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アメリカの社会状況2026

今はもう誰も行きたがらないラスベガスの理由とちょっとだけ大阪IRを考える(2026年1月情報)

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長年にわたって記録的な訪問者数とカジノからの収益で潤ってきたラスベガスですが、近頃は旅行者離れが進行し、深刻な状況を招いているのをご存知でしょうか。

目次

ゴーストタウン化したラスベガス

今YouTubeやXなどで、ラスベガス・ストリップ地区(メイン通り)で客離れが進みゴーストタウン化していると話題になっています。

@bvdutter

Las Vegas used to be packed! But now it seems like nobody comes around anymore. #Vegas #LasVegas #VegasStrip #ForYou #ForYouPage

♬ original sound – The Barrister

この動画に関しては、あまりにも人通りが少なすぎるので、ゴーストタウン化しているのを大袈裟に演出しているのではとも言われています。しかしラスベガスを訪れる人の数は年々確実に減っているのは事実のようで、2025年7月の来訪者数は前年度と比較して12%減少、定期的に訪れていた人達の20〜30%が再訪しなくなっているそうです。

訪米インバウンド客の激減

トランプ大統領のカナダを51番目の州にするという発言で、カナダからの観光客は米国旅行をボイコットし、入国審査の厳格化で「アメリカって今、観光にいって大丈夫な国なのか?」という疑問や、空港での別室送りや強制送還の可能性がある不安からか、その他の国々からの訪米客も旅行先を他の国へ変更した結果、全米どの観光地も海外からの観光客数が激減し、2025年の米インバウンド市場は大打撃を受けました。

ただアメリカ人の観光旅行は、国内・国外どちらも増加傾向にあります。それなのにラスベガスの観光客数だけが大幅に減っているのは、ホテルが徴収するリゾート料金や各種サービス料金が高額すぎて、アメリカ人の中間層と呼ばれる人達に「ぼったくりラスベガス」に行く金銭的余裕がなくなってしまった可能性が大いにあります。

ラスベガスの衰退の原因は高すぎるサービス料金

ラスベガスのホテルがリゾートフィーの徴収を始めたのは、2008年のリーマンショックから景気がちょっと回復してきた頃でした。当時は1ドル100円から110円の間くらいの円高で、自分も日本から来てくれた友人とラスベガスの綺麗なホテルで一泊してからグランドキャニオンに車で行く、いわゆる週末の小旅行を年に何度も繰り返していた時期だったので、突然リゾートフィーが宿泊代に加算された時の事をよく覚えています。

当時のリゾートフィーは一泊あたり10ドル前後で、まだ許容範囲内でした。それが今では一泊につき50ドル以上請求されます。しかもリゾートフィーを払っていてもホテルの駐車場を利用すると最低25ドルはかかりますし、もし早めに部屋に入れるように頼むと60ドルのサービス料金がチャージされます。ホテルの客室に置かれているトレイには電子センサーがついていて、水のボトルや小さなポテチの袋を手に取っただけで自動的に部屋代にチャージされます。

ミネラルウォーターのボトル料金は1本26ドルくらい、小さなポテチが8ドル、ホテルの外のコンビニで買ってきた飲み物を冷蔵庫に入れようと開けただけでも料金が発生する場合もあるらしく、チェックアウトの日に物凄く高額な請求書を見たくなければ、安易に部屋にあるものを触らないというのが、今のラスベガスのホテルにとまる常識となっています。

ストリップ地区のレストランで食事をすると、コロナ禍前にはなかった「コンセッションフィー」「サービスフィー」「Covid(コロナ)回復フィー」という名の追加手数料が4〜5%上乗せされるようにもなりました。

コンセッションフィーを導入しているレストランは、飲食料金も法外に請求してくる場合が多く、コーヒーとベーグルで30ドル、ハンバーガーとソフトドリンクのセットが50ドル近く請求されます。支払いの際のクレジットカードの決済機に自動表示されるチップの選択肢も30〜45%と高めに設定している店が増えてきていて、急増するチップの割合プラスレストランのステルス手数料で、最終的に請求される金額はメニューに表示されている価格の2倍近くにもなってしまいます。

