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「国家公務員」とは?

日本の公務員は、日本国憲法第15条により「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない」と規定されています。国や自治体の運営を通じて、国民の生活を支え、社会の発展に貢献することが共通の役割です。

その公務員の中で、「国家公務員(こっかこうむいん)」とは何を指すのか、その定義や分類を整理して解説します。

1. 「国家公務員」と「地方公務員」の違い

公務員は、所属する組織によって大きく2つに分けられます。

  • 国家公務員: 国(中央省庁など)に所属し、国全体に関わる施策の立案や運営を担う。
  • 地方公務員: 各都道府県や市区町村に所属し、地域住民の生活に密着した行政サービスを担う。

2. 活躍の場は「三権」のいずれか

国家公務員は、三権分立の枠組みに基づき、以下の3つの機関(およびその下部組織)のいずれかに所属しています。

  • 行政府(内閣): 各省庁(外務省、財務省、国土交通省など)
  • 立法府(国会): 衆議院事務局、参議院事務局、国立国会図書館など
  • 司法府(裁判所): 最高裁判所、各地方裁判所など

3. 「特別職」と「一般職」という2つの区分

国家公務員は、その職務の性質によって「特別職」と「一般職」に大別されます。

区分主な職種・役職
特別職内閣総理大臣、国務大臣、大使、裁判官、裁判所職員、国会職員、防衛省職員(自衛官含む)など
一般職一般府省庁(国土交通省、厚生労働省など)に勤務する職員

4. 一般的に呼ばれる「国家公務員」とは

世間一般で「国家公務員」と言う場合、多くは人事院が実施する「国家公務員採用試験」を経て、一般府省庁で働く「一般職」の職員を指すことが一般的です。

この採用試験には、主に政策の企画立案に携わる「総合職」や、主に事務執行を担う「一般職(大卒・高卒)」などがあり、それぞれの役割に応じて日本の未来を支える業務に従事しています。

「国家公務員」の種類


国家公務員の仕事内容:役割による3つの区分

国家公務員(一般職)の仕事は、配属される府省庁(財務省、経済産業省など)によって専門分野が異なりますが、職種によって担う役割の「階層」が分かれています。

職種主な役割
国家公務員 総合職「官僚」とも呼ばれる。政策の企画立案や法案作成を担う行政のリーダー候補
国家公務員 一般職事務や技術の執行を担う。本省や地方支分部局において、現場の事務リーダーとして活躍する。
国家公務員 専門職国税専門官、財務専門官、皇宮護衛官など。特定の分野で専門スキルを発揮するスペシャリスト

国家公務員になるには?「合格=採用」ではない点に注意

国家公務員になるためのプロセスは、民間企業の就職活動とは少し異なります。最大のポイントは、「試験合格」と「官庁採用」の2段階があることです。

1. 採用試験の種類

主に以下の4種類があり、学歴や職歴に応じて受験区分(院卒・大卒・高卒・社会人など)が分かれます。


  • 総合職試験
  • 一般職試験
  • 専門職試験
  • 経験者採用試験

2. 受験資格と注意点

  • 年齢制限: 主な条件は年齢です。学歴は「程度」とされることが多く、必須ではない場合がほとんどですが、「院卒者試験」のように特定の学位が必要なものもあります。
  • 身体基準: 公安職(警察・自衛隊系など)では、身長・視力などの基準があります。
  • 国籍: 日本国籍を有していることが必須条件です。

3. 【重要】採用までのステップ

試験に合格すると「採用候補者名簿」に名前が載りますが、これだけで就職が決まるわけではありません。

  1. 第1関門:筆記・面接試験(人事院が実施)に合格する。
  2. 名簿登載: 「採用候補者名簿」に登録される(有効期間:総合・一般大卒は3年、高卒は1年)。
  3. 第2関門:官庁訪問・採用面接: 希望する省庁へ出向き、面接を受けて内定(採用)を勝ち取る。

「国家公務員」の給料・年収・働き方

国家公務員の給料は「国家公務員法」に基づき厳格に定められており、民間での「給与」に当たるものを「俸給(ほうきゅう)」と呼びます。

1. 給与の仕組み(月例給)

毎月の給与は、基本給である「俸給」に、各種「諸手当」を加算したものです。

  • 俸給表: 職種ごとに11種17表(行政職、税務職、医療職など)に分かれています。
  • 級と号俸: 職務の難易度(課長、係長など)に応じた「級」と、経験年数などに応じた「号俸」の組み合わせで金額が決まります。

