税が発動する4月9日までに出港した最後の非関税船舶が、7月末にロスアンゼルスに入港したので、これから1〜2ヶ月の間に関税前に輸入した商品の在庫は底をつき、消費者は関税の影響を直接肌で感じるようになってくるだろうと言われています。こういうニュースを聞いていると、保存がきいてこの先必ず使うものに関しては、品薄になる前に買ってストックするようになりました。


アメリカは食料自給率の高い国ではありますが、果物や野菜などはメキシコとカナダ、肉類はブラジルなど南米諸国に大きく依存しています。

そのうちどこのスーパーでも調整だけでは賄いきれず、いずれ値上げするしかなくなるとは思います。ただコロナのロックダウンの時に経験したような、値上げだけではなく品薄状態でスーパーの棚がガラガラになって買いたいものも買えなくなるような事態になることだけは避けて欲しいです。

(ロックダウン直後のスーパーの商品棚。缶詰やパスタなど保存の効く商品が棚から真っ先に消え、この状態が数ヶ月間続きました)

今から2ヶ月後の10月にはハロウィン、11月はサンクスギビング、そして12月はクリスマスとホリデーシーズンが始まります。家族や友人みんなで食卓を囲む一年で一番楽しい時期なのに、今年の年末は何が起こるのか、今からとても不安です。

トランプ関税はアメリカが自国の産業や雇用を守ることを前提に打ち出した政策のはずなのに、このままだと守られるはずの国民だけが被害を受けるという最悪の結果をもたらしそうです。

まとめ

今後の先行きに不安しかないトランプ関税。一体いつ始まっていつまで続くのか、またどの商品がどのくらい値上がりするのか全くわかりません。

買いだめできる物は今のうちに買いだめしておくのも一つの手なのかも知れませんが、肝心の関税手続き方法がクリアでない今はまだ、衝動的な大量買いは避けるべきではないかと個人的には思っています。

本記事は、2025年8月12日時点調査または公開された情報です。
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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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