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地方公務員「市の保健センターで働く行政獣医師」の仕事内容や給料

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目次

はじめに

市の保健センターで働く、女性でキャリア1年の「公務員獣医師」によるキャリアレポートです。当然ですが、「獣医師免許」の資格を持っています。

この職業「公務員獣医師」を目指した理由

私は、もともと動物病院の勤務医として動物の診療業務をしていましたが、私的な事情で転居をすることになり、動物病院を退職して、心機一転、公務員としての獣医師になろうと考えました。

はじめは嘱託として勤務し、その後は正規職員として採用されました。

動物病院の獣医師は、拘束時間がとても長く、また、女性が働き続けるうえで、拘束時間の長さのみならず、休みのとりにくさなどもあり、かなりハードルの高いものでしたので、女性が長く働けるということから公務員獣医師を目指しました。

「市の保健センターで働く公務員獣医師」の仕事内容について

嘱託として働いていた時は、市役所勤務でした。

私は、嘱託としての採用ではありましたが、採用枠としては、獣医師枠であり、産休・育休をとる獣医師の代わりに採用されました。

しかしながら、実際の仕事としては、半分以上がデスクワークでした。はっきりいって、獣医師としての知識がなくても、多くの場合務まる事務職のようなものと感じました。

現在の仕事は、保健センターのなかで、食品衛生を主な仕事内容とした仕事をしています。主として、飲食店が開業するときなど、食品衛生面のチェックをして、営業許可を出すといったことや、食中毒の予防、食中毒が発生したときには、その対応や指導なども行っています。

ですので、どちらかというと獣医師としての採用であっても、獣医師免許があれば必然的にとれる食品衛生監視員としての仕事が中心です。

「市の保健センターで働く公務員獣医師」の1日の仕事の流れ

7時30分:自宅を出て、地下鉄とバスを乗り継いで通勤
8時20分:到着
8時45分:朝礼・ミーティング
9時15分頃:担当部署の飲食店まわり
※飲食店まわりがない場合は、報告書の記載、書類作成、窓口対応など
12時00分:休憩
※水曜日は13時からの休憩で、他の職員が休憩をしている間の窓口および電話応対
13時00分:午前同様、担当部署の飲食店まわり
※飲食店まわりがない場合は、報告書の記載、書類作成、窓口対応など
17時30分:終業 食中毒発生時などは引き続き業務 ただし、まず時間外勤務はない
18時30分:帰宅

「市の保健センターで働く公務員獣医師」の給料・残業・有給休暇

私の場合ですが、「市の保健センターで働く公務員獣医師」の月給は手取りで22万円程度(時間外手当2万円弱含む 交通費含まない 地域手当含む 経験加算含む)で、ボーナスは年間基本給の4か月分程度です。


有給休暇は、市役所にいたときには他の人はほぼ取れない状態でしたが、嘱託だった私はほぼ消化できました。

今の保健センターでは積極的に上司にとるように言われていて、月に1日程度取得しています。

この仕事で、働いているときに困ったこと

一番困ったなと思ったことは、お給料です。

動物病院に勤務していたときは、時間外手当などない丸めの給料でしたが、研修期間が終わると、まあまあのお給料はいただいていました。

もっとも、時間外労働や休日出勤、さらには、ほとんど昇給のない給料、そして退職金の少なさ等を考慮すると、毎月の給料に反映されていたと考えるべきだったのかもしれません。

しかも、私の場合中途採用ですので、それなりに経験加算はあると書いてあったので、それなりにもらえると思っていました。しかしながら、実際には手取りで22万円。30代でこんなに少ないのかとびっくりし、生活設計がすっかり狂いました。

また、上司の方をみていると、地域のなかの奉仕活動も結構担当されており、いわゆる正規業務以外の仕事もあるようで、管理職になっていくということは、大変なことなんだと思いました。管理職になったからといって、大幅に給料があがるわけではないようです。

この仕事や職場でよかったこと

私は、以前、開業動物病院で勤務していたため、とにかく拘束時間が長く、平日はまず趣味の活動をすることができませんでした。

その点公務員になってみると、なにか特別なことがない限りは、定時で帰宅ができるということはとても恵まれており、習い事を始めることができました。

お休みについても、半日休暇をとるまでもないというときには、時間休暇というものもあり、その点も恵まれていると思います。

さらには、女性が産休や育休を取得するということにおいても、開業動物病院では、建前では取得可能であっても、現実的には少人数で診療を行っているので難しいのですが、公務員では、必ず代替要員の採用があるので恵まれていると思います。

「市の保健センターで働く公務員獣医師」の仕事エピソード

私が大変だな、と思ったことは、区内の飲食店で食中毒が発生したときです。

担当している区域の店舗で食中毒が発生したときには、課長さんや主査さん、他の係のメンバーも残って、深夜まで残業をしたり、また、その週末にも店舗への指導や検査の関係で出勤をすることになり、大変だなと思いました。

それだけではなく、実際に飲食をした人を追跡調査をするには、結局時間外でないとその人の話が聞かれない、ということもあり、遅い時間まで残業をせざるを得ず、これは大変なことだと思いました。

しかしながら、そうやって縁の下の力持ちとして地道に仕事をしていくことが、ある意味市民の生活を守っているんだ、と思えました。


この仕事について失敗したなと思ったのは、もう少し動物愛護的な視点で獣医師としてのキャリアが活かせるかなと思っていたのですが、なかなかそのキャリアを活かす場面というのは、少ないという点です。

職場恋愛について教えてください

保健センターという職場は、保健師さんを中心として女性の多い職場です。

同じ建物に大概区役所も入っています。区役所には比較的男性もいますが、おじさま方が多いです。そのため、あまり出会いというのはないように聞いています。もちろん、職場恋愛で結婚された方もいらっしゃるとは聞いていますが、とりわけ職場以外での出会いが多いようです。

また、同じ地方公務員が参加しているサークルで知り合いになるというケースもあり、そこで恋愛関係に発展するということもあるようです。

まとめ ー「公務員獣医師」を目指す方へメッセージ

獣医学部に進学された方は、小動物臨床をしたくて進学した方が大変多いかと思います。しかし、女性が一生動物病院で勤務医として働くには限界があります。

その点、公務員獣医師は女性が一生働き続ける、という点ではメリットは大きいです。ただし、給料は安いです。

中途採用をしている自治体も多く、大都市を除けば、どこかの場所で公務員獣医師として採用されます。

一度で採用されなくても、次回のチャンスもありますし、中途採用もたくさんあります。是非チャレンジをしてみてください。

本記事は、2018年7月9日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • せっかく苦労して獣医師の資格を得ても、公務員として保健センターなどで働く場合には、大半がデスクワークとは、まさに宝の持ち腐れだなと感じました。しかし一般の動物病院では主に救命に関わるため、拘束時間が長く女性が長く勤めるのは困難とのこと。相手が動物であっても、医療に関わるということは相当な覚悟が要ると痛感しました。

  • 「公務員」として採用されれば。独自の考えでは勤務時間・お給料もそこそこ良いのかと思いきや、勤務時間等は良くても、お給料の面は少し…という事を学べました。そう考えると、自分の生活環境等を考え、公務員を目指すのか、動物病院で勤務すべきなのかしっかりと向き合うべきなんだと思いました。

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