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「治安の最後の砦」で働く国家公務員「刑務官」のやりがいとは?

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治安の最後の砦

「刑務所は治安の最後の砦」という言葉があります。警察は犯人を検挙し、検察が訴追し、裁判で実刑が言い渡されれば犯罪者は刑務所に送り込まれ、刑務所で刑罰を厳正に執行することで刑事司法が完結するという意味です。もし刑務所での刑の執行がいい加減で、例えば受刑者を逃がしたり、自殺させたり、入所してきた時より悪くして出所させたりすると、警察・検察・裁判の努力はフイになり、国民の怒りも招きます。だから「最後の砦」というわけです。

刑務官はこの刑務所の使命をよく自覚し、それに誇りとやりがいを感じているといわれています。

人間が相手

人間が相手の仕事だから面白いし、やりがいもあると語る刑務官が少なくありません。もちろん犯罪者という特殊な人間が相手なので困難も多いのですが、だからこそやりがいがあるという受け止め方です。

特に工場(受刑者の作業場)の担当職員は、多い場合には100人もの受刑者を一人で受け持ちます。その分だけ困難の度合いが増しますが、出所した受刑者から礼状が届くのもこの担当職員が一番多いのです。また、自分のひと言で暴力団を始め100人もの受刑者をコントロールすることそれ自体が痛快だと感じる担当職員も少なくありません。

また、刑務所は受刑者の再犯防止に向けて様々な働きかけを行っていますが、工場担当のみならず、これら再犯防止の仕事をする刑務官も別の意味でやりがいを感じているようです。自分たちの仕事が社会のため人のために役立っているという感覚です。

恵まれた勤務条件

刑務官は一般の国家公務員より高い水準の公安職俸給表(一)の適用を受けるほか、各種の手当も充実しており、基本的に宿舎費は無料なので、収入面で恵まれているといえます。国家公務員ですので強い身分保障もあり、法律に違反して免職になるような不祥事などを起こさない限り路頭に迷うようなこともありません。

また、出世を望んで上位の階級に昇進するという道を選択しなければ、基本的に同じ刑務所や近隣の刑務所等で勤務することになりますので、特に結婚して家族を持った場合などは一家の安定と安心感が得られます。こうして家族から感謝される刑務官は、それを喜び、満足感をもって仕事を続けられるともいわれています。

実力主義の社会

刑務官の世界は実力主義です。学歴や縁故は関係ありません。内部での昇進試験もいろいろ準備されており、自分が望めば誰でもチャレンジできます。刑務官採用試験で刑務官になった高卒の人がいわゆるキャリア組の人を超えて出世するということも珍しくありません。したがって、出世を望む人にとって、刑務官の世界は特別にやりがいのある職場と言えるのではないでしょうか。

武道愛好家は特に

刑務所においては柔道・剣道は正課とされており、刑務官が行うべき基本的な訓練と位置付けられています。したがって、武道を愛好する人にとっては正にうってつけの職場といえます。どの刑務所にも立派な武道場が整備されておりいつでも訓練ができますし、稽古相手にも困りません。地方レベルの大会のほか、全国レベルの大会もあって日頃の鍛錬の成果を試す機会がふんだんにあります。そこで腕を磨き、全日本の柔剣道大会に出場し、日本の第一人者となることも夢ではありません。

また、武道に優れた刑務官は職場でも高い評価が得られますし、受刑者等の処遇に当たっても大きなプラスになります。つまり、仮に受刑者が立ち向かっても勝てる相手ではないのでこれらの刑務官に従順であるほか、高段者が持つオーラによって受刑者からの尊敬と信頼が集まるので、処遇しやすくなるのです。

このようなことから、武道を愛好する刑務官は特にやりがいを感じているようです。


個性が生かせる

刑務所は多様な個性が生かせる職場でもあります。受刑者処遇に向いている刑務官はその中で自分の性格や能力に応じて力を発揮できますし、刑務所には直接受刑者と接する機会の少ない事務職もありますので、デスクワークが得意な人はその分野で活躍できます。

事務職の幅も広く、例えば文章を書くのが得意な人、計算が得意な人、手先が器用な人、単純作業をコツコツと根気強くやれる人、人付き合いがうまい人、企画力に優れた人、ものづくりが得意な人などなど、それぞれの個性・才能が生かせる勤務場所が必ずあるのが刑務所だともいえますので、どのような人もやりがいを見いだせると思われます。

まとめ

過去に過ちを犯した人々が、刑務官の指導によって前向きに取り組む様子を見るのは刑務官にとって最大の喜びであるといいます。また、刑務官は同僚や上司などとチームを組んで職務に当たることも多いため、チームの一員として問題解決に当たることができます。

その他にも、一般的な国家公務員に比べて高給取りであることも刑務官の魅力の一つであると言えます。

本記事は、2017年8月26日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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