【国家一般】旧国家II種の合格者による勉強方法や試験体験レポート

旧国家II種、現在の国家一般職の試験に向けての勉強について、独学で学ぶ人、専門学校に通う人、様々だと思います。どのように各科目を勉強し、面接や官庁訪問はどのような対策をすればいいのか、合格したときの体験をもとにしたアドバイスや試験について解説します。


国家一般職の試験について

国家一般職の採用試験は年に一回行われており、毎年4月頃にインターネットから受験申込、6月頃に第一次試験(筆記試験)、7月から8月にかけて第二次試験(面接試験)、8月後半に官庁訪問、10月に内定という流れになっています。

国家一般職試験は、以前は国家Ⅱ種試験と呼ばれており、2012年度から試験名称が変更されました。国家総合職は、以前は国家Ⅰ種試験と言われており、いわゆる官僚と呼ばれる幹部候補として採用されます。筆者が受験したのは国家Ⅱ種と呼ばれていた頃の行政区分試験ですので、現在と多少異なる部分もあるかと思います。

ちなみに情報についてもインターネットのホームページ上から行われており、試験の日程情報や申込も、人事院が提供する「国家公務員試験採用情報NAVI」で確認するのが現在の基本的な流れです。
http://www.jinji.go.jp/saiyo/saiyo.htm

一次試験勉強方法

国家一般職の一次試験は区分により内容が異なります。区分は、行政(各地方により採用)、電気・電子・情報、機械、土木、建築、物理、化学、農学、農業農村工学、林学と別れていますが、今回は行政区分の一次試験についてお話します。

試験科目

試験科目は大きく分けると3つに分けられ、基礎能力試験、専門試験、一般論文試験となります。基礎能力試験の中には、文章理解、判断推理、数的推理、資料解釈、自然・人文・社会知識があります。

基礎能力試験は高校までに習った知識を総動員して解かなければならない問題が多く、自分が文系か理系かでも得意不得意が出やすい部分になるので、全てを完璧にする勉強法というよりは、いかに浅く広く、過去問を研究して4択の中から答えを見つけ出せるかというのが勝負になってきます。

基礎能力試験は高校までに習った知識を総動員して解かなければならない問題が多く、自分が文系か理系かでも得意不得意が出やすい部分になるので、全てを完璧にする勉強法というよりは、いかに浅く広く、過去問を研究して4択の中から答えを見つけ出せるかというのが勝負になってきます。

専門試験の科目選びは試験が始まって問題を見てから選択することが出来ます。勉強方法としては、全てを一通り勉強し、実際の試験を見て比較的簡単そうな問題を選択して解く方法、勉強する段階で科目を絞って勉強し、勉強した科目を選択して解く方法があります。

私の場合は、その間をとって、政治学、行政学、憲法、行政法、民法(総則及び物権)、民法(債権、親族及び相続)、ミクロ経済学、マクロ経済学、財政学・経済事情、英語(基礎)、英語(一般)の11科目を勉強し、試験内容を見て難しそうな3科目を捨てるという形で受験しました。

専門の科目選びは、自分が大学時代何学部で学んでいたかというところも影響してくるので、過去問を見ながら得意分野から勉強していけばいいと思いますが、英語の基礎・一般問題は高校で英語を得意としていた人なら割と解ける場合もあるので、時間が余ったら解いてみるのもいいかもしれません。時間をかけて勉強した他の専門科目より解けたため、急遽英語を選択したという人も何人かいました。

一番時間をかけた科目がその年に難易度が高く、解けないということもあり得るので、その場合はこだわらずにすぐに切り替えて別の科目を選択して解いた方が良いです。


試験当日のアドバイスとしては、やはり当日に自分のコンディションをいつも通りに整えることが大切になります。具体的には、会場の冷房が効きすぎている場合があるので上着を持参し、当日の服装はラフな格好でも特に差しさわりはないので楽な格好で行った方が良いです。また、試験は一日がかりで行われるので、午後眠くならないように前日は早めに寝ることが大切ですし、そのために試験前は特に早寝早起きを習慣づけてあまり遅くまで勉強のために起きていないようにした方が良いといえます。

試験対策のための学校(大学の生協講座について)

公務員試験の勉強は、独学で取り組む人、学校に通う人様々だと思います。私の場合は、勉強し始めたのが大学3年生の時でしたので、大学生協による公務員試験対策講座に通っていました。

大学生協による講座に通ったメリットは多く感じることが出来ました。まずは、学内で授業が行われるので、学校の授業後すぐに講座を受けられること、また講座を欠席した際も授業のDVDを無料で貸出してくれるなどフォローも手厚かったです。一番ありがたかったのは、公務員試験は意外と情報収集が大切なので、公務員試験に合格した4年生から各公務員試験の対策方法や二次試験の様子を教えてもらえたことです。

また、受講するのが全員同じ大学の学生なので、全員で試験に向かっているという仲間意識もうまれて励ましあいながら受講することが出来ました。余談ですが、公務員試験に合格しそれぞれが晴れて公務員になった後も講座の元仲間同士で集まってそれぞれの仕事について情報交換していました。

講座の内容としては、基礎能力試験と専門試験の内容全てに触れたもので300コマ以上ありました。特に法律系やミクロ経済・マクロ経済の専門科目、判断推理・数的推理などは、やればやるほど点数が上がりやすい科目であったので、1年を通して授業を受けることはもちろん、宿題として過去問数年分を何周も解きました。

