そもそも就活の「面接」とはどんなもの?
あるメーカーの人事課長などは、「考えてみれば、自己PRを人前で話すなんて、あなたがどれだけ図々しいか聞いてやるから言ってみろ!というようなものですよね」と話していました。しっかりと自分の主張をする欧米人に比べて、日本人は自分を主張することが苦手です。日本人の苦手意識はありますが、だからと言って、面接試験が無くなるわけではありません。まずは、面接試験とは一体どんなものかを把握したうえで、対策を考えていきましょう。
面接の目的
面接の目的は大きく分けて二つです。ひとつはその会社の求めている人物像に合うかどうかという事、もうひとつは入社の意思が本当にあるかという事です。まず、その2点を理解していない人は企業としても合格にしようがありません。
面接は学力試験ではない
面接試験は資格や学校の試験とは違います。一般的に学力試験では一定以上成績を収めれば皆合格ですが、面接試験は「選抜試験」です。上位の人から採用予定人数に達すれば、他の受験生は全て不合格です。
面接のステップ、形式、質問内容
面接は一次面接から最終面接まで数段階あります。最初の方の段階では人事や仕事の担当者が志望動機や自己PR、学生時代の体験などを聞きます。形式としては集団面接の形式が取られます。この頃はまだ受験者も多く、効率良く選考するためです。最終面接では社長や役員が面接をします。志望動機や自己PRは相変わらず聞かれますが、あまり細かいことは聞かれず、入社の意思や入社してからの将来のことなどを聞かれます。形式としては個人面接が多いようです。
第一印象、最終印象は大切
面接試験では、「何を話すか」ということに囚われがちになりますが、まず面接試験で大切なことは「第一印象」です。特にヘアスタイルや服装、メイクなどは清潔感を第一に考えましょう。みなさんはフレッシュマンです。長髪やしわの入ったシャツでは新人らしさは伝わりません。
良く勘違いされるのが、「ファッション」と「身だしなみ」の違いです。ファッションは自分の好みで自分の為に装う事ですが、身だしなみは相手や周りを気持ち良くするものです。仕事で着る服は「身だしなみ」を心がけましょう。
また、意外に知られていないのが、面接の最終印象です。最後の質問が終わり、退室を促された後、きちんと本日のお礼を述べることや、部屋を出る時の黙礼など、面接官は最後まで見ています。最後まで気を抜かず、思いを込めた態度を取りましょう。
面接試験は、多くの場合、評価項目が事前に設定され、その評価項目ごとにその人の評価点を決めていきます。しかし、人間は感情の生物です。第一印象が良い受験生に対して、高評価を点けたくなるのは自然なことです。
相手のニーズを知ること
企業は、新入社員に対して、うちは「こんな経営の考え方がある」とか「こんな新人が欲しい」という思いがあります。経営理念だったり、求める人物像だったりしますが、それらは最近、企業のホームページに載っています。
相手の思いにばかり合わせる必要はありませんが、少なくとも希望する企業のニーズは押さえておきましょう。企業側も自社の経営理念や求める人物像に合わない人は採用しません。これは、優秀かどうかという事とは別のことです。成績が良いのになぜこの会社に受からないのか?という思いを持っている人は、この点を振り返ってみましょう。この場合は、単にその会社と縁がなかったという事になります。
話す手順の工夫
就活生の中には、発言が長く、堂々巡りで何を言っているのか分からない人がいます。このパターンの人は、かなりの確率で不合格になります。発言が長いと何を言いたいのかが伝わりませんし、この人は入社後大丈夫だろうか?という不安を抱かせます。就活生の多くが悩んでいるこのお困り事は、話のステップ(段取り)を予め決めておくと防げます。
自分の考えをスムーズに相手に伝えるには、ステップが重要です。「結論」→「理由」→「決意」のステップで話すと良いでしょう。
まず、「結論」のステップでは、質問に対する自分の答えの中で、一番重要なことを簡単に言い切ります。例えば、志望動機の場合、「私は御社の○○について共感し、志望しました。」などと発言します。話が長い人は、まずここで結論を言わず、背景や経緯から話すことが多いようです。これは、面接での受け答えを「文章」で表現しようとしているからです。私たちは、文章を書く場合、「起」「承」「転」「結」というステップで表現することを学習してきましたが、これはあくまでも紙に書く文章の世界の表現であり、短時間で自分の考えを伝えなくてはならない面接の場合には不向きです。
