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公務員の研修について解説 - 服装、期間、内容など

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目次

はじめに - 市役所職員、小林英介さんによるコラム

これから公務員として働く方の中で、次のような疑問を抱いている方が必ずいると思います。

「研修って何をやるんだろう」

私ももちろん公務員として働き始める前は、研修について気になり始め、そわそわしていたことを思い出します。

今回の記事では、公務員の研修に関して詳しく解説します。

*なお、この研修については、私が体験した研修をもとに書いています。その点ご了承ください。

補足:研修の概要

市役所の新規採用職員研修。採用にあたって様々な法律知識や市政などを学習します。期間は5日間で、4月第1週の月〜金曜日まで行われました。研修中も給料が発生するので、気を引き締めて研修に参加しました。

研修の日程と内容

私が思い出せる限りの研修内容を列挙すると、以下のようになります。

研修1日目

9時 集合。新入職員全員で朝礼。辞令交付式の確認。

10時 辞令交付式。緊張の瞬間。

11時 配属部署にご挨拶。そのまま昼休み。

13時 再び新入職員全員で集合。本格的な研修が始まる。13時からは法律について勉強。


14時 自治体の概要などの説明。

15時 福利厚生、給料などの説明。

16時 手話講座。

17時 初日の研修終了。

研修2日目

9時 集合。予定の確認。

10時 市役所を出て、市内施設の見学。そのまま昼休み。

14時 見学終了。市役所に戻って座学研修再開。14時からは障害者についての研修を受ける。

16時 市役所の組織について説明を受ける。

17時 2日目の研修終了。

研修3日目

9時 集合。

9時30分 マナー・ビジネス講座を受講。

17時 3日目の研修終了。

研修4日目

9時 集合。起案講座を受講。

11時 会計システムの講座を受講。午後からも続いた。

15時 サークルのPRを受ける。


16時 年金の講座を受講。

17時 4日目の研修終了。

研修5日目

9時集合。最終日の研修が始まる。まず労働組合の説明を受ける。

10時30分 職員互助会の説明会を受講。

12時 昼休み

13時 公務員と犯罪についての講座を受講。

14時 公務員の心構えについて説明を受ける。

15時 防災講座、救急救命講習を受講。

17時 5日目の研修終了。新入職員研修の全日程を終了。(終了後、飲み会に行きました。)

研修の詳細

新入職員研修は上記のような日程で行われました。それでは、詳しく見ていきましょう。

1日目はひとまず庁舎に出勤したら、新入職員全員が会議室に集められます。時間になると人事の職員が現れ、研修内容についての説明をしてくれます。

私達の場合、初日に控えていた重大な儀式「辞令交付式」がありました。簡単に説明すると、辞令とは「あなたを〜に任命しますよ」といった事柄が書かれた証明書のような紙をいいます。この辞令を交付する式、それが「辞令交付式」なのです。

交付式には市長が参加するため、緊張感が一気に増します。

緊張の辞令交付式が終わると、配属される部署に挨拶のため出向きます。人事によれば部署の雰囲気を体験し、スムーズに仕事をしてもらおうと毎年行っているそうです。

昼休みを挟んだ後、午後からは研修が始まります。この日は公務員が守るべき法律や、自治体の条例の説明を受けました。

14時からは自治体の課題や現状を中心とした解説を。地方は人口減少が顕著に現れており、人口をどう増やすべきかと討論も行われました。

給料や手当、福利厚生の説明が15時から行われ、手当の不正受給が相次いでいるということも触れられました。

私が個人的に驚いたのは、16時からの手話講座。
公務員は耳の聞こえない人とも関わることが多く、手話の他にも接し方や注意点も学習しました。

2日目は市内にある施設などを見学。昼食の後も見学が続きました。市役所に戻ってからは障害者に関する研修、市の組織構造の説明を受けました。


研修折り返しの3日目は1日中マナー・ビジネス講座を受講しました。挨拶のマナーから言葉遣い、名刺の渡し方まで細かく指導を受け、社会人としての心構えを習得。

4日目は起案講座からスタート。11時からは市役所独自の会計システムの説明会が行われました。会計システムは複雑で、私を含め皆がてこずっていました。その後はサークルの説明(野球部、テニス部などがありました。)を受け、年金についての細かい解説もしていただきました。

