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アメリカの社会状況2025

2025年、今後アメリカの移民はどうなるのか?検討される可能性のあるアメリカの移民対策について

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2024年の米国大統領選はトランプ氏の勝利で決着がつきました。移民に対して何かと厳しいトランプ氏ですが、もしかすると今後アメリカのビザと永住権に対して新たな試みが行われるかもしれません。今回は、アメリカ在住の日本人の2025年1月時点でのアメリカ・移民に関するいくつかのキーワードをピックアップしてご紹介します。

目次

2025年1月以降にアメリカの大学を卒業するとグリーンカードが自動付与される(かも?)

アメリカ合衆国の第47代大統領に共和党のドナルド・トランプ氏がアメリカの東部時間2025年1月20日正午に就任しました。

今回の大統領選勝利の大きなカギになったアメリカの移民問題。トランプ氏が移民に対して否定的とも言える言動を繰り返してきたのは世界的にも有名だと思います。しかし選挙期間中の6月頃のハイテク投資家らが司会するポッドキャストでトランプ氏は、米国の大学を卒業した外国人には永住権(グリーンカード)を自動的に付与すべきだと、従来のスタンスとは正反対とも言える考えも示しました。

永住権自動付与について

第1期トランプ政権だった2017年から2021年1月6日までの間、アメリカ人の雇用を奪うという理由で、大規模なビザの発給制限が行われました。臨時労働ビザのH-2A及びH-2Bビザはほとんど発給されなくなり、専門技術職用のH-1Bビザの発給も大幅に制限されてしまいました。

そのため高度医療に従事する医師やコンピューター関連のハイテク技術職者達のビザも安易に更新できなくなる事態が多発し、会社の運営上どうしても外国人技術者を必要とする企業や医療機関などに、甚大な被害を及ぼしました。

当時この政策によって経営に大打撃を受けた企業からは、沢山の不満の声が上がりました。そこで第2次トランプ政権では、米国社会に貢献できる優秀な人材が、大学卒業後すぐに母国に戻ってしまわないよう、グリーンカードを自動付与して米国での就職を促すという作戦をとるようです。もし本当に大学卒業後永住権が自動付与されるようになれば、アメリカに留学してくる学生に対し、大きなインセンティブになると思われます。

就労ベースでグリーンカードの申請には時間も費用も莫大にかかる

アメリカはもともと移民で成り立っている国です。毎年沢山の移民を受け入れていますが、移住希望者全てを無条件に受け入れているわけではありません。特に永住権の付与については厳しく制限され、労働ベースで永住権を取得するまでには、長い時間と大変な労力がかかります。

例えば就労ビザを取得してすぐに永住権の申請をはじめたとしても、永住権の取得までには2〜3年かかるのが普通です。申請中はスポンサー企業で働き続けなければなりませんし、もし期間中に転職や解雇にあった場合は、すぐに新たなビザスポンサーを見つけなければなりません。また労働ベースからの永住権申請は、弁護士事務所に依頼するのが一般的で、1回の申請でうまくいった場合でも、弁護士費用は百万円以上かかるケースもざらにあります。この費用に関しては状況によって、企業が負担してくれる場合もあれば個人負担になることもあります。

2025年1月現在、アメリカで仕事探しは難しい

いま現在アメリカの大学に留学してくる外国人留学生のほとんどは、卒業後米国で就職せず母国に戻っていきます。その中には、大学卒業後も就職してアメリカに留まりたくても、ビザが取得できずにやむなく自国に帰らなくてはならない人達が沢山います。

外国人が非移民としてアメリカで合法的に滞在するには、何らかのビザ取得が必須になります。例えば学生ビザ(F1ビザ)で渡米した場合、フルタイムで学校に通っている間は有効ですが、卒業後60日で自動的に終了します。もし卒業後もアメリカに滞在したい場合には、このタイムリミットが過ぎてしまう前に、次のビザをサポートしてくれる就職先を見つけなければならず、それができなければ自国に帰らなければなりません。

外国人がアメリカ企業で採用されるためには、雇用主が一定期間求人広告を出しても、その職務を遂行できるアメリカ人が見つからなかったことが証明できてはじめて、外国人雇用が政府に認められビザが発行されます。


言い換えればアメリカ人にはない知識・技術・能力を持っていなければ、アメリカでの就職は不可能に近い、ということになります。また就労ビザをサポートするかどうかは、企業が決めることになっているので、ビザサポートをしてくれる企業を探すのも安易ではなく、そういう点も外国人のアメリカ就職をさらに困難にしているのだと思います。

永住権があればアメリカで働ける、でも…

もし大学卒業後に永住権自動付与が行われれば、こういった就労ビザの心配や滞在期間のリミットなどを気にせずに、職探しが可能になります。また求人があればどんな職種でも応募が可能になるので、仕事探しの幅が増えるのも確かです。

しかし実力社会のアメリカでは、まず即戦力となる人材が求められます。自社の発展につながらないと判断されてしまえば、たとえ求職者が白人アメリカ人だったとしても、採用に至らないのがほとんどです。

人種差別とまではいかなくても、文化の違いや言葉の壁もある海外留学生の採用は、同程度の成績で大学を卒業した他のアメリカ人と比べると、難しくなりがちになるのは明らかで、永住権を持っていても、就職先が見つかりやすくなる訳でありません。

ただ滞在期間に期限がないので、希望の職場に採用されるまで、バイトしながら気長に頑張るのも一つの手だとは思います。ただそれは求人が出るまで待てば正社員で就職できるような、能力と才能を持っている優秀な人だけに当てはまる話です。

経済的な事情など、時にはどうしてもアルバイトをせざるをえないケースもあるかもしれませんが、実際の話、今の高インフレ状態のアメリカでバイト1つだけでは、長くは暮らせません。最低でも2つは掛け持ちしなければ生活できないと思います。レストランやファーストフードなどのバイト募集は沢山あるので、比較的すぐに仕事が見つかります。

しかし雇用側からしても従業員がすぐ辞めても代わりがすぐ手に入るので、もし怪我や病気で仕事を数日休めばすぐクビになってしまう可能性もあります。日本ならアパートの家賃の振り込みが数日遅れても謝れば許してもらえると思いますが、アメリカではすぐに裁判所からの立ち退き命令書が発行され、数時間後には家を追い出され最悪ホームレスになってしまうこともあります。

個人的に思うのは、自分で滞在期間の期限を決める権利を持っていればこそ、安易にバイトで食い繋ぎ無意味に滞在を長引かせた結果トラブルに巻き込まれる前に、まずは自分なりのゴールを決めてから、米国滞在期間を検討するのが良いのではないかと思います。

まとめ

政権交代がもたらすビザや永住権の影響を先読みして備えていくのは、とても難しいです。しかしリスクやメリットについての理解は深めていけたらなと思います。

本記事は、2025年1月27日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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