防衛医科大学校の特徴
防衛医科大学校へ入校後は、6年間または4年間の教育訓練を受け、学生舎で集団生活を送ります。防衛医科大学の生徒は、医師としての必要な知識だけではなく、あらゆる任務を遂行できる体力を身につける教育を受けます。
防衛医科大学校の生徒には、高度な医療技術や頑健な身体、豊かな人格を有していることはもちろん、それ以上に「平和に貢献したい」という強い意志が求められます。多くの人間との出会いを通して自らを律し、より高い目標を目指すことのできる医療従事者となることが必要です。
防衛医科大学校卒業後は、自衛隊の幹部候補生として、陸・海・空の各自衛隊幹部候補生学校で幹部自衛官としての教育訓練を受けます。この学校を卒業後は自衛隊または防衛医科大学校に配属されます。
防衛医科大学のカリキュラムは？
防衛医科大学校は、学校教育法に基づき医科大学に準じた教育を実施しています。医学科の履修カリキュラムは、1年～2年次では進学課程を、1年次後半～6年次では専門課程・訓練課程を履修します。
進学課程
進学課程では、高い知性倫理観を備えた、高潔で豊かな教養を身につけた人間味溢れる医師の育成を目指します。科目は、人文や社会などの一般教育科目、外国語科目、保健体育科目、基礎教育科目です。
専門課程
専門課程では、循環器系や消化器系などの臓器別等の授業科目21科目で構成され、基礎医学（解剖学、生理学、薬理学、病理学等）と臨床医学（内科学、外科学、小児科学、精神科学等）を統合させた講義、実習を行います。その講義や実習を通じて、医師として必要な専門知識や診断法等を効率よく習得できます。
訓練課程
訓練課程では、幹部自衛官として必要な基礎的な素質や技能の育成を目的とした訓練が行われます。春・夏・冬には、実際に陸上・海上・航空自衛隊の各部隊等にまじって訓育に参加します。
医官は、医師であると同時に部下の自衛隊員を指揮・統率しなければなりません。したがって、様々な状況で、精神的・肉体的に負けることなく職務を遂行することが求められます。近年では、災害派遣における医療活動や、国際緊急医療援助隊、PKOへの参加などで活躍する場も増えてきており、そのような場面で訓練の成果が発揮されます。
防衛医科大学の学生生活
防衛医科大学校の学生は、埼玉県所沢市にある学生舎で集団生活を送ります。
防衛医科大学生徒の1日のスケジュール
6：30 起床
6：45～7：35 朝食
8：00 国旗掲揚
8：00～8：20 朝礼
8：30 課業開始
11：50～12：40 昼食
17：00 課業終了
17：30 国旗降下
17：30～18：30 夕食
17：00～20：40 入浴
21：00～24：00 自習
24：00 消灯
防衛医科大学に入るには？
防衛医科大学校に入校するためには、防衛医科大学校学生採用試験に合格する必要があります。採用試験は、日本国籍を持ち、高校卒業資格を持つ者であればだれでも受験可能です。
ただし、応募資格には年齢制限があり、入校年度の4月1日時点で18歳以上21歳未満である必要があります。受験料は無料です。試験には身体検査が含まれており、検査項目の結果等を総合して職務遂行上の支障の有無が判断されます。
防衛大学校の偏差値が60前後であるのに対し、防衛医科大学校は70前後と言われています。年度によっては東京大学理科三類に匹敵する難易度です。
防衛医科大学の採用試験の内容
防衛医科大学校学生採用試験では、一次試験で学力試験、二次試験では口述や小論文、身体検査が実施されます。
一次試験は2日間に分けて行われ、1日目は択一式（英数国）、2日目は記述式（英数国理）の試験が行われます。
まとめ
防衛医科大学校を卒業すると、「医師」と「自衛官」として日本を支える立場を目指すこととなります。活動の場は多岐に渡り、自衛隊病院で働くこともあれば、部隊に勤務し有事の際に力を発揮することもあります。
自衛隊として日本の安全・安心を守る活動を行いながらも、医師として命を守る活動を行うことを目指すのであれば防衛医科大学への入学が近道です。
本記事は、2017年4月14日時点調査または公開された情報です。
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