キーワードチェック:起案

市役所で文書(市役所内で回す文書や外に出す文書)を作成する際、その文書の案(下書き)を作ること。

最終日の5日目は労働組合、職員互助会(ホテルに安く泊まれる特典などの利点がある)の説明を受けました。午後からは公務員の犯罪、心構えについても学習。市役所職員は市民の模範となる立場なので、日常生活もしっかりと過ごすよう指導を受けました。

研修の最後は防災・救急救命講習。地震、土砂災害などで避難所の開設が必要になった場合、市役所職員をはじめ公務員は真っ先に出動しなければなりません。

万が一避難所を開設したときに備えて、職員1人1人が担当する避難所と役割があらかじめ決められていて、災害が発生した際にはすぐ駆けつけられるようなシステムになっているのです。

講習ではこれらの詳しい区分けの他、心臓マッサージの方法を一通り学びました。

そして研修は全て終了。皆で飲み会に行き、親睦を深めて帰宅。

研修を一通り全て振り返ってみると、私が想像したよりも短く、少し物足りなかったように感じました。

研修の期間

研修の期間は私の市役所の場合、1週間でした。

友人に聞いてみたところ、1ヵ月間研修だったとも聞いており、その市役所で研修期間は異なるのではないかと予想できます。

研修時の服装

服装については実際に市役所で働く際に着るスーツ、ブラウスなどを着用していた職員が多かったように感じます。

働く際に着る服装と同じ服を着るのがベストだと思います。

2020年、新型コロナウイルスの影響と研修の変化

2019年の末から発生した新型コロナウイルス。わが国においても新型コロナウイルスの感染者が急増し、不安になった方も多いのではないでしょうか。

市役所においても新型コロナウイルス対策のため、フェイスシールドを装着して職務に当たったり、換気を頻繁に行ったりといった感染対策が取られるようになっています。

そこで新型コロナウィルスの影響が研修にどこまでの変化を及ぼしているのかについて、いくつかの例を挙げながら考えていきます。

オンライン研修

ある職員達は関東の会場で研修を受ける予定でした。その数はなんと1000人以上。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、三密を防ぐ必要があるのにも関わらず、研修を通常通り行う姿勢に反発が相次ぎました。

結局、沢山の批判があったからなのか、人を集めた研修は行われず、録画した動画を視聴しながら学習するオンライン研修へと変更されました。

研修が中止・延期の場合も

ある市役所では4月に研修を行う予定でしたが、緊急事態宣言の影響もあり、延期。しかし東京をはじめとした感染者が激増したため、再延期となりました。

最後にはそのまま研修の目処がつかなくなり、研修は中止となりました。ただし研修を一切開催しない訳ではなく、新型コロナウイルスの影響が排除されるのを待ち、影響がなくなり次第、研修を行う可能性があるとのことでした。


さいごに

公務員の研修についてここまで解説してきました。少しだけでもイメージができたでしょうか。

これから公務員になる、転職で公務員になる、研修の内容が気になる人など、疑問を解決できましたか。

コロナ禍の中でいかに知恵を絞り、この時期を乗り切るかが今後大切になると考えられます。

ときには勉強だけではなく、こういった勉強以外の情報も息抜きのつもりで得るようにしましょう。

まとめ - 編集部より

以上、「公務員の研修について解説 - 服装、期間、内容など」でした。

研修の内容だけにとどまらず、研修の期間や服装まで、多岐に渡って体験談をお聞きすることができました。

新型コロナウイルスの影響で研修のあり方が変化しており、今後は今までのような研修は行えないかもしれませんが、公務員を目指す方はぜひ、これからの日本を背負う気持ちで研修に挑んでください。

本記事は、2020年9月30日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

元・公務員のライターです。
公務員総研では、公務員採用試験合格のための問題集の選び方や勉強方法についての記事を書いています。小林英介名義で、noteやブログも運営しています。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 来月から公務員になるので大変参考になりました。
    ありがとうございます。

    ちなみに、私の働く自治体では3月の最終週に1週間研修があります(辞令交付は4月1日)。
    この時期に研修を行うのは一般的ですか?(4月1日以降も予定表では研修がありました)

    • コメントありがとうございます。

      入職前の研修のことを「事前研修」「内定者研修」等と呼びますが、この研修に関しては、行う自治体と行わない自治体があります。賃金や手当が発生しない場合は、原則として任意参加のようですが、多くの場合、よほどの理由がない限り参加するのが一般的のようです。参考になれば幸いです。

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