次に「理由」のステップです。その結論に至った原因や背景について、やはり簡潔に述べます。単に「経営理念に共感しました。」や「製品が素晴らしいと思いました。」では、全く理由になっていません。その会社の大事にしていることに対して、自分の考えが合致していることをここで主張しなければなりません。自社に入りたい理由が明確にあるかどうか、面接官はとても重視するポイントです。「貴社は○○を経営理念に掲げていますが、私は日頃から○○を大切にしており・・・」などです。
最後に「決意」で締めます。この最後のステップを決めていないために、発言が長引くケースも多いようです。決意では、この会社でどんな風に頑張っていきたいかを述べる部分です。志望理由や自己PRの証拠にもなる部分です。「将来は御社で○○の業務に就き、○○を〇〇していきたいと思います。」など、将来ビジョンまで出来上がっていると、まず一次面接で落とすことはできません。
あがらない方法
あがる理由
なぜ人は面接であがるのでしょう?色々な理由がありますが、まず言えることは、あなたが面接について真面目に取り組んでいる証拠であるということです。どうでも良いことには人は緊張しません。「私は一生懸命取り組んでいるんだな」、ということを自分で認めてあげましょう。
ただ、真面目に考えていることは良いのですが、緊張しすぎると相手に伝わりにくくなります。さらに過度に緊張する原因として、「面接をテストと捉えすぎている」ということがあります。面接は試験ですが、学力試験ではありません。一律の答えなどありません。正解を答えようとすると、さらに緊張が高まります。
あがることを面接官はどう考えている?
面接官は社会人としての先輩です。皆さんが頑張っている就活も、もちろん体験してきた人達です。若い就活生が極度の緊張状態にあることも理解しています。多少の言い回しの失敗などはあまり問題にはしていません。しかし、余りにも緊張状態が続きすぎると、仕事をする上で大丈夫かな?という気持ちにはなります。当然それによって不合格はあります。
面接は話を聞いてもらう場と考える
面接は「試験」と考えると、緊張する場合がほとんどです。しかし、面接官はもっとフランクに自分の考えを話してもらいたいと考えています。面接官は主に40~50代の男性が多いものです。「オジサン達に話を聞いてもらう」というスタンスで臨むと、リラックスできます。そうすると自然な話し言葉になり、自分の思いを伝えやすくなります。
履歴書・エントリーシートとの矛盾が無いこと
どんなに面接で良いことを言っても、履歴書の内容と相反している場合は、面接のときに矛盾を生じます。面接官は履歴書をもとに質問をしています。履歴書に書いている内容と、あなたが言っている内容とが違えば、面接官は違和感を覚えますし、信用も無くします。履歴書は送る前にはコピーを取っておき、いつでも内容を確認できる状態にしておきましょう。
自分で出来る面接練習
原稿は持たない
面接の練習は、必ず用意していた原稿は使わずに行いましょう。原稿を頼りにしている限りは、あなたの言葉ではありません。複雑なことや、普段言えないようなことは言う必要はありません。原稿を最後まで頼りにしていると、面接官の目を見て話せなくなります。一生懸命自分の原稿に忠実になろうとする余り、話している間中目は宙を泳ぎます。そんな時面接官は「原稿を思い出しているな」と思います。一生懸命さは買いますが、自分の言葉で話せないことはバレバレです。自分の言葉で語れないようであれば、その会社は受ける意味がありません。
鏡、ボイスレコーダー、ビデオ撮影
自分の面接態度を客観的に知ることは、非常に大切です。面接では相手がどう思うかが決め手になります。自分の現状を把握できれば改善もしやすいというものです。視線や態度など、客観的にみると改善点が多く見つかります。
友達や家族に協力してもらう
緊張の少ない親しい友人や家族相手に面接練習をしてみることも有効です。その際、質問事項を予め伝えておき、ランダムに質問してもらうと良いでしょう。練習後、正直な感想も聞くことを忘れないようにしましょう。
面接のチカラUP方法まとめ
就職試験の面接であがらない方法や、堂々巡りを防止して、自分の意思を分かりやすく相手に伝える方法をみてきましたが、いかがだったでしょうか?
面接試験は、その目的を理解することと、テクニックを身に着けることで、随分気分的に楽にチャレンジできるようになります。特に発言のステップは、堂々巡りや極度の緊張を防止できる有効なテクニックです。
面接はあなたの良さを伝える格好のチャンスです。今日出会った人と仲良くなってみようというプラス思考で、次回の面接に臨みましょう!
コメント