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唯一の国立図書館で働く国家公務員「国立国会図書館職員」の仕事内容

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目次

そもそも国立国会図書館について

「国立国会図書館」は、国会議員の職務の遂行のために1948年 に設立された、日本で唯一の国立図書館です。

国会議員の立法活動などに必要な資料の提供や調査のために設立されたため、国立国会図書館は国会に属しています。

「国立国会図書館」は国会議員の活動のために設立された図書館ですが、当然国会以外にも、国民一般へのサービスも実施されており、国立図書館として広く利用することができます。

また唯一の国立図書館である本図書館 は、国立国会図書館法によって国内で発行されたすべての出版物が納入されます。さらに海外からも数多くの書籍や資料を集めており、国立国会図書館の蔵書数は雑誌、新聞なども合わせると約4,188万点にも及び日本における「知の宝庫」となっています。

さらに「国立国会図書館」というのは一つの建物の名前ではなく、国会議事堂横にある「東京本館」、京都府に設置されている「関西館」、さらに東京に設置されている「国際子ども図書館」という3つの施設の総称のことを言います。

また国会と国民以外にも、司法と行政の各部門の業務遂行のために、各府省庁や最高裁判所に支部図書館を設置し、図書館サービスを実施しています。

国立国会図書館職員の仕事内容

国立国会図書館に勤務する国立国会図書館職員の仕事は大きく「司書業務」「調査業務」「一般事務」の3つに分けることができます。

国立国会図書館職員の仕事1)司書業務

「司書業務」とは、図書館サービスに関する業務全般のことを指すため、その業務は多岐にわたります。

まず挙げられるのが「蔵書構築」という業務です。納本制度によって送られてきた国内の文献や海外から収集した資料を整理することで、唯一の国立図書館としてのサービスを維持・向上させています。また一般の図書館と同様に本の修復も重要な業務内容です。

また情報化社会となった今日では、デジタル空間での蔵書構築も行われています。これは電子図書館事業と呼ばれており、資料のデジタル化やwebサイトの保存といったことを行っています。

この他にも来館者の対応や調べもののサポートといった一般利用者向けのサービスや、国立国会図書館以外の図書館向けのサービスも業務の一つです。


国立国会図書館職員の仕事2)調査業務

この「調査業務」は、立法府である国会に属している「国立国会図書館」特有の業務です。

この業務は国会での活発な議論のために調査を行い、国会議員の手助けを行います。調査業務は「依頼調査」と「予測調査」とに大きく分けることができます。

前者の「依頼調査」というのは、国会議員の依頼に基づいて調査を行うことで、その結果はレポートやレクチャーといった形で回答します。

後者の「予測調査」は、今後国会で議論になりそうなものを予測し、それについての調査を行うことをいいます。この調査結果はさまざまな媒体で公表します。

これらの業務は不偏不党中立のもとに行われ、国立国会図書館のもつ膨大な文献による調査によって国会運営が支えられています。

国立国会図書館職員の仕事3)一般事務

「一般事務」では、組織運営に関わるさまざまな業務を行います。人事や広報はもちろん、国会との連絡調整や海外の図書館との協力などといった業務も行っています。

国立国会図書館の組織

国立国会図書館は、「総務部」「調査及び立法考査局」「収集書誌部」「電子情報部」「利用者サービス部」と関西館、国際子ども図書館、支部図書館といった組織構成になっており、一般事務は主に「総務部」で、調査業務は主に「調査及び立法調査局」で、また司書業務は「収集書誌部」「電子情報部」「利用者サービス部」などで行われています。

国立国会図書館職員の仕事で求められる知識・適正

国立国会図書館の仕事は司書の仕事もなくても司書業務があるので、一般的な司書と同様のスキルが必要です。

まず、この司書業務で、最も大切なものの核となる点が、好奇心旺盛で読書や調査などが好きというところです。

図書館に勤務する以上当然のことと言えますが、実際どの業務を担当しても国会議員や一般国民など様々な人の依頼を受けて資料や情報の調査を行うことになります。毎日これを繰り返す必要があるので、そもそも活字が苦手という人には向いているとは言えません。

また、それ以外にも高いコミュニケーション能力のある人が求められています。高いコミュニケーション能力が必要なのは、国立国会図書館が館内外の人たちと連携・協力して業務を行うことが多く、新しいネットワークを構築することを積極的に行っているためです。

国立国会図書館職員になると国会議員と仕事をすることもあるので、依頼をしっかりとこなして、内容を正確に伝えるためにも明朗闊達な対応力・事務遂行能力も求められます。

国立国会図書館職員の業務は、立法府である国会での議論を支えるとともに、国立図書館としての資料の保存や、国民に対するサービスなど多岐に渡っており、その全てが責任の大きな業務と言えます。国立国会図書館職員には、これらの重要な業務を遂行できるまでの知識が必要になり、また必要な適正を身に着けることが必要です。

国立国会図書館職員の勤務地、異動、転勤、キャリアパス

キャリアパス

国立国会図書館職員には主に3つの業務内容がありますが、「司書業務」「調査業務」「一般事務」のうちどれか1つだけを受け持つのではなく、全てをバランスよく経験します。

そのため国立国会図書館職員には定期的な異動があります。


国立国会図書館職員の勤務地・転勤

国立国会図書館職員は、基本的に「東京本館」「関西館」「国際子ども図書館」という3つの施設で勤務することになります。

勤務先の決定は、採用後に行われる定期的な意向調査の結果に基づいて行われます。また1つの図書館にのみ勤務することはあまりなく、基本的に本人の希望・適正や業務上の必要性から異動が行われます。

その他

国立国会図書館は国会に付属する機関であるため、ここで働く職員は国会職員という特別職の国家公務員となります。給与は他の国家公務員と同じく規定に則って支給され、通常の給与の他に勤務地の賃金水準などに合わせて地域手当が支払われたり、期末手当や勤勉手当に通勤手当が支払われたりと、他の国家公務員と同じく規定に則って支給されています。

国立国会図書館職員で勤務する人々の男女比はだいたい1:1となっており、管理職も一般企業と比べると女性が非常に多いです。国立国会図書館は女性も働きやす職場であり、妊娠や出産、育児も気兼ねなく行えるケースが多いです。

本記事は、2017年9月28日時点調査または公開された情報です。
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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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