獣医系の大学は全国に16校しかありません!
国家資格「獣医師」は「農林水産省」が認定を行なう国家資格です。取得するためには、定められた獣医系の大学を卒業し、国家試験に合格することが必要です。
この、獣医系の大学、なんと全国に16しかありません。国立大学が10校、公立大学が1校、私立大学が5校です。入学するためには医学部と同等レベルの学力が必要です。近年のペットブームや畜産分野における獣医師の不足から獣医師の需要は高まっており、将来性のある仕事です。また、医学部や薬学部同様、6年制というのも獣医学部(獣医学科)の特徴です。
獣医師免許のための国家試験は年に1回です
この獣医師の国家試験は、通常、毎年2月に2日間の日程で行なわれます。試験会場は東京、福岡、北海道の3箇所で、希望する試験地で受験することが出来ます。受験資格は獣医系の大学を卒業しているか、その年度に卒業見込みであることです。
合格率は、第67回(平成27年度)試験の結果で約80%でした。高い数値のように感じるかもしれませんが、受験している人は獣医師を志すレベルの高い人ばかりであり、試験の難易度は非常に高いです。この年度は、東京農工大学(新卒)が36人受験して全員合格し100%でした。
※合格率に関する参考データ記事:http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/tikusui/pdf/160311-03.pdf
獣医師国家試験の試験内容は?
試験内容は「必須問題試験」と「学説試験」、「実地試験」で構成されています。
「学説試験」には学説試験AとBがあり、Aでは獣医学の基本的事項に関する問題が出題され、Bでは衛生学や臨床的事項について出題されます。
「実地試験」では衛生学と獣医師の臨床的事項について出題されます。合格基準に関して明確な規定はありませんが、おおよそ6割以上の正解率で合格することが出来るとされています。
獣医師国家試験の受験者数と合格率は?
毎年の受験者数は1200人から1300人となっており、近年はほとんど変化がない状態です。全国にある大学の数が限られているため、今後も同じような人数で推移することが予想されます。毎年の合格率に注目してみると、75%から85%の間で推移しています。平均すると約80%の合格率ということが出来ます。新卒と既卒者とを比較した場合には、新卒者が90%前後の合格率なのに対し、既卒者は40%前後の合格率となっています。獣医師の国家試験は再チャレンジによる合格は難しく、いかに新卒で合格することが重要かということが言えます。
獣医学部・獣医学科をもつ大学の一覧です
それでは、獣医師になるための進学先である、獣医学部または獣医学科のある大学についてご紹介します。
▼国立大学(10校)
北海道大学 獣医学部(北海道)
東京大学 農学部(東京都)
東京農工大学 農学部(東京都)
鳥取大学 農学部(鳥取県)
宮崎大学 農学部(宮崎県)
山口大学 共同獣医学部(山口県)
岩手大学 農学部 (岩手県)
帯広畜産大学 畜産学部(北海道)
岐阜大学 応用生物科学部(岐阜県)
鹿児島大学 共同獣医学部(鹿児島県)
▼公立大学(1校)
大阪府立大学 生命環境科学部(大阪府)
▼私立大学(5校)
麻布大学 獣医学部(神奈川県)
北里大学 獣医学部(東京都)
日本大学 生物資源科学部(東京都)
日本獣医生命科学大学 獣医学部(東京都)
酪農学園大学 獣医学群(北海道)
まとめ
獣医師は個人診療所を中心に、都道府県などの自治体や畜産関係、一般企業などにおいて高い需要がある仕事です。動物が好きで動物の命を救いたいという強い気持ちを持った人は挑戦してみてはいかがでしょうか。
コメント
コメント一覧 (2件)
獣医師を目指すには全国にわずか16の大学しかないことに驚きました。昨今のペットブームを考えると、今後需要が高まる職業なので、より身近な資格になると感じます。新卒者と既卒者の合格率に大きな開きがある理由を知りたいと思いました。
まず獣医師の資格を取ることができる学校が全国に16校と少ないことに驚いた。合格率は80%以上と、自分が思ってた以上に高く、新卒者のほうが高いことが意外だった。