はじめに
「岐阜県」の「市民病院」で働く看護師(女性)によるキャリアレポートです。
- レポート者のプロフィール
- 公務員としての職業・勤務先:看護師(岐阜県市民病院勤務)
性別:女性
雇用体系:正規雇用
所有資格:自動車運転免許、正看護師免許、保健師免許
「市民病院で働く看護師」を目指した理由
私が中学生の頃、祖父が亡くなりました。入院中にお見舞いに行き、病院で働く看護師の姿が印象的でした。人の為になる仕事をしたいと思い、看護師を目指しました。
「市民病院で働く看護師」の仕事内容について
消化器内科病棟の看護師は、内視鏡治療や抗がん剤治療を受ける患者様や、食べることが出来ず点滴が必要な患者様などの援助を行います。
内視鏡治療とは、手術の適応外の患者様を対象に胃カメラなどの内視鏡を使って治療を行うことを言います。手術とは違い傷が無く入院期間も長くはありませんが、傷がないからこそ腹腔内で出血や炎症が起きていないかなど異常がないかを慎重に把握し、異常時には早めの対応が必要となります。体温や血圧などを測り、腹部の聴診や触診、食事摂取量、痛みの部位や程度などを注意深く観察します。
抗がん剤治療を受ける患者様には、抗がん剤が漏れていないか、抗がん剤による副作用の症状がないか、などを確認しながら点滴投与を行います。また、抗がん剤治療をされる方の多くは、効果が出るかどうか、副作用症状は出ないかなどの不安を持ち続けており、精神的フォローを行います。
ガンの末期の方も多く、本人や家族の望む最期を過ごせるよう援助します。少ない時間でも思い入れのある自宅で過ごせるよう点滴や薬の調整をしたり、家族と散歩に行けるよう車椅子への乗り移りを介助したりします。
「市民病院で働く看護師」の1日の仕事の流れ
日勤の場合
7時20分、自宅を出て車通勤
7時40分、病院到着し電子カルテで情報収集
8時、始業、担当患者様へ挨拶
8時15分、朝礼
8時半、点滴準備
8時50分、担当患者様のバイタルサイン測定や点滴実施
10時、担当患者様のシャワー介助やオムツ交換
11時半~13時半、ペアと交代でお昼休憩(60分)、患者様の食事や内服介助
13時半、担当患者様のバイタルサイン測定や点滴実施
15時、担当患者様の記録
16時、担当患者様の点滴実施
17時、担当患者様のオムツ交換
18時、担当患者様の食事や内服介助
18時半、終業
夜勤の場合
17時半、自宅を出て車通勤
17時50分、病院到着し電子カルテで情報収集
18時15分、始業、点滴準備
18時45分、患者様のバイタルサイン測定や点滴実施、オムツ交換
20時半、翌日の書類準備や点滴準備
21時、就寝前の内服介助
21時半、翌日の書類準備や点滴準備、30分ずつ交代でご飯休憩
23時半、看護必要度の見直しと集計
0時、点滴実施、オムツ交換
1時、担当患者様の記録
2時、ナースコール対応しながら翌日の書類準備や内服準備、病棟の物品の整理、60分ずつ交代で休憩
3時、巡視、オムツ交換
5時、朝の栄養剤投与
6時、採血、担当患者様のバイタルサイン測定、オムツ交換
7時半、食事や内服介助
8時15分、終業
「市民病院で働く看護師」の給料・残業・有給休暇について
基本給約23万その他手当や残業代込みで、月の総支給額が約35万、手取り28万程度でした。
残業は月に10時間程度でした。ボーナスは夏冬ともに総支給額が約50万、手取りが43万程度でした。年収500万強でした。
誕生日休暇や夏季休暇は取れますが、人手不足で有給はほとんど消化できていません。
この仕事で、働いているときに困ったこと
日勤と夜勤の重なる時間が15分ずつしかなく、業務の移譲がしきれずサービス残業をしていました。
勤務時間が一般的な公務員と違い日勤終了が遅くなるので、子どもを預けて働く看護師は迎えの時間に余裕がなく働きづらい環境でした。
市民病院なので市の他のサービスと連携が取れると良いのですが、市の医師会との連携が不十分で、カンファレンスなども少ないと感じました。経営状況が思わしくなく、病院の利益を上げるために患者様を他の病棟へ転棟させないといけないことが多く、患者様の負担なのではと感じました。
この仕事や職場でよかったこと
公務員のため福利厚生が良いです。基本給は比較的高く、残業が少ない月でも給与は安定しています。アパートの家賃補助制度や共済貯金もあり、金銭面での安定が図れます。
公務員のため勤務が整っており、休日は必ず規定数以上確保されています。夜勤の後に日勤など、負担のかかる勤務はありません。新人教育制度や委員会活動など、組織としての制度も整っています。
大学院補助制度や認定看護師補助制度もあり、就職後もスキルアップできるようフォローがあります。
「市民病院で働く看護師」の仕事エピソード
私の親と同世代で状態が悪く、最後の入院となった患者様を担当し、とても大変だけれど貴重な経験をしました。まだ若く意識もはっきりしていたため、病気の進行をしっかり自覚されており、日々不安の訴えをされていました。
最初は受容できず、家族の前では気丈に振る舞いスタッフには苛立ちをぶつけたりという姿がありました。かける言葉に迷いながらも患者様の思いを聞き、少しでも望む最期を迎えられるよう心がけました。
呼吸状態が不安定な中でも、家族と散歩に行けるよう主治医と相談し薬剤の調整を依頼したり、痛む部分をさすったりしました。患者様やご家族から、あなたが担当でよかったとお言葉を頂き感動しました。
「市民病院で働く看護師」の職場恋愛について
看護師同士、看護師と医者、看護師とリハビリスタッフなどの職場恋愛がたまにありますが、職場内では気まずさもあり件数としては多くないです。結婚まで進む方はほとんどいないに等しいです。
同期同士の結婚も件数としては少ないです。看護学生の頃から付き合っており、仕事に慣れ生活が落ち着いてきたらそのままゴールインという方が多いです。友達や同期を通しての飲み会や紹介で出会い、お付き合いや結婚される方が次に多いです。
まとめ ー「市民病院で働く看護師」を目指す方へメッセージ
大変だけどやりがいのある仕事です。
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