魅力的なコンテンツ不足

このぼったくりとも言える予想外の料金システムは、人々の足をラスベガスから遠ざけるのには十分な理由になると思います。SNSが発達した今の時代、食事やホテル、エンターテーメント代、お酒の値段、全てがあまりにも高すぎるという誰かの経験は、すぐに拡散されて世界中に知れ渡り、まだラスベガスに行ったことのない人達からも旅行先の選択肢から外されて、訪れる人がより減ってしまった結果のゴーストタウン化なのかもしれません。


しかし、それではなぜラスベガスよりも高い宿泊税やリゾートフィーを観光客から徴収しているハワイには根強いリピーターが一定数いるのに、ラスベガスは一度行けば十分という評価になってしまうのでしょう。その理由は、ラスベガスに魅力的な観光コンテンツが不足しているからではないかと個人的には思っています。ラスベガス近隣の観光地といえばグランドキャニオンやフーバーダムですが、ラスベガス経由で行かなくても見に行けますし、リゾートフィーのないホテルに泊まれば宿泊代もずっと安くすみます。

ラスベガスまでいかなくてもギャンブルはできる

アメリカでカジノと言えば、ラスベガス(ネバダ州)が圧倒的に有名ですが、他の州にカジノがないわけでありません。実際アメリカ国内でカジノを全面的に禁止しているのはハワイ州とユタ州の2州のみで、その他47州とワシントンD.C.では日常生活に根付いたローカルスタイルのカジノが楽しまれています。

日本では違法のスポーツ賭博も全米の約8割の州では合法化されていますし、ニュージャージー、ペンシルベニア、ミシガン、ウェストバージニア、コネチカット、デラウェア、ロードアイランドの7州に関しては、オンラインカジノが合法化されています。カジノは州法で管理されているので、オンライン・カジノが合法的にプレイできるかどうかは居住地の法律を確認する必要はありますが、ギャンブルがしたいだけなら、わざわざ遠くのカジノまで足を運ばなくても、スマホ一つでどこでも簡単にプレイできてしまうわけです。

試しに家の近くにある新しいカジノに行ってみたところ、コロナ前には中華系の観光客で大混雑していたカジノ会場が、今は本当にガラガラで、カジノだけではもう収益を見込めない時代になってきたのだと実感しました。

大阪IR計画は大丈夫?

そこでふと思ったのが大阪IR計画。関西万博の跡地にカジノを含む統合型リゾート施設として再開発が予定されているということですが、ラスベガスのカジノ衰退を見ていると少し心配になってしまいます。オープンしたてはきっと物珍しさも相まって、多くの観光客が訪れるはずです。しかし現在観光客の主流であるミレニアやZ世代層の若者達は、ギャンブルに興じるよりも、その地域ならではの特産品や文化、サブカルチャーなどに興味を示す人が多いですし、カジノのある国から訪れる観光客から見ると、カジノは魅力的どころか時代遅れ感すら感じます。

ギャンブルをするか他の観光地に行くか、どちらを魅力的に感じるかは人それぞれだと思います。ただ海外からやって来る家族連れ観光客が、日本旅行の楽しい思い出作り行くのなら、カジノより断然USJを選ぶはずでしょうし、自分もギャンブル目的に何度も夢洲に行くとは考えづらいです。

まとめ

ラスベガスの観光不振の背景には、アメリカ国内の経済不安やカジノのオンライン化、インバウンド観光の不振など、複合的な要因が複雑に重なり合っているようです。日本初のIR・カジノが、ラスベガスの二の舞にならないようにするには、色々な世代の人たちが楽しめるノンゲーミング性の高いコンテンツを数多く盛り込むことが重要ではないかと思います。

本記事は、2026年1月13日時点調査または公開された情報です。
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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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