熱中症より凍死のほうが多い日本の事情 – 2019年のSNS投稿が改めて注目(2022年11月27日情報)

公務員総研の行政・社会ニュース紹介、今回は「熱中症より多い日本の凍死事情」についてです。


実は、熱中症より多い日本の凍死事情

「熱中症での死亡」と「凍死」はどちらが多いか、答えは凍死という2019年のツイートが改めて注目されています。

凍死とは?

低体温症による死が凍死です。

低体温症は、危険なほど体温が低くなった状態で、寒冷な環境にさらされることによって発生したり悪化したりするため、 寒冷障害と呼ばれることが多くあるそうです。

低体温症は、体から失われる熱量が、運動をすることで産生される熱量や外部から得られる熱(日光や暖炉などの熱)を上回った結果として起こるとのことです。

低体温症は寒い場所で起きるイメージがありますが、屋内で発症することが多く、ほとんどの場合、高齢者が発症しているそうです。

凍死死亡者数

凍死による死亡者は、ICD-10(国際疾病分類第10版)におけるX31(自然の過度の低温への曝露)を死因とするもので、熱中症がX30(自然の過度の高温への曝露)です。

日本国内の凍死による死亡者数は2010年以降1000人を超える年が多くあり、2021年は1245人でした。

1999~2014年のデータをもとに5歳階級ごと・男女別の低温死者数を示したグラフで、死者数のピークは80代前半にありますが、男性に限れば60代前半が最大です。

低温による5歳階級ごとの年間死者数

低温による死亡率を示したグラフで20代から90代までほぼ直線的に上昇していて、低温死亡率が年齢とともに指数関数的に高まることがうかがえます。

低温による5歳階級ごとの死亡率
(1999~2014年の平均)

出典)低温による国内死者数と冬季気温の長期変動

凍死は屋内でも起こる?

凍死は屋内でも起こります。


冬山での遭難による凍死はわずかで、大半が町の中で亡くなっているとのことで、その中でも多くが自宅内、あるいは詳細不明の場所だそうです。

日本救急医学会の熱中症および低体温症に関する委員会 本邦における低体温症の実際 -Hypothermia STUDY 2011 最終報告-での内容をご紹介します。

冬季は基本的に室温を含め気温そのものが低いため、屋内であっても加齢、栄養状態の悪化や脱水、持病の悪化、体調不良を誘因として簡単に低体温症に陥り、重症化を招きやすいことがわかる。そのため冬季においては、持病や日常生活動作に障害のある高齢者の場合、一人暮らしや老夫
婦での生活はもちろん、家族が同居していたとしても1日のうち一定時間単独になる場合、定期的に見守ることのできる環境整備が必要となってくる。住居環境の管理によって低体温症の危険性を減じることが可能である。

出典)日本救急医学会のサイト:https://www.jaam.jp/nettyu/teitaion_02.html

みんなの反応・SNSの反応

凍死についてのTwitterでの反応をいくつかご紹介します。今後は熱中症、凍死が増えそう、電気代の値上げについてや凍死者数を知りたいなどといった声がありました。

本記事は、2022年12月9日時点調査または公開された情報です。
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