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国家公務員<専門職>「財務専門官」の仕事内容について

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目次

国家公務員「財務専門官」の仕事内容

「財務専門官」は、財政と金融のプロフェッショナルとして、主に財務省の総合出先機関である全国の「財務局」に所属しています。

この財務局は、財務省の出先機関であるのと同時に、金融庁の事務を委任されている立場でもあります。財務局は「国」と全国の「地域」をつなぐハブ的な役割を担い、全国の各地域の財政・金融に関して貢献しています。

財務局で働く「財務専門官」は、例えば、国の金融施策を各地域の特性に合わせて実現したり、逆に地域の問題を国に上げ、国策として一緒に解決するといった、日本の「財務・金融・経済」の中間管理職的な役割を担っています。

「財務専門官」は財政や金融についての高度な専門性と実行力が求められる専門職です。

「財務専門官」の5つの使命

「財務専門官」の使命その1「財政」

「財務専門官」の仕事をするにあたって、次の5つの使命が与えられています。

まず1つ目の使命は「財政」を司ることです。財政について「財務専門官」は「適正かつ効率的な予算執行の確保」をするよう求められます。予算が正しく執行されているか調査する業務も任されます。また、「災害復旧事業の査定立会」や「地方公共団体への財政融資資金の貸付」を通して、国の資金が各地域で適切に、効率よく使われているのかをチェックし、改善する立場にあります。

「財務専門官」の使命その2「国有財産」

「財務専門官」の2つ目の使命は「国有財産」を司ることです。

国有財産に関する業務を任された「財務専門官」は、「行政財産の効率的な使用のための総合調整」を担い、国が管理する設備などを地域が効率よく使用できるよう総合的な視点で判断・調整することが求められます。

「地域や社会のニーズに合わせた国有財産の有効活用」や「国有財産を通じた災害対応や防災対応」も業務のひとつで、地域の課題を吸い上げ、国有財産を活用して解決に繋げていく橋渡し的な働き方が必要な立場です。

「財務専門官」の使命その3「金融」

「財務専門官」の3つ目の使命は「金融」を司ることです。

金融に関わる「財務専門官」は、「地域の金融機関などの検査や監督」を行います。


地域の金融機関である信用金庫や信用組合の監督をすることで、その得意先である地域の中小企業の金融が円滑化するよう努めるとともに、預金者を保護するという意味合いもあります。

また、証券取引監視委員会と連携して証券取引所の監視を行い、投資家を保護する「財務専門官」もいます。「財務専門官」は、地域の金融の監視役としてあらゆる場面で活躍しています。

「財務専門官」の使命その4「経済調査」

「財務専門官」の4つ目の使命は「経済調査」の実施です。

「財務専門官」は管轄する地域の企業にヒアリングを行ったり、地域経済のデータを分析します。

「財務専門官」によって調べられた結果は、四半期ごとに財務大臣や財務省の幹部に報告されます。

財務省は「財務専門官」が報告した各地域の調査結果をもとに、国の経済政策を決めていくため、「財務専門官」による調査内容は国の経済にとっても、大変重要だと言えます。

「財務専門官」の使命その5「広報相談」

「財務専門官」の5つ目の使命は「広報相談」の実施です。

広報を担当する「財務専門官」は担当する地域に、財務省や金融庁など国の政策を浸透させるために広報活動をしたり、各種団体の会合や学校、研修会などに講師を派遣したりします。

相談業務としては、多重債務者の相談対応などの業務があります。

「財務専門官」の主な職場「財務局」の業務

「財務専門官」が活躍する財務局の役割は、具体的には「財政の業務」「金融の業務」「その他の業務(経済調査・公報)」の3つに分類されます。

それぞれ、具体的にどのような業務があるのかを解説します。

財務局の業務「財政の業務」

財務局の財政業務には「主計部門」と「融資部門」と「管財部門」の3部門があります。

財政業務1:主計部門について

1つ目の「主計部門」では「予算執行調査」と「災害立会」の業務を担っています。

「予算執行調査」業務は、その名の通り、予算が適切、適正に運用されているかのチェックを行い、財務省主計局へ報告します。「災害立会」業務は、地震や台風などの災害による公共的施設(道路など)の復旧にかかる事業費などの調査・国の負担計算を行い、すみやかに復旧が進むような円滑な遂行サポートを行います。

