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【アメリカ州制度】アメリカがスタートした場所「マサチューセッツ州」解説

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マサチューセッツ州


イギリスからやってきた白人たちが到着し、実質的にアメリカがスタートした場所と言えるマサチューセッツ州ですが、経済や教育などあらゆる面でアメリカのトップクラスの州です。

なかでも有名なハーバード大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)があるのもマサチューセッツ州です。アメリカのなかでも非常に狭い面積でありながら、多くの人が生活している人口密集地のマサチューセッツ州は「アメリカの原点」という歴史があります。今回はそんなマサチューセッツ州についてご紹介します。

目次

マサチューセッツ州の特徴

2018年時点でのマサチューセッツ州の総人口は約686万人です。1980年代から緩やかに人口増加を続けていますが、その大半は州都のボストンに集中しています。州民の80パーセントは白人種で、黒人は10パーセント以下とされており、白人が多いことが特徴と言えます。

マサチューセッツ州の面積の大きさはアメリカ50州のなかでも44番目で、非常に狭いものの人口が集中していることから東京に似ていると言えます。アメリカ最高峰の教育機関を始め、最先端技術の研究所などが数多く点在しています。また、古くから政治色も強く、かのケネディ大統領や、親子二代で大統領になったアダム親子などの出身地でもあります。

マサチューセッツ州は最高峰の教育機関、最先端の経済、強い政治色などが特徴ではありますが、自然環境にも恵まれています。大西洋に突き出すように伸びるケープコッド半島は氷河の浸食によって出来た美しい海岸線で観光地として有名です。肘を曲げた腕のように見えるこの半島周辺ではクジラの群れを見られるため、都市圏でありながら自然環境が残されている珍しい場所です。

マサチューセッツ州の特徴のなかでも教育は特筆すべき項目です。アメリカ最高峰の大学であるハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、ボストン大学などに限らず、1635年に創立されたアメリカで最初の公立学校のボストン・ラテン・スクールなど教育そのものに歴史があることが特徴です。

マサチューセッツ州は、19世紀に起きたアメリカ産業革命の中心地でもありました。とくにボストン周辺では繊維業や靴の生産が行われ、スプリングフィールドでは製紙業が発展しました。マサチューセッツ州での工業発展はアメリカ全土に広がり、マサチューセッツ州はアメリカ産業革命の先駆けとされています。

この産業革命時代から栄えた繊維産業、靴製造などは20世紀後半に失速しますが、アメリカに与えた影響は大きく、現在でもアメリカのドル紙幣に使われている紙はマサチューセッツ州のダルトンにあるクレイン製紙が製造しています。マサチューセッツ州は教育だけでなく、経済発展でも影響力があると言えます。

このようにマサチューセッツ州は、歴史、教育、経済、政治などあらゆる分野においてアメリカの原点であることが特徴です。

マサチューセッツ州の歴史

マサチューセッツ州は、1788年に6番目の州として認められました。1620年にイギリスから追われるようにしてやってきたプロテスタントが初めてアメリカ大陸に上陸した場所でもあります。

この時に乗っていた船の名前が「メイフラワー号」です。メイフラワー号が現在のマサチューセッツ州のプリマス港に到着したことが後に13植民地、アメリカ合衆国誕生へと繋がる原点と言われています。ちなみに、上陸の際に初めて踏んだとされる石は「プリマス・ロック」と呼ばれ、アメリカの原点を示すものとして保存されています。


プリマスの地に降りたプロテスタントはすぐに小さな政府を作り、新しい生活拠点を作ろうと考えていましたが、イギリスからの航海途中で天然痘が広まり、プリマスに到着後は乗組員の看病に追われてしまいます。その時に、手を貸したのが先住民族のインディアンでした。

白人が開拓を始める前まではワンパノアグ族、マサチューセッツ族、モヒカン族などのインディアンがこの地で生活をしていました。当時、ワンパノアグ族の首長だったマサソイトは突然やってきた白人に物心両面で協力し、多くの白人の命を救った人物です。

さらに、飢えや病気で苦しむ白人に農作物の栽培や食料の調達法などの手ほどきをしたのもマサソイトでした。1621年にはプロテスタントとの間で平和条約を結び、良好な関係を築きました。

イギリスから追われたプロテスタントはマサチューセッツの地でも自分たちの信仰心を大切にし、インディアンに対しても布教活動をしました。この結果、ワンパノアグ族などのインディアンは改宗し「祈るインディアン」と呼ばれるようになります。マサチューセッツの地で始まったこのような背景が、今日まで続くアメリカの信仰心の強さの原点になっているのです。

