異動が多いと聞きますが、大変じゃないですか?イマイ先生に質問(5)

公務員試験合格アドバイザー「イマイ」先生が公務員試験や公務員に関する質問に回答するコーナーです。

第五回目は「異動が多いと聞きますが、大変じゃないですか?」という質問に、現役公務員がその実態についてお伝えします。


質問 異動が多いと聞きますが、大変じゃないですか?

「公務員になりたい」という人の中には、「異動」が多いことについて不安に思っている方もいるのではないでしょうか?

今回は、現役公務員が「異動」の実態についてお伝えします。

確かに大変なことは多いです

公務員、特に事務職(行政職)は非常に多くの異動を経験します。特に若い時だと、短くて2・3年から長くても5年で異動を経験することが多いと思います。(専門職の場合は、この限りではありません)※こんなにも異動のスパンが短い理由は「癒着防止」や「ゼネラリスト」を育てるなどの理由があるのですが、その説明はまたの機会にします。

異動の内示が行われる毎年3月中旬になると、みんながそわそわし始めます。早く異動したい人、今の仕事をまだまだ続けたい人など様々ですが、常に他人事ではいられません。

さて、こんなに早く異動してしまうと、仕事や人になれるのが大変なのでは?という今回のご質問ですが、確かにそのとおりです。

今回は公務員の異動のあれこれについてお話したいと思います。

法律から課内のルールまで

まず、仕事についてです。

所属が変わり、仕事が変わるということはご承知の通りかなり大きなストレスです。特に、市役所に勤める公務員の場合、仕事の範囲が非常に幅広いため、公務員の異動は民間企業でいう転職ぐらいの違いがあるとも言われます。

例えば、生活保護のケースワーカーをやっていた職員が半月後には市の財政に携わったり、介護保険制度の担当をしていた職員が保育所の認可をやるようになったり…。そこで大変となるのが、関係する法律の理解です。

公務員はすべからく法律に基づいて仕事を行っています。部署の異動があると、まずは携わる業務の関係法令をチェックしなくてはなりません。引き継ぎももちろんあるのですが、今までの知識があまり役に立たないということも少なくないのです。

また、所属する課の「ルール」にも注意をしなくてはなりません。


前の職場では前日までに休暇の申請をすればよかったのに、異動をしたら1週間前には申請を行わなければならないと言ったことも聞いたことがあります。

このことは、自分が異動する場合には限りません。所属長が変われば、所属のルールは一変するのです。異動希望で普段は上位となる所属でも、「厳しい」と噂の所属長がその部署に配属となると、一気に希望者が減ることもあるようです。

一方でワクワクできるのも確か

上で書いたように、異動には大変なことも数多くありますが、もちろん楽しいこともあります。

民間企業だと、最初に配属となった職種の仕事を定年まで続けることが多いと思いますが、公務員の場合はそんなことはほぼありえません。公務員だからこそ、いろいろな経験を積むことができるという考え方もできるのではないでしょうか。

いろいろな仕事をすることができるのは、私のように飽きっぽい性格の持ち主にはぴったりだと思います。

また、異動を繰り返すごとに知り合いが増えていくというのも面白いですね。いろいろな人と出会い、一緒に仕事をすることで様々なことを学ぶことができますよ。

「我慢」できないことが少なくなります

異動スパンが短いことのメリットがもう一つあります。それは、「いろいろなことに我慢が効く」ということです。

例えば、異動した先にどうしても馬が合わない人がいたとしましょう。「その人と一緒にいるのが耐えられない!」と思っても、それは長くて1年か2年のことなのです。それさえ我慢してしまえば、また同じ所属になるということはほとんどありません。(すごく規模の小さな自治体なら別かもしれませんが…)

扱う業務についても同じことが言えます。どうしても自分に合わない仕事であっても、それを一生続けるなんてことはないのです。今の仕事が辛いからって、その自治体を辞める必要はありません。異動してしまえば、気持ちはすっきりリセットできます!

まとめ – 公務員総研編集部から

いかがでしたでしょうか?

今回は、「公務員の異動の実態」についてお伝えさせていただきました。

興味を持ったあなた、一緒に公務員を目指してみませんか?

それでは次回もお楽しみに!

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本記事は、2018年11月30日時点調査または公開された情報です。
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