博物館などに勤務する「学芸員」の給料・年収 - 地域の文化施設運営のエキスパート

「地方公務員」として、自治体が運営する文化施設などで働く「学芸員」の給料や年収についてまとめます。「公務員学芸員」のお給料は採用する自治体や、雇用形態などによって異なります。いくつかの自治体の事例もふまえて解説します。


「学芸員」の給料は自治体ごとの等級によって異なる

「地方公務員」の「学芸員」は、県立や市町村立などの「公立」の博物館や美術館、郷土資料館、教育委員会事務局などで勤務します。

「公務員学芸員」は、大学や大学院などで「学芸員資格」を取得した人しか受験できない専門職ではありますが、その給料や年収の水準については各自治体によって定められており、他の一般事務職員と同じ基準で算出されることが多いようです。

新卒の「学芸員」の場合のお給料例(東京都板橋区の場合)

例えば、「公務員学芸員」として、新卒で採用された場合、東京都の板橋区では「板橋区職員(1級職主事)」という身分となります。その際の初任給は「約220,400円」と設定されています。職務経験等がある場合は一定の基準により、お給料の金額が加算されます。

▼参考URL:板橋区ホームページ|平成30年度 学芸研究採用選考募集(受付は終了しました)
http://www.city.itabashi.tokyo.jp/c_kurashi/074/074078.html

「学芸員」は採用区分が異なっても、給料の基準は同じ

「学芸員」採用区分が異なっても、給料については他の一般行政事務職と同じ水準に設定されており、年収は一般行政事務職と同程度、という自治体が多いようです。

「学芸員」と一般事務の給料水準が同程度という例(埼玉県の場合)

例えば、埼玉県は県の職員として「学芸員」を毎年一括で採用しているようです。採用されると県内の公立美術館や博物館、教育委員会事務局等で勤務します。

平成30年度の学芸員採用試験について、受験案内によると、選考区分として「考古(古墳時代~古代)」「歴史(中世史)」「民俗」「美術(近現代美術・教育普及)」が設けられましたが、初任給についてはすべての区分で一律「約204,300円」でした。

職務経歴によっては加算されることもあるようですが、専門分野や活躍する職場が異なっていても、基本的には同じ新任の埼玉県職員として、同じ初任給からスタートします。また、埼玉県の「学芸員」には毎月の給料の他に扶養手当、住居手当、通勤手当、期末・勤勉手当等の手当が支給されます。

▼参考URL:埼玉県ホームページ|埼玉県学芸員採用選考について(外部サイト)

「学芸員」は経験者採用が多く、初任給が加算されることも

「地方公務員」の「学芸員」といっても、様々な業務内容があり、業務によっていは大学などでの研究経験や、職務経験がある人のみ採用という自治体もあります。

経験者の場合は一定の基準を満たすと、初任給が加算される場合があるため、給料額や年収額は、経歴や採用先によって大きく異なることがあります。


「学芸員」の経験者採用で、初任給が加算される例(兵庫県豊岡市の場合)

例えば、「学芸員」の募集方法について、兵庫県の豊岡市では平成31年4月1日採用の「文化財専門員」という職種名で、職務経験のある人を募集していました。

豊岡市の学芸員の平成30年度の初任給は、大卒で「185,800円」だったので、職務経験が認められると更に加算されたお給料が支給されることになるようです。

▼参考URL:兵庫県豊岡市ホームページ|平成31年度採用 豊岡市職員(文化財専門員、土木技術職、保健師、消防職)の追加募集について(外部サイト)

「公務員」の「学芸員」は減少傾向にある

「公務員」の「学芸員」が勤務するのは自治体が運営する美術館や博物館など公立の文化施設ですが、近年「公立美術館」や「公立博物館」の運営を民間に委託する自治体が増加しています。運営が民間になれば、当然ながら、その職員は公務員ではなくなります。

また、「公務員学芸員」としての採用であっても正規職員ではなく「任期付職員」や「非常勤職員」などとして採用されるケースも多いようです。

非正規雇用の学芸員のお給料について

非正規雇用の「公務員学芸員」は「期末・勤勉手当」といった賞与が支給されないため、正規雇用の「公務員学芸員」に比べて年収は低い傾向にあります。

民営化で「国家公務員」から「独立行政法人職員」になった学芸員の場合

かつて「学芸員」には「地方公務員」だけでなく「国家公務員」もいました。それが、国立博物館の「学芸員」の方々なのです。

しかし、平成13年に「独立行政法人国立博物館」が誕生し、「国家公務員」として勤務していた「国立博物館」の「学芸員」は「独立行政法人職員」になりました。

現在では「独立行政法人文化財研究所」と平成19年に統合した「独立行政法人国立文化財機構」が「国立博物館」を運営していますが、職員の身分は引き続き「公務員」ではなく「独立行政法人職員」という身分です。

独立行政法人の学芸員のお給料について

「国立博物館」の職員の採用は頻繁にありますが、事業ごとに任期付で採用されることが多く、その場合の給料は年俸制が一般的です。年俸制では年俸の12分の1が毎月支給されるという場合が多いようです。

まとめ 学芸員の給料や年収は所属する自治体や施設ごとに違います

このページでは、「地方公務員」の「学芸員」の給料や手当についてご紹介しました。「地方公務員」の「学芸員」の給料や手当は採用する自治体の規定によって定められており、自治体によって内容が異なります。

また近年では、文化施設の運営を外部委託化している自治体も多く、公立美術館などの職員であっても「地方公務員」ではなく民間の職員というケースも増えてきました。

また、「地方公務員」であっても「非常勤職員」や「任期付職員」である場合も多く、給料に加えて支給される手当と支給されない手当がありますので注意が必要です。年収についても、非常勤と常勤では手当に違いがある分、大きな差があります。

ただ、任用期間が決まっているということは、「地方公務員」の「学芸員」として一つの自治体で長く勤める職員もいれば、あらゆる自治体や施設などで様々なキャリアを重ねている「公務員学芸員」の方がいる時代になったと言えるでしょう。

職員の入れ替えが総合的に多くなったことで、多くの人が公立の文化施設で働く機会を得られているとも言えます。自身の専門性スキルや、研究したい対象などによって、いろいろな職場での仕事を経験できるのが現代の「公務員学芸員」と言えるかもしれません。


「公務員学芸員」の給料や年収の目安、支給される手当などについては、各自治体や施設の「受験案内」で確認できますので、受験を考えている方はよく参照するようにしましょう。

(作成日 2019年2月18日/ 最終更新日 2021年6月28日)

本記事は、2019年2月18日時点調査または公開された情報です。
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