MENU

【アメリカ州制度】メキシコとの繋がりの深い州「カリフォルニア州」解説

当ページのリンクには広告が含まれています。
カリフォルニア州の位置


日本人にとって非常に馴染み深い州と言えるカリフォルニア州は、アメリカだけなく世界中からあらゆる業界のトップが集まるという、超がつくほど有名な州と言えるでしょう。

いまでこそ人気で有名なカリフォルニア州ですが、実はもともとはメキシコの領土だったことはあまり知られていません。現代でもメキシコとの繋がりが深い州のひとつで、多くのメキシコ人が生活をしています。

今回は、日本人を始め多くのアジア系の人種、メキシコ人など「西のニューヨーク」とも言われるほど発展したカリフォルニア州について、特徴や歴史も含めてご紹介します。

目次

カリフォルニア州の特徴

カリフォルニア州は総人口が約3,900万人で、10年ごとに300万人から400万人のペースで人口が増えています。アメリカのなかで最も人口が多い州としても知られ、日本人はおおよそ30万人近くが生活していると言われています。

急激なペースを維持したまま人口は増え続けており、税収やインフラ整備など様々な問題を引き起こしています。加えて、メキシコとの国境に面しており、アリゾナ州やテキサス州などと同様に不法移民の問題も抱えています。他州と比較して、多すぎる人口に頭を悩めている州とも言えるでしょう。

年間を通して温暖で雨が降らない気候は世界中の人を惹き付けており、ロサンゼルス、サンフランシスコ、サンディエゴ、アーバインなどあらゆる世界的な大都市が生まれ続けています。なかでもサンフランシスコは世界で最も家賃が高い街として知られており、1ベッドルームの平均家賃が月3,500ドル(テキサス州は700ドル程度)と尋常ではない不動産の高騰が続いています。

この背景に、サンフランシスコには世界的な大企業であるアップル、フェイスブック、ネットフリックスなどが拠点を構えており、IT系のエンジニアや関連企業が世界中から集まっていることが関係しています。

アメリカ人の夢ともされているマイホームの価格も異常値で、テキサス州では3,000万円以下で買えるような3LDKの一戸建てが、カリフォルニア州では最低でも1億円以上すると言われています。このように生活拠点となる家を構えられないため、アメリカで最も生活し辛い州という声もあるほどです。

カリフォルニア州には日系の企業が多く進出していることも特徴です。とくに1986年から1990年のバブル期に、サービス業、製造業、輸送業、商社がこぞって進出し、その7割以上がロサンゼルスに拠点を構えているほどです。2011年から2015年にも、バブル期と同数ほどの日系企業がカリフォルニア州に進出しており、大半はIT業が占めています。

カリフォルニア州は、アメリカのなかでも最も人口が多く、不動産が高騰しています。そして、その背景には世界的なIT業界の中枢が集まっていることがあることを知っておくといいでしょう。

カリフォルニア州の歴史

カリフォルニア州は、1850年にアメリカの31番目の州として正式に認められました。18世紀頃まではスペインの植民地でしたが、1821年にメキシコが「第一メキシコ帝国」として共和国の位置づけで保有していました。


カリフォルニア州がメキシコの領土だった当時、メキシコはスペインからの独立革命を成し遂げ、長い戦いだったため人員も予算も不足していました。ちょうどその頃、東海岸から南下してきていた白人の開拓者たちは現在のテキサス州に目をつけ、領土主であるメキシコともめて、後に米墨戦争に繋がります。

1846年、疲弊しきっていたメキシコとアメリカが戦った米墨戦争でアメリカは勝利します。1847年1月、カリフォルニア州を征服したアメリカ軍は、翌年に戦争を締結し、現在のカリフォルニア、ネバダ、ユタ、アリゾナ、ニューメキシコ、ワイオミング、コロラドの領土を割譲または管理権というかたちで手に入れます。対価として現金1,500万ドルと325万ドルの債券を放棄することが条件でした。

メキシコにとっては不利な条件で、アメリカにとっては念願だった西海岸の土地を手に入れられたのです。これによりアメリカは太平洋への進出が叶ったのでした。現代でもロサンゼルスやサンフランシスコは世界有数の貿易地として、アメリカ西海岸の要となっています。

米墨戦争はテキサス州の領土主張がきっかけでしたが、アメリカは結果的に西海岸そして太平洋への足がかりを手に入れることになったのです。カリフォルニア州を手に入れたことは、アメリカの世界進出を意味していることでもあったのです。

