日本警察を取りまとめる官公庁「警察庁」の基本情報について

「警察庁」は、国家公務員が勤務する行政機関の中で、日本警察の頂点に位置する組織として、全国の警察機関を束ねる、「国家公安委員会」に設置される特別機関です。

今回は、その基本的な情報についてまとめました。


はじめに

「警察庁」は、東京都千代田区霞が関にあり、1954年に設置された日本の行政機関です。定員は、約7,800人で、定員の中で警察庁職員は約2,150人、皇宮護衛官は約880人、一般職員は約4,770人です。

なお、前身の組織は、旧警察法に基づいて設置された「国家地方警察本部」でした。

今回は「警察庁」の公務員を目指す方に押さえておいてほしい基本的な情報と役割について解説します。

「警察庁」について

「警察庁」は、内閣府の外局として、内閣総理大臣の所轄の下に置かれる上部組織が国家公安委員会である「特別の機関」です。長は、警察庁長官です。

また、「警察庁」は、日本警察の頂点に位置する組織であり、そのポジションでの業務を担っています。具体的には、警察制度の企画・立案や、国の公安に関する事案についての警察運営、警察活動の基盤である教養・通信・鑑識等に関する事務、警察行政に関する調整等の業務です。

「警察庁」の設立経緯

「警察庁」の設立経緯について説明します。

「警察庁」が設置されるまで、日本警察は、明治7年に当時の内務省に警保寮が設置されて以来、第二次世界大戦の終了まで、中央では内務省警保局に、地方では知事によって管理運営されていました。

戦後、昭和22年に「警察法」が制定され、昭和23年から「国家地方警察」と「市町村自治体警察」の二本立ての制度となり、その後、昭和29年に警察法が全面的に改正され、警察の運営が、現在の「都道府県警察」に一元化されました。

「警察庁」の役割について

「警察庁」の役割は、全国の警察を束ねる国家組織として警察制度を企画立案することや、公安にかかわる事案の警察運営・警察行政に関する調整することです。

「警察庁」の組織構成

「警察庁」の組織構成は、「幹部」である「警察庁長官」「次長」と「内部部局」である「長官官房」「生活安全局」「刑事局」「交通局」「警備局」「情報通信局」によって成り立っています。

先の「幹部」「内部部局」のほか、「附属機関」である「皇宮警察本部」「科学警察研究所」「警察大学校」と、9つの「地方機関」があります。


「警察庁」の「内部部局」について

「警察庁」は、「内部部局」を統括する「長官官房」を置き、その下部組織に「総括審議官」「政策評価審議官」「サイバーセキュリティー情報化審議室」「審議官」「技術審議官」「参事官」「首席監察官」「総務課」「人事課」「会計課」「給与厚生課」「国際課」「国家公安委員会会務官」を配置しています。

「内部部局」の中で、「長官官房」は、警察行政に関する企画・立案と総合調整、政策評価、組織管理、広報、情報公開、人事・定員の管理、予算要求や物品等の管理、警察装備の開発・整備、被害者支援などの業務を担当しており、国際協力等の側面から各部門がその事務を円滑に遂行するための支えとなっています。

「警察庁」と「国家公安委員会」の関係について

「警察庁」は、国の警察行政機関として政治的中立性を確保するため、内閣総理大臣の所轄の下に委員長を国務大臣とし、委員5人で構成される「国家公安委員会」に管理されています。

この「国家公安委員会」の委員長には国務大臣が充てられ、警察の政治的な中立性の確保と治安に対する内閣の行政責任の明確化を図っています。

また、「国家公安委員会」が警察制度の企画立案や教育訓練、通信や鑑識等の事務警察行政に関する調整を行う役割を持っており、「警察庁」は、「国家公安委員会」の管理の下で「都道府県警察」を指揮監督しています。

「警察庁」と「都道府県警察」の関係について

「警察庁」によって指揮監督される「都道府県警察」は、都道府県公安委員会と委員の下に置かれています。

また、「都道府県警察」には、東京都は警視庁、各道府県は「警察本部」と「警察署」が置かれ、その下部組織として「総務部」「警務部」「交通部」「警備部」「地域部」「刑事部」などの各部署が設置されています。また、警察署の下部機構として交番や駐在所があります。

なお、東京都「警視庁」には警視総監が、「各道府県警察」には道府県警察本部長が置かれ、警視総監・各道府県警察本部長が警視庁および各道府県警察本部の事務を統括しています。

「警察庁」の年間予算(平成30年度)

「警察庁」の平成30年度の予算は、約3,167億7,300万円でした。

予算の主な内訳は、大きく下記の4つに分かれて編成されています。

1)テロ対策と緊急事態への対処費用やサイバー空間の脅威への対処費用
2)客観証拠重視の捜査のための基盤整備費用や組織犯罪対策の推進費用
3)生活の安全を脅かす犯罪対策の推進費用や安全かつ快適な交通の確保費用
4)警察基盤の充実強化費用や東日本大震災からの復旧・復興の支援費用

内訳についてはこちらの予算の概要をご参考ください。
https://www.npa.go.jp/policies/budget/h30/H30tousyoyosan.pdf

まとめ

いかがでしたか?

「警察庁」は、内閣府の外局としておかれた特別機関であり、「国家公務委員会」の下で警察の政治的中立性を確保し、治安に対する内閣の行政責任を明確化するという2つの要素を調和させています。

本記事は、2019年1月20日時点調査または公開された情報です。
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