インディアンと白人開拓者の関係は生活面でも信仰の面でも良好でしたが、次第に開拓者が増え始めインディアンの土地を支配する動きが活発化します。どのインディアン部族にとっても土地は「共有財産」でしたが、開拓者によって明確に所有者を決められていきます。「契約」という概念すら持たないインディアンは強引に契約を結ばれ、生活拠点を奪われていきました。

白人開拓者による暴挙はインディアンの怒りを買い、1675年にマサチューセッツやコネチカットを舞台に「フィリップ王戦争」が起こります。白人開拓者は4,000人以上のインディアンを殺害し、白人を助けたマサソイトがいたワンパノアグ族のメタコメット首長を殺害したことで終結しました。

1685年、イギリスでカトリック教徒のジェームズ2世が王位に就き、プロテスタントが築いたマサチューセッツ湾植民地は終わります。現在のマサチューセッツ州やメイン州などを含む一帯をまとめて「ニューイングランド」とし、イギリスの領土になりました。

1775年にマサチューセッツはイギリスの支配に反対し独立を目指します。また、イギリス政府もマサチューセッツがイギリスに対抗しているとし、武器の剥奪を名目に兵を送ります。その際に起きた衝突(レキシントン・コンコードの戦い)が、後にアメリカ独立戦争に繋がります。マサチューセッツはアメリカ独立戦争においても起点だったと言えます。

1776年7月4日、フィラデルフィアにおいてマサチューセッツを含む13植民地はイギリスからの独立を宣言し、アメリカ合衆国が誕生します。この独立宣言に始めに署名したのがマサチューセッツのジョン・ハンコックです。

マサチューセッツは、開拓者が初めて足を踏み入れた場所であり、インディアンとの良好な関係が崩れてしまった場所でもあります。また、アメリカが独立をする際の中心地だったことも覚えておくといいでしょう。

マサチューセッツ州の政治情勢

マサチューセッツ州では2012年、2016年いずれの大統領選でも民主党を支持しています。「マサチューセッツ・リベラル」という言葉があるほどに自由を強く信じる人が多く、圧倒的に民主党が強い州であることが特徴です。

1980年代から今日まで大統領選の際に、共和党の票は30パーセント代に留まり、民主党の票は常に60パーセント以上が続いています。アメリカのなかでも非常に民主党が強い、リベラルな州として知っておくといいでしょう。

マサチューセッツ州の経済

2018年時点、マサチューセッツ州の失業率は3.5パーセントです。アメリカ産業革命の先駆けだったマサチューセッツですが、古くは農業と漁業が主産業でしたが、近代では教育、医療、金融、ハイテク産業が中心になっており、なかでも教育はアメリカで最高峰です。

アメリカのあらゆる歴史や文化が集結していることから、観光地としての人気もあり、サービス業も盛んです。また、アメリカのなかでもトップ3に入るほど一人当たりの平均年収が高い州であることも特徴です。

マサチューセッツ州の税金

2018年時点で、マサチューセッツ州の消費税は6.25パーセントです。連邦税のみがかかり、ほとんどの地域で地方税は加算されません。都市部にしては珍しく、食料品は非課税であることや、衣料についても一定額以下であれば非課税です。ただし、個人の所得税は5.25パーセントの定率がかかります。


マサチューセッツ州の銃や薬物問題

マサチューセッツ州は娯楽用でのマリファナは合法です。2008年には少量のマリファナであれば犯罪にはならないという州法を住民投票で成立させました。リベラルな風潮が後押しした結果と言えます。

銃に対する取り組み格付けは「A-」とされており、州民10万人に対して銃犯罪の犠牲者は3人という極めて低い数値です。マサチューセッツ州は、アメリカ50州のなかで銃による犠牲者が最も少ない州です。

マサチューセッツ州の教育または宗教事情

マサチューセッツ州の教育水準はアメリカで1位です。とくに大学は名門校が多く、ハーバード大学、MITだけでなく、入学が最も難しいとされるウィリアムズ大学などがあります。アメリカではマサチューセッツ州にある大学を卒業しているというだけで高ステータスと見られるほどです。

マサチューセッツ州はキリスト教のプロテスタントが築いた場所ですが、現在ではヨーロッパからの移民も増えたため、カトリックが半数以上とされています。無宗教の人は7パーセント以下のため、リベラルながら信仰心が強い州と言えます。

まとめ

マサチューセッツ州は開拓が始まった場所であることや、歴史が古い教育機関が多いことなど、今日まで続くアメリカ史における「アメリカの原点」と言える州です。アメリカの歴史を知るうえで重要な州ですので覚えておくといいでしょう。

本記事は、2018年10月8日時点調査または公開された情報です。
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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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