食品衛生監視員になるには?
食品衛生監視員とは食品衛生法などの法令に基づき、日本国民の食の安全を確保する役割を担う仕事であり、食品衛生に関するプロフェッショナルでなければなりません。
そのため、食品衛生監視員になるには、まず厚生労働省により認定される任用資格を取得する必要があります。
食品衛生監視員の任用資格を得る方法は3つ
(1)厚生労働大臣の登録を受けた養成施設を修了する
厚生労働大臣の登録を受けている食品衛生監視員の養成施設はにて、定められた過程を修了することで任用資格を得ることができます。養成施設は全国各地にあります。
(2) 医師、歯科医師、薬剤師、獣医師であること
医師、歯科医師、薬剤師、獣医師であれば任用資格を得ることができます。または、大学や専門学校で医学、歯学、薬学、獣医学、畜産学、水産学、農芸化学の課程のうちどれかを修了し、卒業することでも資格を取得できます。
(3) 栄養士として2年以上食品衛生行政に関する事務経験がある
栄養士として2年以上食品衛生行政に関わる事務の経験があれば任用資格を得ることができます。
食品衛生監視員は「国家公務員」と「地方公務員」の道がある
食品衛生監視員は公務員であるため、国家公務員として全国にある検疫所で働くこと、地方公務員として各自治体で働くという2つの勤務形態が選べます。
日本国内の監督を行う食品衛生監視員は地方公務員で、港湾で輸入食品の検疫を行う食品衛生監視員は国家公務員です。
食品衛生監視員採用試験を受講して「国家公務員」になる
国家公務員として食品衛生監視員になるのであれば「食品衛生監視員採用試験」を受験する必要があります。食品衛生監視員採用試験は、平成24年度から人事院が新たに創設した専門職試験のひとつであり、21歳以上30歳未満であることに加え、任用資格を取得していなければ受験することができません。
食品衛生監視員採用試験の難易度は「大卒程度レベル」で比較的高いとされており、事前にしっかりと試験対策をしていなければ合格できないレベルと言えるでしょう。試験では、基礎能力試験や記述式での専門試験、個別面談のほか、性格検査も行われます。
公務員試験を受けて「地方公務員」になる
地方公務員として食品衛生監視員になるには、各都道府県の公務員採用試験を受験する必要があります。公務員採用試験は、「食品衛生監視員採用試験」よりも難易度は下がりますが、それでも公務員は人気の職種であるため、簡単な試験とは言えません。試験内容や採用条件は各都道府県により異なるため、地方公務員として食品衛生監視員を目指す際は、各都道府県の公務員採用試験の詳細をご確認ください。
食品衛生監視員の年収・勤務時間・福利厚生
食品衛生監視員を目指すのであれば、気になるのは年収や勤務時間、福利厚生ですよね。
食品衛生監視員の給与について
食品衛生監視員の採用当初の給与は212,760円です(東京都特別区内に勤務する場合、平成28年4月1日現在)。地域手当の支給されない地域へ採用された場合は177,300円です。この他に扶養手当や住居手当、通勤手当のほかにボーナスである期末手当が支給されます。詳細は以下の記事もご参考ください。
》世界の食を検疫する国家公務員「食品衛生監視員」の給料・初任給・平均年収
輸入される食の検疫を行い日本を守る国家専門職「食品衛生監視員」の平均の月給料や年収モデル、参考初任給や定められている福利厚生についてご紹介します。食品衛生監視員は、厚生労働省に所属する専門行政職です。
食品衛生監視員の勤務地について
食品衛生監視員の勤務地は、国家公務員か地方公務員かで異なります。国家公務員の場合は全国の主要な検疫所に配置され、地方公務員の場合は採用試験を受けた都道府県の保健所や健康安全研究センターに配置されます。
食品衛生監視員の勤務時間について
勤務時間は、原則として1日7時間45分で、土・日曜日及び祝日等は休みです。空港の検疫所は365日稼働しているため、勤務地によっては交代制(シフト)で業務を行っている場合があります。
月間の休暇の他にも、年次休暇(年20日)や特別休暇、病気休暇、介護休暇を取得可能です。また、仕事と家庭の両立を支援する育児休暇制度も整っています。
まとめ
カロリーベースで約6割を海外からの輸入食品に依存している食糧輸入大国・日本。今や輸入食品なくして国民の食生活は成り立たないものとなっています。その中で私たち日本国民が安心して食事をとるために、食の安全性の確保は不可欠だといえます。
食品衛生監視員には、国民の「食の安全」は自分が守るという熱い気持ちを持った人が求められています。輸入食品が増加する中で、国民の「食の安全」を確保することが検疫所の役割であり、そこで働く食品衛生監視員に課せられた使命です。国民の食の安全・安心を守るために、食品衛生の専門知識と検査能力を有する食品衛生監視員は今後も絶対に必要な存在となるでしょう。
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