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社会人から公務員へ(9)面接試験対策についてPart.2(相手を知る)

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目次

はじめに – 社会人から公務員になるということ

社会人から公務員へ転職された「イマイカツヤ」さんのハウツーコラムシリーズ第九回です。

第八回は「面接試験対策についてPart.1(自分を知る)」でした。続いて、第九回のテーマは「面接試験対策についてPart.2(相手を知る)」です。

第八回:「面接試験対策についてPart.1(自分を知る)」

情報がないと同じ土俵には立てない

前回も述べましたが、面接とはコミュニケーションの場にほかなりません。

自分のことを知ることはもちろん、相手のことを何も知らないのではコミュニケーションが成立しませんよね。

※ここで言う相手とは面接官個人のことではなく、受験する自治体そのものを指します。
面接官と面接で対等に話をするためには、相手自治体のことを詳しく知っておく必要があります。

インターネットで調べれば必要な情報が手に入る世の中ではありますが、そればかりでは面接官に熱意を伝えることはできません。

ありがちな志望動機では、他の受験者と差別化することができません。また、面接試験における優劣は、事前の情報収集における優劣と言ってしまっても過言ではないのです。

今回の記事では、どんな受験者ももれなくやっていただきたい2つの情報収集について説明しています。これをやっている受験者とやっていない受験者では大きな違いが出てしまいますので、ぜひ取り組んでみてください。

まずはトップの考えを知ること

自治体において、会社で言う「社長」は誰に当たるのでしょうか。そう、「首長」ですね。(市町村長のことです)

皆さんご承知のように、首長は選挙によって選出されます。つまり、住民の民意を代表する存在であるということです。それに対して、自治体の職員は、試験に合格して採用されるわけですが、そこに住民の意思は入ってくることができません。つまり、住民が主体である自治体の行う政策は、「首長が絶対」なのです。


もちろん、首長が政策判断をするのに必要な情報は、自治体の職員が提供しますが、一職員が首長の判断を覆すということは、基本的にはありえないのです。これはどういうことかというと、「自治体の考え方≒首長の考え方」ということです。つまり、自治体の考え方を知りたければ、首長の考え方を知れば良いということです!

そうなると、次に考えるべきは、「どうすれば首長の考え方」を知ることができるのかということになります。

首長に直接インタビューをしますか?なかなか良いアイデアだと思うのですが、そんなことは現実的ではないですよね。そこで、大変参考になるのが、所信表明と施政方針の演説です。言葉として聞いたことがある人もいるかもしれませんが、まずはその意味から確認しておきましょう。(どちらもWikipediaからの抜粋です)

「所信表明演説」

・政府の長が自分の考え(所信)を述べる演説である。
・議会を持つ自治体は、概ねこれに似たような形式で行われる事が多い。

「施政方針演説」

・政府の長が議会でその年一年間の政府の基本方針や政策についての姿勢を示すために行われる演説である。
・自治体の議会ではおおむねこれに似たような形式で行われることが多い。

いかがでしょうか。

あまり細かい部分にこだわらず、「その地位に就任して初めての市政方針演説が所信表明演説」と理解していただければ結構です。(自治体によっても、定義が異なりますのでご注意ください)

結局何が言いたいかというと、所信表明演説や施政方針演説を読めば首長と自治体の考えがわかってしまうということなのです。 なお、所信表明演説と施政方針演説は、ほとんどの場合各自治体のホームページに掲載してあります。「市長の部屋」といったところにある場合が多いので、ぜひ探してみてくださいね

行かずに受けるはありえない

面接試験を受けるにあたり、絶対にやって欲しいことの一つが、「受験する自治体に実際行って歩いてみる」ということです。

車でドライブするのではダメ、あなたの脚を使って歩くということが重要です。

地元や、住んでいた経験がある自治体を受験する場合は良いのですが、一度も行ったことがない自治体を受験することもあるでしょう。

(実際、私も受験した5自治体中、行ったことがあるのは3つだけ。その3つも地元を除くと全く土地勘がありませんでした。それでも、合格できるのですから、安心して受験してください。)

そんな時は特に、時間を作っていろいろな場所を巡ってみてください。

面接官は、必ず、「なぜ、〇〇市を受験しようと思ったのですか?」とこう聞いてきます。その時にどんな素晴らしい理由を答えたとしても、「どこを見てそう思ったのですか?」と聞かれた時、一度も行ったことがないとは言えませんよね。どんなに良い志望動機や自己PRを言ったとしても、本気度を疑われて、残念ながらその時点で試合終了です。

「あなたのことが好き!」と言ってくれた人に、「どこが好きなの?」と聞いたとしましょう。その時に、言いよどんでしまったり何を言おうか迷ったり、「イメージで・・・」などと答えられたりしたら、あなたはどう思うでしょうか?きっと「本気ではないんだろうな」と思うはずです。本気度は、行動で面接官に見せつけなくてはなりません。是非たくさん歩いて、その自治体のことを更に好きになりましょう!


次に、どういった視点を持って歩けば良いのかということについてお話します。

自治体を歩くための前提条件として、ある程度、志望理由を固めておくことが必要です。カラーバス効果という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「自分が意識していることほど、それに関係する情報が自分のところに舞い込んでくる」という現象のことで、目的設定の重要性を説明する時によく使用されるものです。

一つ実験をしてみましょう。

今から一分間、あなたの周囲を見渡してみてください。終わりましたでしょうか。

それでは一つ質問です。「あなたの周りの赤いものを教えてください」いかがですか?たくさん答えられるという人は少ないと思います。では次は、先に質問を言って、同じことをしてみましょう。「あなたの周りの青いものを教えてください」それでは一分間、先ほどと同じように周囲を見渡してみてください。

もうわかっていただけましたよね。

人間は、目的を意識することで、それに必要な情報をより多く得ることができるのです。

商店街を歩くことを例に取ってみましょう。同じ場所を歩いていても、見ている視点が違えば感じることも違うはずです。商業について志望動機を考えている人は、「シャッターの閉まってる店が多いな、どうすれば活気ある商店街が作れるだろう」などと考えるでしょう。

それに対し、福祉について志望動機を考えている人は、「保育所があるけど、変わった建物だな。もしかしたら、空き店舗を活用しているのかもしれない」と考えるかもしれないのです。

志望動機を固めて、実際に歩いてみる。これが面接試験対策のスタートになります。

今回は、面接試験の情報収集を行うにあたって必ず実践していただきたいことを2点ご説明しました。繰り返しになりますが、これをやっている受験者とやっていない受験者では大きな違いが出てしまいます。

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」とは有名な孫氏の言葉ですが、自己分析ばかりに時間を掛けるのではなく、自治体分析にも積極的に取り組んでみてください。

※ご不明点のお問い合わせや公務員試験に関するご相談がある場合は、お気軽にお問い合わせください。

公務員試験合格アドバイザー「イマイ カツヤ」ページ

本記事は、2018年10月23日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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