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国会を支える国家公務員「国会職員」の仕事内容について

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目次

国会職員の仕事内容とその役割

国会職員は国会議員を補佐するために国会の様々な場所に所属する国家公務員です。

待遇としては一般職の国家公務員と同じようなものですが、国家公務員に適用される国家公務員法は三権分立の観点から適用されず、国会職員にのみ適用される国会職員法が制定されており、それをもとに管理されることとなります。常勤として働く国会職員は約4千人おり、様々な部署に配属しています。

国会職員は職種が大きく2つあり、議事運営、調査、一般事務などの「事務職」、国会内の警備や身辺警護などを務める「警備職」に分かれています。事務職には衆議院事務局職員、参議院事務局職員など、その仕事は多岐にわたります。また警備職の職務は衛視が全て担当しています。

国会職員の役割としては、国会を支える縁の下の力持ちのようなものが求められており、議員立法での必要な調査や、議会運営の調整など様々なことを行います。独自に何かしらのことをするというのはできないまでも、円滑に遅滞なく公正な議会運営を進めることができるのは間違いなく国会職員の功績によるものが大きいと言えます。

国会職員が所属する機関と仕事内容の違い

国会職員が所属する国会には、衆議院・参議院の事務局、衆議院・参議院の法制局、国立国会図書館などがあります。

衆議院・参議院の事務局、法制局ではその院に関する仕事を行っていきます。

事務局については後述しますが、法制局は、衆議院・参議院の両議院に設置されていて、議院の法律顧問としての機能はたしている組織です。法制局の仕事としては、議員立法の補佐・修正案作成の補佐・国会審議の際の答弁の補佐など、法律面についての議員の補佐がほとんどです。

国立国会図書館では、事務局や法制局同様調査部門などもありますが、日本で唯一の国立図書館ということもあり、国立図書館としての図書館司書業務というのも存在します。とはいえ、司書の資格がある人が自動的に優遇されるようなシステムは存在せず、国立国会図書館職員採用試験というものを経て採用されることになります。

同じ国会職員でも仕事内容には大きな違いはありますが、どれも政治の現場、特に立法の現場に密接に関係し、三権分立というものを強く意識する仕事であることは間違いありません。

衆議院・参議院事務局における国会職員の仕事内容

衆議院・参議院事務局に所属する国会職員の仕事内容は、主に3つあります。

会議運営部門

1つは会議運営部門です。会議運営部門には議事部、委員部が存在し、衆議院参議院における本会議の議長、各委員会の委員長を補佐し、議事手続きに関する事務や連絡の調整、会議資料の作成など会議運営に関する仕事を担っています。


調査部門

2つ目は調査部門です。調査局というものが存在し、各委員会に提出される議案の審査や議員個人の依頼による質疑に必要な資料作成の補佐、委員会が命じる予備的調査などを引き受けています。この中には憲法審査会や情報監視審査委員会の事務局などもこの中に入っています。

一般事務

最後は一般事務です。秘書課、国際部、管理部などでは議長や副議長などの秘書業務を、議員課では選挙に当選した議員の名簿の作成や議員の資産公開の資料作成などを行い、他にも議員の海外派遣事務や議員会館などの管理を行います。憲政記念館における管理運営も国会職員の仕事であり、立憲政治の文献などを収集し、保管をしています。記録部では速記を行っており、議事録の編集やデータ化、そのデータの保管などを行うなど、様々な仕事が存在します。

その他の仕事

他にも議案課が存在するなど、立法に関するすべての仕事を事務局が行っています。法制局では議員立法の法案の起草や法律問題の照会などを行っており、委員会で命じられた予備的調査を法制局が担い、法案として形にするまでの作業には必ずといっていいほど必要な存在です。

国会職員(事務職)の仕事で求められる知識・適性

国会職員の仕事は公正中立が大原則となります。特に与党側、政権側ばかりに協力的で野党側に非協力的となれば、国会職員に対する信頼は失われ、国会自体が荒れてしまいます。このため、公正中立であることが原則であり、誰に対しても平等に接するという姿勢が問われます。

仕事の中で各党派間の連絡調整というのが大事な仕事となっています。あの日がいい、この日は嫌だという関係者同士の利害が思い切り激突するため、それを取りまとめる、円滑にしていくという作業は非常に難しく、バランス能力、コミュニケーション能力がかなり必要です。その中で妥協点を探っていき、落とし所を探るというのも国会職員の大事な仕事です。

他にも調査部門や資料の作成など国会職員の仕事は非常に多く、情報収集力というのも必要になります。基本的に国会職員は政治に振り回されやすく、急きょ決まっていた予定がキャンセルになる、突如予定が入るなどイレギュラーであることが普通です。そのため、その時々の判断力というものが問われることになり、臨機応変の対応が必要となります。

上記の通り、最初からこれだけのことを完璧にこなすことは難しいですが、責任感を持ち、1つ1つの仕事にぶつかっていけば段々と知識は得られていくようになります。仕事に対する興味や、政治の運営に関する関心を持ち続けることができ、臨機応変に動くことができる人が適正している人と考えられます。

国会職員の勤務地、転勤、異動、キャリアパス

国会職員の勤務地は当然のことながら国会議事堂、もしくはその周辺で働くこととなります。勤務時間は9時から17時45分となっていますが、会議運営などを担当する職員は国会の動きに大きく左右されるため、委員会の準備などで夜遅くまで働くことも普通です。予算や決算に関する業務でも深夜まで残業があるなど、時期によってはかなりハードな仕事となります。ただ、週休2日が原則であり、有給休暇も20日、各種特別休暇、福利厚生も用意されており、そのあたりは他の公務員と変わりがありません。

国会周辺で働くため、転勤はほとんどありませんが、若手職員の場合は出向という形で別の官庁に行くこともあります。人によっては海外の在外公館で働くことにもなるため、転勤が全くないわけではありません。

いずれにしても仕事の幅を広げるためとされています。研修制度も存在しており、初任研修やOJT(職場内訓練)、役職ごとに研鑽を積むような制度があります。また、海外派遣研修では大学への留学を目的とした長期のものもあるなど、国際感覚を身につけるようなものも行われています。

異動に関しては数年のサイクルで行われ、大卒採用者は総合職、一般職に関係なく会議運営、調査事務、一般事務を担当し、高卒採用者は原則的に一般事務を行います。専門的な知識を身につけていく必要があり、緊張感のあふれる仕事に根負けしないことも大事ですが、仕事にある程度慣れてしまえば、やりがいをもって働くことのできる仕事です。

本記事は、2017年8月3日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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