質問「公務員試験の面接で志望理由って何を答えればよいですか」
面接は、誰でも緊張するものです。しかし、前もってポイントを押さえて準備しておくなら落ち着いて面接に臨むことができるのではないでしょうか?
今回は、現役公務員がその質問に対して、答えてくださいます。
まず志望動機から考えよう!
公務員試験を受験するに当たり、面接試験は避けて通ることのできない関門です。個別面接や集団面接など、形式は様々ありますが、どの自治体でも複数回の面接試験が行われるのが通常です。
就職活動をしたことのある方ならわかると思いますが、面接試験の基本は「自己PR」と「志望動機」の2つです。この2つをうまく攻略すればぐっと合格に近づくことができますし、逆に言えば絶対に疎かにしてはならないポイントなのです。
面接試験の合否を左右する2つのポイントですが、私は志望動機を先に考えることをおすすめしています。その理由は最後に記載するとして、まずは志望動機で何を言うべきか説明をさせていただきます。
志望動機作り1 やりたい仕事はなんですか?
志望動機を作る上でまず考えるべきことは、「あなたは公務員として、どのような仕事をやりたいのか?」ということです。
漠然とでも構いませんので、どのような仕事をしたいのか考えてみてください。「とりあえず安定しているから公務員になりたいな」と考えていた人でも安心してください。
一口に公務員と言っても本当に幅広く仕事がありますので、必ずあなたが興味を持てる仕事が見つかるはずです。(「市役所にはどんな仕事があるの?」の記事が参考になるかと思います。)
また、はじめから「絶対これをやりたい!」というものがなくても大丈夫です。初めは「やってみたいな」程度でも、志望する自治体のことを詳しく知り、選考が進んでいくことで、本気で「やってみたい!」と思えるようになってきます。
少しでも興味があり、やりたいと思える仕事を見つけること、これが志望動機づくりのスタートです。
志望動機作り2 なぜその自治体を選んだのですか?
やってみたい仕事が決まったら、次に考えるべきは「なぜその自治体を選んだのか?」ということです。規模の大小はありますが、多くの自治体で同じような業務が行われています。
面接官に熱意を認めてもらうには、「その自治体で無くてはならない理由」をしっかりと説明できるようにならなければなりません。
例えば志望先が自分の生まれ育った場所である場合、それを理由として挙げる人が非常に多くいます。「自分が生まれ育ったまちに恩返しをしたい」というのは、集団面接を受験したら必ず1回は耳にするフレーズですね。
もちろんそれでも良いのですが、他にも同じまちで育った受験者がいたらどうでしょうか?何の差別化にもなりませんよね。
ここで皆様に考えてほしいのは、「やりたい仕事」と「志望する自治体」をどのようにリンクさせるのかということです。「この自治体だからこそ、私のやりたい仕事ができ、それは住民のためになる」と語ることができれば、面接官もあなたの本気度を認めてくれるはずです。
志望動機作り3 自分の過去を深掘りしてみよう!
「公務員になってやりたい仕事」と「その自治体でなくてはならない理由」がはっきりしたら、「なぜ、自分はそう考えるようになったのか?」ということを深掘りしてみましょう。
あなたがそう思うようになったのには、必ず理由があるはずです。もし、やりたい仕事が子育て支援や高齢者支援などの福祉に関するものだった場合、過去に「社会的弱者」と関わった経験が今のあなたに影響を及ぼしているのかもしれません。
もし、やりたい仕事が廃棄物政策など環境に関わるものだった場合、過去に環境破壊やゴミの問題に心を痛めたことがあるかもしれません。
現在やっている仕事や学生時代の経験、子供の頃の経験など、思い出せる限り紙に書き出してみましょう。少しずつではありますが、あなたがそう思うようになった理由が浮き上がってくるはずです。
志望動機と自己PRをつなげよう
ここまで、「志望動機ではどのようなことを言えばよいのか」と「そのためには過去を深掘りするべき」といったことをお話してきました。
最後に、冒頭にも申し上げた「志望動機から考え始めるべき理由」についてお話をさせていただきます。
その理由を一言で言うと、【志望動機と自己PRはリンクしていなければならない】からなのです。
自己PRというのは、やりたい仕事を実践し成果を出していくための能力を持っているということをアピールするものでなくてはならないのです。
つまり、やりたい仕事がわかっていなければ、どのような能力をアピールすべきかもわからないということになります。
例えば、市の未来を決める企画の仕事をしたいと言っている受験者が、自己PRで丁寧な窓口対応に自信があると話したらどう思いますでしょうか?自分の適性と仕事がわかっていないのかなと面接官に思われてしまい、高い評価を得ることはできないでしょう。
「自分はこういう仕事をこの自治体でやりたい、そのための能力はこのような経験から身につけている」と話すと説得力があると思いませんか?
ぜひ、こういった視点からも志望動機と自己PRを再点検してみてくださいね。
まとめ – 公務員総研編集部から
いかがでしたでしょうか?
今回は、「公務員試験の面接で志望理由って何を答えればよいですか」という質問に対して、現役公務員の立場から答えて頂きました。
志望動機と自己PRをうまくリンクさせて、面接官に自分自身をアピールしてみましょう。
それでは次回もお楽しみに!
コメント
コメント一覧 (3件)
公務員試験は面接を重視するイメージがある。「やりたい仕事は何か?を考えてください。→『公務員にどんな仕事があるかはこちらの記事をチェック』」という形式をとっているが、当記事内でも例として、もういくつか仕事を提示すると分かりやすいと思う。
あまり自信がない人でも、安心できる書き方が良いと思いました。(「安心してください」「大丈夫です」などの言い回し)
また、なぜ「志望動機と自己PRはリンクしていなければならないのか」という説明も分かりやすかったです。
公務員に限らず、志望理由を明確に言葉で説明するのは難しいと思っていましたので助かりました。
大事なポイントを分かりやすく解説してくれており、参考になりました。