「新卒入社してよかった会社ランキング」は中央省庁も調査対象
2019年10月23日に、「新卒入社してよかった会社ランキング」を、企業情報サイトの「OpenWork」を運営するオープンワーク社が発表しました。
この「新卒入社してよかった会社ランキング」は単に民間会社のランキングというわけではなく、中央省庁の若手職員の回答も集計しているようです。
そのランキングに、他の省庁や名だたる有名企業をおさえて10位に入ったのが経済産業省の外局である「特許庁」です。
国家公務員については10位の「特許庁」が最も順位が高く、入庁してよかった省庁だと感じる職員が多いようです。
「特許庁」は他の「国家公務員」と待遇面は同じ
ランキング入りするということは、「国家公務員」のうち「特許庁」に勤務している職員だけ特別に待遇がよいのか、というとそういうわけではありません。
「国家公務員」の給料と、休暇などの待遇は、「国家公務員法」によって定められており、どの省庁に勤めていても同じです。
「特許庁」が「入庁してよかった」と思わせる秘密は、仕事の内容や働きやすさにあるようです。
残業向きではない「特許庁」の仕事
「特許庁」の働きやすさのひとつとしてあげられるのが、業務内容が残業向きではないという点です。
「特許庁」の主な業務である、申請された技術や商品等に特許を出すかどうかを見極めるための「審査業務」は、集中力が必要な業務です。
特許が認められるかどうかは企業の社運を占うというほど重要な場合もあるため、「特許審査官」の業務を任された場合は、集中し、かつ効率よく1件1件の申請について審査しています。
そのような集中が必要な業務のため、長時間だらだらと続けてしまうとミスも生まれたり、効率が悪くなったりすることは望ましくありません。
そのため、審査業務は特に短期集中型で行なっているほか、審査以外の業務に携わる職員でも、週に1回は定時退社日を設けたり、月に1回は休暇取得日を設けたりするよう呼びかけているようです。
「特許庁」は、「個」の力の集合体
また、「特許審査官」は基本的に独立して業務を行う仕事だという特徴があります。
「特許庁」では、「特許審査官」をはじめ、独立して業務を行う慣例があります。
個人単位で業務のペースやスケジュールを設定できることは、就職後の満足度にも繋がっているようです。
例えば、チームでの業務をしていると、会議や打ち合わせなど、他の職員のスケジュールに合わせなくてはならず、自分のルーチンワークは後回し、というケースが多くなりがちです。
しかし、「特許庁」では個人単位で業務の計画を立てることができるため、定時に退社するかどうかも自分次第ですし、有給休暇が比較的取得しやすくなります。
個人が独立して業務を行なっているとはいえ、特許申請について判断が難しい場合には他の「特許審査官」と、この特許申請は妥当か、ということを議論できる環境も当然あります。
手厚い研修と、個人の計画が尊重される職場環境が、「入庁してよかった」という満足感に繋がっています。
職員一人一人が独立して仕事をするため上下関係が気にならない
「特許庁」の独立した業務形式は、休暇がとりやすいというだけでなく、上下関係が気にならないという利点もあるようです。
「国家公務員」の中でも実力主義という面があるので、たとえ後輩であっても、先輩と対等に議論することができます。
入庁当初には先輩審査官によるしっかりとした研修がありますので、その時には上下関係を意識する場面もあるかと思いますが、一人前の「特許審査官」として独立して担当を持つ頃には、上下関係を意識せずに、意見交換ができるようになると言われています。
まとめ
このページでは、オープンワーク社による「入社してよかった会社ランキング」に、中央官庁のうち唯一ランクインした「特許庁」をご紹介しました。
「国家公務員」の給与や休暇など待遇についてはどの省庁も同じはずなのに、なぜ「特許庁」だけがランクインしているかという理由は、仕事内容や組織のあり方に特徴があり、働きやすい省庁になっているところにあるようです。
「特許庁」は最新の発明や技術に一般の人より早く触れ、その権利を守ることで、日本経済や産業の発展に貢献しています。
日々新しいものに出会えて、それを保護するという刺激的で責任感のある仕事内容と、個の力を活かした独立した業務のやり方が働きやすさとなり、「入庁してよかった」という多くの若手職員の回答に繋がっているのだと思われます。
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