大学生協の講座は全部で約20万円ほどだったので、一般の民間の専門学校に通うよりはだいぶ安くついたのではないかと思います。

面接対策

二次試験の人物試験とは、いわゆる面接試験になります。私が受験したころは、一次試験に合格しても二次試験の面接で落ちたという話はあまり聞いたことがなかったですが、近年では、筆記試験だけでなくこの人物試験も重要視されるようになってきたようです。

面接カードの書き方

人物試験で一番大事ともいえるのがこの面接カードの書き方です。名前や学歴はもちろん、最近関心を持っていること、学生時代に一番印象に残っていること、趣味・特技、自己PRについて2~3行で書かなければなりません。

ここで重要なのが、ただ事実を淡々と書くだけでなく、どう書いたら面接のときに自分の話したいことを面接官が突っ込んで聞いてくれるかを意識して書くということです。公務員試験の二次試験ではあまりイレギュラーな質問や圧迫面接を受けることは少ないです。独自の面接は後の官庁訪問で行われるためです。

面接カードに沿って、ここを聞かれるだろうなという点をそのまま聞かれることが多いので、自己PRにつながりそうなエピソードをざっくりと匂わせながら書くことが大切です。

実際の面接について

実際の面接は一次試験の合格発表の1週間後くらいに実施されるので、一次試験が終わったら合格発表前に面接対策に取り掛からないと間に合いません。

私の場合は、大学を3年次に編入したこと、大学時代のゼミで公務員に関係ある研究を行ったこと、アルバイトで料理メニューを開発したことをアピールしたかったので、それぞれのエピソードを聞かれるように面接カードを記入し、実際に予想した通りの質問をされたため、考えていた回答を話すという形でした。

面接カードを作り終えたら、他の人にそれに沿った質問をしてもらうのが一番の対策となります。私の場合は公務員講座の講師や先輩に何度か質問してもらいました。

官庁訪問

公務員試験の中でも国家公務員だけの特殊な試験形式がこの官庁訪問と言えます。二次試験よりも突っ込んだ質問をされることもありますし、業務説明会に何度か足を運ばなければならない場合もあります。官庁訪問や業務説明会についても、私の受験したころと現在では異なる部分も多いかと思いますが、参考に体験談をご紹介します。

業務説明会について

国家公務員一般試験の業務説明会には2種類あり、まず3月頃に全省庁の概要説明のような説明会があります。こちらは純粋な説明会ですので、気軽な気持ちで自分はどの省庁に就きたいかを考えるための参考にしたらよいかと思います。


もう一つが、一次試験の後から行われる、各省庁や部局それぞれが執り行う業務説明会です。こちらは説明会とはいっても実際は選考が行われており、省庁側が採用したいと思った場合は個人的に連絡がきて何度か省庁に足を運ぶ場合があります。

入国管理局の業務説明会の場合は、実際に業務を行っている空港内を見学した後、若手職員との座談会、総務課の上の方との座談会がありました。座談会の中で選考が行われていたのだと思いますが、業務説明会の後にぜひ官庁訪問に来てくださいという電話が来ました。座談会と言われても気を抜かずに、業務について調べて質問を行った方が良いといえます。

税関の場合も同じように見学と業務の説明があった後、面接のようなやり取りがありましたが、その後連絡がこなかったため採用される可能性が低いと思い、官庁訪問には行きませんでした。業務説明会で採用したいと思われた場合は、その後何度か連絡と面接のようなやり取りがあったようです。

官庁訪問について

官庁訪問は最終合格発表後に希望する官庁を訪問するものですが、訪問する時間帯によって、相手側に志望順位がはかられている場合もあるので、志望度の高い順に訪問した方が良いでしょう。

また、業務説明会である程度採用したい順位はつけられていることが多いですが、採用したかった受験生が他の省庁や市役所県庁に流れている場合も多いので、業務説明会で好感触が得られなかった場合も、志望度が高ければ官庁訪問で熱意を伝えることが大切です。

官庁訪問で聞かれる内容については、各省庁によるとしか言えないのですが、業務説明会で採用したいと思われていた場合には、最終面接のような形で軽い質問と志望度を聞かれるのみであっさり終わることも多いようです。

アドバイス

国家公務員一般職の試験について、体験談をご紹介しました。公務員試験の終わりまでは長い道のりになりますので、息抜きをしながら、同じ公務員志望の仲間と情報交換を行って乗り切ってください。

公務員試験は科目が多いので、試験の1年ほど前から取り掛かった方が良いと思うのですが、最初から気負いすぎると最後まで持たなくなってしまいます。私の場合は一年前の夏までは、大学のゼミ活動や合宿、友達との旅行や飲み会などにも参加して息抜きを行っていました。

特に基礎能力試験の暗記科目はあまり前から取り掛かると本番前に忘れてしまう危険性が高いので、最初の半年は緩やかに専門科目や判断推理・数的推理の勉強を行い、後半から過去問の反復練習と暗記科目まで手を広げてラストスパートに向けて勉強量を増やしていくというイメージでした。ただし、ラストスパートのときも睡眠時間は削らなくて済むように計画的に行うことが大切です。

現在はインターネットでも情報収集が可能なので、独学で勉強する方も公務員試験に関する情報を収集してぜひ活用しながら頑張ってほしいと思います。

本記事は、2017年10月27日時点調査または公開された情報です。
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