2. ボーナス(期末・勤勉手当)

いわゆるボーナスは、年間で約4か月分以上が支給されます(※年度や経済状況により変動)。

  • 期末手当: 在職期間に応じて支給。
  • 勤勉手当: 勤務成績(人事評価)に応じて支給額が変動。

3. 民間準拠の原則

国家公務員の給与は、「人事院勧告」によって、民間企業との格差が出ないよう毎年調整されています。これにより、社会情勢に見合った安定した待遇が保障されています。

モデルケース(行政職俸給表(一)の場合)

(※平成28年4月1日時点の情報)

▼月例給 (行政職俸給表(一)(平均43.5 歳)の平均)

俸給  334,283円
扶養手当 11,609円
俸給の特別調整額(管理職手当) 12,114円
地域手当・広域異動手当 37,874円
住居手当 5,065円
単身赴任手当等 8,051円
合計 408,996円
(※平成27年4月1日現在 出典:「国家公務員の給与」(平成28年度版パンフレット))

国家公務員になる道:合格を勝ち取るためのロードマップ

国家公務員試験は範囲が広く、事前の情報収集が合否を分けます。まずは、以下の6つのポイントを必ずチェックしましょう。

  • 受験資格: 年齢制限や国籍、特定の区分(院卒など)の条件
  • 申込方法・期日: インターネット申し込みの締切日
  • 試験内容・日程: 筆記試験の科目、2次試験の日程、試験会場
  • 試験区分・科目: 行政、法律、経済、技術系などの選択
  • 官庁訪問: 最終合格後に行う「採用面談」の仕組み
  • 採用予定数: 各府省庁が発表する採用枠

1. 情報収集の「聖地」を活用する

試験の最新情報は、人事院が運営する公式サイト「国家公務員試験採用情報NAVI」で網羅されています。 ここでは試験の申し込みだけでなく、各府省庁が主催する「業務説明会」や「セミナー」の情報も掲載されます。「官庁訪問」で有利に動くためにも、こまめなチェックが必須です。

国家公務員試験採用情報NAVI
https://www.jinji.go.jp/saiyo.html

2. 試験のステップと内容

一般的に試験は「1次」と「2次」の2段階で行われます。

  • 1次試験(筆記): 基礎能力を問う「教養試験」、専門知識を問う「専門試験」、記述力の「論文試験」など。
  • 2次試験(人物): 個別面接や集団討論などの「口述試験」。職種により身体検査も実施されます。

ポイント: 試験区分によって配点比率が異なるため、自分の得意科目が活かせる区分選びが重要です。


公務員試験:効率的な学習と併願戦略

独学か、予備校か?

国家公務員試験は「科目の多さ」が最大の特徴です。

  • 独学: コストは抑えられますが、スケジュール管理や面接対策(模擬面接)に工夫が必要です。
  • 予備校: 費用はかかりますが、最新の出題傾向や面接指導、官庁訪問のアドバイスが受けられるメリットがあります。

まずはネット情報だけで決めず、予備校の無料ガイダンスに参加して「今の実力と合格までの距離」を把握することをおすすめします。

賢い「併願」のススメ

国家公務員試験は、日程が重ならない限り併願が可能です。

例えば「経済系」や「法律系」など、自分の専門分野を軸にすれば、国家総合職・一般職・地方上級などを効率よく併願できます。ただし、最終的な「内定(採用)」は1つの組織からのみ受けるのが原則です。


国家公務員の採用数と倍率のリアル

国家公務員の採用数は、各府省庁の定員枠に基づき毎年変動します。

指標(参考:平成28年度)実績値
総受験者数約13.6万人
最終合格者数約2.1万人
全体倍率約6.5倍

※「全体で50倍」という数字が語られることもありますが、これは一部の超高倍率な職種や過去の特定条件を指すことが多いです。例えば国家総合職(大卒程度)であれば約14倍前後が目安となります。

注意!「合格」はスタート地点に過ぎない

前述の通り、試験に合格して「採用候補者名簿」に載っても、希望する省庁から内定をもらえなければ採用されません。今年もし縁がなくても、名簿の有効期間内であれば翌年に再度「官庁訪問」からリベンジすることも可能です。

※名簿の有効期間: 総合職・一般職(大卒)は3年間、高卒区分は1年間