違法な外国人に対処する「入国警備官」の給料や年収、福利厚生について

「入国警備官」は法務省に所属する国家公務員(公安系職種)であり、その役割は日本に入国する外国人や、在留外国人の法律違反に対処することです。

外国人の違反調査や摘発、収容、送還などの業務を担い、日本の安全と国民生活を守ってくれる「入国警備官」の給料や初任給・平均年収、福利厚生などを解説します。


そもそも 「入国警備官(にゅうこくけいびかん)」とは?

「入国警備官」は法務省に所属する国家公務員です。警察などと同じく公安系職種の公務員に分別されたりもします。

「入国警備官」の仕事・役割は、その名の通り、入国に関する警備の仕事をします。具体的には、不法入国者、不法残留者、不法就労等の在留目的外の活動を行う者など、法律違反の疑いがある外国人を調査し、また、違反があった場合には国外に退去させるための手続を行うことです。

国家専門職「入国警備官」の給料について

入国警備官の給与は、国家公務員 公安職俸給表(一)に基づいて計算されます。この公安職は、自らの命にも関わる危険な業務に関わる職で、一般の国家公務員より高い水準の俸給が支給されます。

月の給与は、給料(基本月給=俸給表の俸給月額)と各種手当(地域手当や扶養手当など)の合計値です。
毎月「税金」と「社会保険」は、民間企業と同じく、給与から差し引かれます。

入国警備官の初任給例(平成28年度実績)

入国警備官の初任給は、高校卒業後、東京都特別区内にストレートで勤務する場合は200,040円が支給されます(平成28年4月1日時点)。

その他、扶養手当・住居手当や通勤手当、ボーナスが支給されます。

公安職俸給表(一)の平均給与データと年収例

入国警備官が該当する公安職俸給表(一)の職員は、平均年齢 41.3 歳で、平均経験年数 20年、平均給与月額円371,411 円、平均年収は、約594万円(※1)です。

平均給与月額の内訳(平均金額)は、下記の通りです。

  • 俸給 315,764 円
  • 地域手当等 29,288 円
  • 俸給の特別調整額 5,686 円
  • 扶養手当 13,313 円
  • 住居手当 2,614 円
  • その他の手当 4,746 円

※1:平均年収は、公務員総研の予測概算値です。月給与の12ヶ月分とボーナスは、おおよそ月給与4ヶ月分を仮に計算して、算入しています。

入国警備官の年収について

上記で平均給与データと年収の例を示しましたが、入国警備官は基本的に、勤務年数少なければ年収は低く、勤務年数が上がると年収は高くなっていきます。

一般的に、入国警備官の平均年収は600~700万円ほどといわれており、20代の場合は年収約300万円~、40代では年収約500~600万円と上がっていき、役職がつけば年収はさらに上がります。

入国警備官の福利厚生

入国警備官の福利厚生は下記の通り、案内されています。


諸手当(地域手当以外で支給される手当)

  • 扶養(ふよう)手当:扶養親族のある職員に、配偶者月額13,000円等が支給されます。
  • 住居手当:借家(賃貸のアパート等)に住んでいる場合に,月額最高27,000円が支給されます。
  • 通勤手当:交通機関を利用している場合に,1箇月当たり最高55,000円が支給されます。
  • 期末手当・勤勉手当:いわゆる民間企業でいうボーナスに当たるものです。

就業時間

1週間当たりの勤務時間は38時間45分(週休2日制)です。

1日7時間45分の勤務を行う場合と交替制勤務(昼間勤務と昼夜間勤務)を行う場合があります。

休日

原則、週休2日制です。

休暇

年20日間の年次休暇(4月1日採用の場合は、その年の12月までは15日)のほか、夏季・結婚・出産・忌引・ボランティア等の特別休暇、介護休暇や病気休暇があります。

勤務地

勤務地は、全国の地方入国管理局又は入国者収容所入国管理センターです。

福利厚生

住居:公務員宿舎が全国に整備されているほか、民間の住宅に入居する場合には、住居手当が支給されます。

共済制度:共済組合制度による全国の医療機関や宿泊・保養施設サービスの利用が可能です。

在外公館勤務制度

法務省では他省庁との人事交流の一環として、職員を外務省に出向させた上、在外公館勤務に就かせ、査証(ビザ)発給事務などの実務や諸外国での生活を通じて、国際感覚豊かな職員を育成する在外公館勤務制度があります。

昇任制度

入国警備官には、警守・警守長・警備士補・警備士・警備士長・警備長・警備監の7階級があり、努力次第で上位の階級に昇進できます。

注釈 平均給与データと年収例について

※全俸給表の平均経験年数には、特定任期付職員及び任期付研究員は含まれていません。

※平均給与月額の内訳のその他の手当は、本府省業務調整手当、単身赴任手当(基礎額)、寒冷地手当、特地勤務手当等が該当します。

入国警備官の採用について

入国警備官になるには、人事院が行う「入国警備官採用試験」に合格し、入国管理局に採用される必要があります。

詳しくは以下の記事をご参照ください。

【入国Gメン】国家公務員「入国警備官」になるには?

まとめ

以上、『違法な外国人に対処する「入国警備官」の給料や年収、福利厚生について』でした。


入国警備官は「入管Gメン」などとも呼ばれており、不規則な勤務体系や転勤を伴うような異動があり、体力も必要な職業のため、給料は高水準ですが、離職率は高いそうです。ですが、日本の安全を守る重要な仕事です。

入国警備官に興味がある方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

本記事は、2017年4月5日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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