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女性は公務員になりやすい?女性の国家公務員一般職試験合格者過去最高に

2019年、女性の国家公務員一般職試験の合格者が、過去最高になりました。かつては男性の多い職場でしたが、今、公務員を目指し、そして公務員として働く女性が増えています。

今回は、データを検証しながら「女性は公務員になりやすいのか」というテーマについてまとめます。

2019年10月30日更新

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目次
はじめに
採用者に占める女性の割合の推移
女性の公務員合格倍率について
女性活用を推進する政府
女性が公務員として働くメリット
まとめ

はじめに

「人事院」の発表によると、2019年の国家公務員一般職(大卒程度)の合格者7,605人のうち女性は2,839人で全体の37.3%となりました。女性の公務員合格者の人数、割合は過去最高を記録して、近年は女性の採用が増加する傾向があります。

ネット記事などを見ると、女性の社会進出を推進するために、女性を積極的に採用していると言われています。

本記事では本当に女性の方が公務員になりやすいのかについてデータをもとに検証し、なぜ女性の方が有利だと言われるのか、女性が公務員になるメリットについて考察します。

採用者に占める女性の割合の推移

まずは採用者に占める女性の割合から女性の採用傾向について分析します。

国家公務員の女性採用割合は15年間で約4割増し

出典)https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/jinji_w5.html

上の図は「内閣人事局」がまとめた各省庁で働く公務員の国家公務員採用試験からの採用者に占める女性の割合の推移を示したデータです。

平成17年は女性の割合が25.5%だったのに対して、平成31年には35.4%と38.8%増加しています。さらに組織の中核になる総合職については59.1%増加しています。

▼詳細:データでみる女性の活躍状況
https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/jinji_w5.html

地方公務員の女性の採用割合は3割増し

出典)http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r01/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-01-07.html

上の図は「内閣府」が発表している「男女共同参画白書」で発表されている地方公務員採用者に占める女性の割合を示した表です。都道府県全体としては平成15年の27.0%から平成29年度は35.1%まで30%増加しています。

ただし、政令指定都市の場合は平成15年には女性の割合50.2%だったのに対して、平成29年には45.7%ということで減少しています。

▼詳細:地方公務員採用者に占める女性の割合の推移
http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r01/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-01-07.html

全体として女性の採用割合は高まる傾向にある

国家公務員・地方公務員共に女性の採用割合の推移について紹介しましたが、国家・地方に関わらず、女性の採用割合が高まっていることが読み取れます。

政令指定都市はピークから減少していますが、元の割合が高いので現代においても十分に採用されやすいと言えるでしょう。

女性の公務員合格倍率について

公務員における女性の採用比率が高まっていることは説明したとおりですが、女性の方が試験に合格しやすいのでしょうか。国家公務員の合格倍率という観点から女性の採用されやすさについて分析します。

筆記試験さえ合格すれば面接は有利

参考)https://www.jinji.go.jp/hakusho/pdf/30_1-3-1.pdf

上の表は国家公務員の採用倍率についてまとめた表です。合格倍率とは公務員試験に合格して「人事院」の採用予定者名簿に載るための倍率、採用倍率とは「人事院」の採用予定者名簿に載ってそこから実際に内定を貰える倍率のことを指します。

表を見ればわかるとおり、女性は合格倍率が高いけれども、採用倍率は低い傾向にあります。一般職ではわずかに女性の方が倍率が高いだけですが、総合職では女性の方が採用されやすい傾向が顕著に読み取れます。

筆記試験なので男女の性別による不利は発生しないと考えられるので合格倍率については男女で有利・不利は発生していないと考えられます。筆記試験だけ突破して、面接に進めば女性の方が通過率は高く有利です。

なぜ女性の採用割合が3~4割程度にとどまっているのか

女性の方が面接を通過しやすいのになぜ女性の採用割合が3~4割程度にとどまっているかと言えば、原因は女性の受験生の少なさにあります。

たとえば、平成29年度の国家公務員試験申込者69,691名に対して、女性の申込者は24,157名と全体の34.7%しかいません。また、平成28年度は33.4%、平成27年度は33.1%となっています。

女性の公務員が少ないように見えますが、受験者自体が少ないことに原因があると考えられます。

▼詳細:平成30年度公務員白書
https://www.jinji.go.jp/hakusho/pdf/30_1-3-1.pdf

女性活用を推進する政府

政府は女性の社会進出を推進しようとしています。政府の女性活用政策について説明します。

女性指導者の割合30%を目指す政府

政府は2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%にすることを目標にしています。指導的地位とは議会議員、法人などにおける課長相当職以上、医師・弁護士などの特に専門性が高い職業のことを指します。

薬剤師など一部の職業はこの目標を設定した時点で目標の30%を超えていましたが、実際に30%をすべての職種で超えるのは容易ではありません。

たとえば、国家公務員の本省課室長相当職及び指定職の占める女性の割合は2018年時点で3.9%、本省課長補佐相当職は4.9%となっており、目標達成は非常に困難な状況となっています。

目標を設定したからといって、目標に合わせて組織は急には変われない、そもそも国家公務員試験の受験者数の時点で男性と比べて女性は低いことを考えれば、構造的に難しいことが分かります。