アメリカはカリフォルニア州を手に入れた1年後には、カリフォルニア州でのゴールドラッシュ、さらに、テキサス州での油田発見が続きました。このことから、カリフォルニア州はアメリカにとって経済的な大きなメリットをもたらせた歴史があるのです。

カリフォルニア州の政治情勢

カリフォルニア州は2012年と2016年の大統領選の際には民主党を支持しています。カリフォルニア州では、保守的な政策を好む南部の州とは異なり、自由な政策を好む人が多いのが特徴です。

その背景として、移民が多い州ということが挙げられるでしょう。移民や労働者などの弱者の声を聞いてくれる州という特徴もあるため、ほとんどの企業には労働組合などがあるのも典型です。リベラルな姿勢は、2018年1月にはマリファナを合法化したことにも現れています。

カリフォルニア州の経済

カリフォルニア州の失業率は4.9パーセントで、アメリカの平均値4.1パーセントよりもわずかに高い数値です。リーマンショック後の2010年には12パーセントという最悪の数値を記録しましたが、徐々に回復傾向にあります。

カリフォルニア州のサラリーマン平均年収は約5万6千ドルで、アメリカのなかでもトップ10に入るほどの年収の高さです。州の平均所得は4万ドルほどですが、富裕層になると15万ドル程度とされており、人口が多いことも影響していますが、貧富の差が大きいのも特徴です。

国内総生産は2兆ドル近くあり、アメリカで最も高くアメリカのGDPの13パーセント程度を占めています。仮に、カリフォルニア州がひとつの国であった場合、世界で7位から10位に入るほどです。

カリフォルニア州はまさにアメリカの経済拠点と言えるでしょう。

カリフォルニア州の税金

2018年時点のカリフォルニア州の消費税は8.54パーセントです。州税が7.25パーセントに加えて、地方税の平均が1.29パーセントです。ただし、地域によっては地方税が高く、観光地として有名なサンタモニカでは10パーセント、ロサンゼルスでは9.55パーセントかかります。

カリフォルニア州の消費税はアメリカのなかでトップ10に入るほど高く、所得税は累進課税制で最高が9.3パーセントと他州よりも割高です。税収の大半は一部の富裕層からの税金とされており、税収不足は慢性的な問題になっています。

カリフォルニア州の銃や薬物問題

カリフォルニア州ではマリファナは全面的に解禁されています。記憶に新しい2018年1月から完全解禁され、慢性的な税収不足や犯罪率の低下に貢献すると期待されています。観光客も多いカリフォルニア州がマリファナを解禁したことはアメリカでも話題になり、リベラルな州は追随するとされています。

カリフォルニア州は銃に対する州法が厳しく、購入時には入念なバックグラウンドチェックや、ライフルなど殺傷能力が高い物の規制、さらには銃の紛失などの虚偽報告にも罰則を加えるなど、アメリカのなかで最も銃に関する規制が厳しい州として、最高ランクのA評価を得ています。


これらの取り組みは、2015年に同州で発生した14名が亡くなり、17名が重軽傷を負ったサンバーナーディーノ銃乱射事件がきっかけになっています。

カリフォルニア州の教育または宗教事情

カリフォルニア州の教育水準は短大や4年生大学では全米でトップ5に入るほど高いとされていますが、小学校以下の幼児教育においては 最低ランクになっています。

日本からの留学生の大半がカリフォルニアかニューヨークに留学するように、優秀な学生が州外から集まりやすく、教育水準を押し上げています。反対に、カリフォルニア州で生まれ育った子供は、財政難の影響で休講や学校閉鎖、スクールバスサービスの提供中止など、環境面での問題が指摘されています。

カリフォルニア州の宗教は、他民族文化が色濃いため、キリスト教が多いものの、無宗教が20パーセントを超えています。アメリカのなかでは無宗教の人が多い、珍しいケースです。

まとめ

カリフォルニア州は日本人にとって非常に馴染み深い州と言えるでしょうが、実際に生活するには高騰が続く不動産、高い物価と税金、慢性的な渋滞など、簡単ではないでしょう。しかし、カリフォルニア州には世界的な大都市が多く、日本からのアクセスも良いため「アメリカンドリーム」を叶えようとする人が集まる場所でもあるのです。

そんなカリフォルニア州ですが、メキシコとの戦争で勝利したことで手に入れた土地で、アメリカが太平洋へ進出する際の念願の土地だった歴史があります。さらに、アメリカが世界を代表する国になった経済拠点でもありました。

アメリカにとってカリフォルニア州は、西の要と言える大きな存在なのです。

本記事は、2018年8月2日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

コメント

コメントする

目次