財政業務2:融資部門について

2つ目の「融資部門」では、「財政投融資」を担います。


この「財政投融資」とは、国による、地域への長期・低金利の融資、出資の活動のことをいいます。各財務局は、「地方公共団体」が学校、病院、上・下水道、社会福祉施設等の建設資金を必要とする場合に、財政融資資金の貸し付けを行います。

財政業務3:管財部門について

最後の「管財部門」は、「国有財産の有効活用」をする部門です。

「国有財産の管理処分」業務も担当し、国有財産の管理や売却・貸付等の適切な運用・処分を担います。例えば、観光地として有名な兼六園や松島なども国有の場所であり、日比谷公園や大阪城公園など国有の公園を地方に貸し付けているという場所もあります。災害時に国家公務員宿舎に被災者を受け入れる取り組みなども担当します。

財務局の業務「金融の業務」

財務局は金融の業務として「地域金融機関の検査・監督」と「証券取引等の監視」の2つの業務を担っています。

金融業務1:検査部門・監督部門について

財務局の金融業務の中で、「地域金融機関の検査・監督」を担当する「検査部門・監督部門」は、「地域金融機関」が財政の健全性やリスク管理の状況を点検し、必要に応じて業務改善命令等の権限を行使します。

ちなみに、地域金融機関とは、地方の銀行、信用金庫、信用組合のことをいいます。

金融業務2:証券取引等監視官部門について

財務局の「証券取引等の監視」業務は、「証券取引等監視官部門」により、証券取引等の公正性・透明性を確保し、投資家を保護するものです。

証券会社等に対する検査・監督のほか、インサイダー取引や相場操縦等の違法行為の監視を行い、違法行為に対しては、証券取引等監視委員会と連携して、課徴金の賦課や、検察官への告発を行うための調査を行います。

財務局の業務「財政と金融以外のその他の業務」

財務局の業務として財政、金融以外の「その他の業務」には、地域経済の調査を担当する「経済調査部門」と、地域への広報・広聴を担当する「広報部門」があります。

その他の業務1:経済調査部門について

財務局の「経済調査部門」では、担当する地域の経済情勢をタイムリーに把握するために地域の企業のヒアリングや経済状況の調査・分析などを実施しています。

財務局による調査結果は四半期ごとに財務省に報告され、財務省による各種マクロ経済政策の企画・立案に役立てられます。

全国の財務局による調査結果が、国の経済政策にとって重要な役割を担っているのです。

その他の業務2:広報部門について

財務局の「広報部門」では、財務省や金融庁の重要施策を担当地域に浸透させるための広報活動を実施しています。

広報活動の代表的なものは、企業や団体などの会合や学校の研修会に講師を派遣したり、マスメディアの取材に対応したりすることです。

また、地域の要望や意見を国に伝達する役目もあり、地域の人々に政策をひろめるとともに、地域の声を聞く双方向の活動を目指している部門と言えます。

まとめ

このページでは、国家公務員の「財務専門官」の仕事内容についてまとめました。「財務専門官」には業務を遂行するのにあたり、大きく5つの使命があると言われており、その使命がどのようなものかをご説明しました。

また、「財務専門官」が主に活躍する全国の財務局についても解説しました。財務局の業務は大きく財政の業務と金融の業務、その他の業務に分けられます。それぞれの業務については、部門ごとに役割が分かれています。

「財務専門官」は、国の政策を地域に伝え、実行するだけでなく、地域の経済状況や地域の経済的な要望を財務省本省や金融庁本庁に伝える役目も担っており、国と地域の財政や金融をつなぐ役割を果たしていると言えます。

本記事は、2018年12月2日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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