質問 公務員の仕事で「これは困る!」と思った事はありますか?
「公務員になりたい」と決心した皆さんは、毎日何時間勉強したらいいの?と不安になるのではないでしょうか?
今回は、現役公務員の立場からそんな疑問について考えてみたいと思います。
リスクその1「市民の視線」は厳しい!
公務員になって「これは困る!」と思ったことが、いくつかありますので、ご紹介いたします。
まず、公務員になってから特に感じたのが、市民の方々は非常に厳しく我々のことを見ているということです。
もちろん、税金からお給料をいただいている以上、全体の奉仕者として一生懸命働くのは当然のことではあるのですが、そうは言ってもなかなかやりきれないこともあります。
特に、「休憩」に関しては非常に多くの意見をいただきます。
市役所にある公用車には大抵「◯◯市」というステッカーが貼ってありますよね。お昼だからって、そんな車でコンビニや飲食店に寄ったら大変なことになってしまいます。
公用車がお店の駐車場に止まっているのを見た市民の方から「仕事中に何をやっているんだ!」と抗議の電話が殺到することでしょう。(昼休みであってもですよ!)
消防士が飲み物を飲むことですらクレームの対象となるこのご時世、非常に厳しい視線で見られているんだなと実感することは数多くあります。
リスクその2「役員」をやらなければならない?
また、自治会や学校のPTA役員を押し付けられるということも多いようです。
私はまだ経験が無いのですが、市役所に勤めているというだけで「適任だ!」と判断されて役員になってしまったという話はよく聞きます。
一つだけならまだ良いのですが、それがいくつもいくつも積み重なってしまっては、溜まったもんじゃありませんよね…。とはいえ、勤務先の自治体に勤めている場合はなかなか断ることもしづらいでしょう。
これに関しては、「楽しんで役員を務める」か「関係性がどうなっても断固として引き受けない」のどちらかを選ぶしか無いのかもしれません。
※余談ですが、私の周囲には市役所に勤めていることをご近所さんをはじめ、自分の子供にも隠しているという人がいます。それもすごい話ですよね…。
リスクその3 旅行するにも「届け出」が必要
公務員として重要な仕事の1つに、「災害対応」があります。
いざというときにはいち早く職場へ駆けつけ、様々な業務に当たらなくてはなりません。そんな公務員が「どこに行ったかわからない」というのは困ってしまいますよね。
そのため、長期の休暇の場合には「いつからいつまでどこに行くのか」の届け出をしなくてはならないのです。(各自治体ごとに細かいルールは異なります)
さらに、課内旅行など集団で遠出をする場合には、「集団で旅行をします」という届け出を所定の部署に提出する必要があります。
まさかの時のためとはいえ、休日のプライベートな旅行まで知られるのは嫌だという人は多いことでしょう。(お土産も買わなくてはなりませんしね)
ですが、公務員である以上、こんなルールも受け入れなければならないのです。
リスクその4 消耗品を買うのにも一苦労
あなたはペンを一本買う時どのような手続きを踏んでいますか?
「お店に行ってお金を払えばいい」確かにそのとおりなのですが、公金を使う場合にはそうはいきません。
まず、「ペンをこの値段で買っていいですか?」という決裁を取り、その後、「ペンが届いたので、支払いをしていいですか?」と再度決裁を取らなくてはならないのです。私もこのことを初めて知ったときは衝撃を受けました。たかがペン一本買うのにこんなに時間と手間をかけなくてはならないのかと…。
金額の多寡にかかわらず、決められたルールで仕事をしなければならないというのは、窮屈に感じる人が多いかもしれませんね。
リスクその5 実名報道されやすい!?
最後に、公務員であることの大きなリスクの1つとして、「悪いことをしたときに実名で報道されやすい」ということがあります。
同じ程度悪いことをしても、民間企業に勤めている人よりも新聞やテレビなどで実名報道される可能性は高いです。
「そんなことしないよ!」と思っている人も多いことでしょうが、実際私の同僚も何人か逮捕・起訴され実名報道をされた挙げ句、懲戒免職となっています。
公務員たるもの、きちんとした規範意識を持ち、私生活でもルールを守って生活をしていかなければならないのです。
まとめ – 公務員総研編集部から
いかがでしたでしょうか?
今回は、「これは困る!」と思ったことはありますか?という質問に対して、現役公務員の立場から普段感じていることからいくつか重要なポイントに絞ってご紹介させていただきました。
公務員になったら、「悪いことをしたときに実名で報道されやすい」という大きなリスクを背負っていくことは肝に銘じておきましょう!
それでは次回もお楽しみに!
コメント
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現役公務員の立場から実際に市民から受けたクレームや公務員のデメリットを具体的に紹介されていて、市民の視線の厳しさや公職としての責任の重さがヒシヒシ伝わってきました。