ポジティブ・アクションで女性の管理職を増やす

指導的地位に就く女性を増やすために政府は「ポジティブ・アクション」を推進しています。

ポジティブ・アクションとは一般的に社会的に不利な立場に置かれている属性の人に対して、あえて優遇措置を取ることによって、実質的なスタートラインを平等にしようとする取り組みのことを指します。

具体的には、採用や役職に関して一定の人数や比率を割り当てるクォーター制度、目標と期間を設定して実現に向けて努力するゴール・アンド・タイムテーブル方式などの手法があります。

女性活用に対する補助金制度

自ら目標を設定した政府ですら30%を達成するのは困難なのに、ましてや民間企業が女性を積極的に採用時に優遇するインセンティブはありません。経営戦略に応じて性別に関係なく必要なく必要な人材を採用するはずです。

よって、政府は民間企業も女性を積極的に採用・管理職に登用するように補助金などを整備しています。

たとえば、「女性活躍加速化助成金(両立支援等助成金)」という助成金があります。この補助金は企業が自社の女性活用に関する状況を分析し、数値目標を盛り込んだ事業計画を作成して、実際に目標を達成すれば助成金がもらえるというものです。

また、女性の活躍に関して特に有効な取り組みをしている企業については優良企業として「えるぼし」という認定を厚生労働大臣から受けられます。

他にも政府経営の日本政策金融公庫では、女性、若者/シニア起業家支援資金という融資制度があり女性の起業を促していますし、地方自治体も独自の女性活用のための制度を用意していたりします。

女性が公務員として働くメリット

民間企業に就職すると出産・育児などによって一時的にキャリアに穴をあけなければならなかったり、男女で給与格差が多かったりと何かと働きにくいことがあります。

民間企業と比較すると公務員は女性でも働きやすいといわれています。女性が公務員として働くメリットについて紹介します。

充実の育児休業制度

国家公務員が育児休業する場合の制度は充実しています。

まず、育児休業が可能な期間は子どもが3歳になるまでと民間企業と比較すると長期間の育休取得が可能です。また、期間中給与は支払われませんが、育児休業手当金という名目で給料の50%程度の手当ても受け取ることができます。

さらに職場に復帰した後も早出遅出勤務、子の看護休暇、フレックスタイム制などこどもが6歳になるまでさまざまな育児をサポートする制度が充実しています。

もちろん、女性だけではなく男性も育児休業を取得できます。男性の育休取得率は10%程度ですが、女性の育児休業取得率はほぼ100%ということで、大抵の職場で育休が取得しやすい環境が整っていると考えられます。

▼詳細:育児・介護のための両立支援ハンドブック
https://www.jinji.go.jp/ikuzi/handbook.pdf

テレワークも徐々に増加

女性が働きやすい環境を整えるためにもう1つ重要なのがテレワークです。テレワークが可能になれば、在宅で育児などをしながら仕事をしやすくなります。

平成30年度の公務員のテレワーク実績は9,868人だと報告されています。実施対象者の要件は拡大傾向にあり、公務員の中でテレワーク可能なのは50,457人なので約2割の職員がテレワークで働いていることになります。

資料作成やオンライン職員研修の受講などが主で、半日や時間単位でテレワークを行うケースも増加しています。

テレワークが可能になったことにより、育児・介護が必要になっても就業継続が可能になった、妊娠期間中の通勤負担が軽減されたなどのメリットが報告されています。

▼詳細:平成30年度国家公務員テレワーク実績等の結果概要
https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/telework_jisseki_2018.pdf

男女で給与格差が付きにくい

一般的に民間企業では男性と女性に給与格差があります。特に年齢を重ねるとその傾向は顕著で、男性は年齢と共に年収が高くなる傾向があるのに対して、女性の給与の上昇幅は低く、一定の年齢で頭打ちになるケースが多いです。

民間企業と比較して、国家公務員の場合は給与格差が少ないと言われています。もちろん、担当している仕事や能力などによっても異なりますが、女性でも年齢を重ねるごとに昇給していき、女性が就職する職業としては高めの年収が期待できます。

女性が安定して高年収を狙うのならば公務員は良い職業だと言えます。

身分が安定している

民間企業と比較して身分が安定していることも、女性が公務員になるメリットです。出産や育児などによって長期休業しても職場に復帰しやすいです。

また、民間企業のように倒産することもありませんし、歩合などの要素も少なく、業績に給与が連動することもないので給料も安定しています。

1つの職場でじっくりと長期的なキャリア形成を行いたいのならば公務員は良い仕事だと言えます。

ただし、国家公務員の場合、職種によっては都道府県をまたぐ転勤を定期的に行わなければならない可能性があるので注意してください。

まとめ

政府が女性活用を推進しているおかげもあってか、筆記試験さえ突破すれば面接以降の採用試験は女性の方が通過率は高い傾向にあります。

一般的には公務員といえば、男性の方が多い職場ですが、女性の公務員試験受験者自体が少ないだけなので、決して女性が試験で不利に扱われているわけではありません。

むしろ公務員は女性が働くにあたってはとても良い職場です。民間企業と比較すると給与は安定しており男女の給与格差も少ないし、倒産する心配もありません。

また、育児休業制度も充実しており、長期間手当をもらいながら休業出来て、なおかつ職場復帰後にもいろいろなサポートが受けられます。

女性が公務員になりやすいという傾向は今後も続くと考えられるので、女性にとってねらい目の就職先だと考えられます。

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