緊急避妊薬“処方箋なしで”一部薬局で試験的販売へ(2023年7月6日情報)

公務員総研の行政・社会ニュース紹介、今回は「緊急避妊薬」についてです。


「緊急避妊薬」一部薬局で夏ごろから試験販売へ

2023年6月26日、厚生労働省が「緊急避妊薬」医師の処方箋がなくても購入できるようにすることについて、一定の要件を満たす薬局で早ければ夏ごろから試験的に販売を行う調査研究を始める方針を示したというニュースがありました。

緊急避妊薬とは?

緊急避妊薬は、緊急避妊ピル、アフターピルともよばれています。

避妊しないセックスをした、コンドームが破けた、ピルを飲み忘れたなど、「妊娠するかも」と思ったら、72 時間以内に緊急避妊薬を1回飲むだけで、80%は妊娠を避けることができるとのことで、副作用はほとんどなく軽い吐き気などがある人がいるそうです。

排卵を抑制する、排卵を遅らせる、受精を妨げる、子宮への受精卵の着床を阻止するなどの効果がありますが、中絶薬ではないので、着床が完了してからでは効力はなく、効果は100%ではないとのことです。

排卵を遅らせることもありますので、緊急避妊ピルを飲んだあとのセックスで妊娠することもあるそうです。

参考)日本産科婦人科学会のサイト:https://www.jaog.or.jp/qa/youth/jyosei200122/

緊急避妊薬がどのような薬なのかNHKのツイッターでは1分で紹介されています。

緊急避妊に係る取組

緊急避妊に係る取組について、厚生労働省のサイトより施策をご紹介します。

緊急避妊薬は、性交後72時間以内に内服する必要性があり、迅速な対応が求められるものの、地方において産婦人科を受診しにくい状況や、デートレイプを含む犯罪などが関係する場合などにおいてもアクセスがしにくいという指摘があります。
一方で、緊急避妊薬を処方すべきかの判断は過去の月経などの情報を的確に聴取し判断する必要があるとされています。(日本産科婦人科学会「緊急避妊法の適正使用に関する指針」)
出典)厚生労働省のサイト:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000186912_00002.html

厚生労働相のサイトには、緊急避妊を希望する方が医療機関を選択する際の参考となるよう、緊急避妊にかかる対面診療が可能な産婦人科医療機関等の一覧が掲載されています。

また、オンライン診療で緊急避妊に係る診療を行うことについて、一定の要件に加え、産婦人科医又は厚生労働省が指定する研修を受講した医師が、初診からオンライン診療を行うことは許容されうることとしているとのことです。

参考)厚生労働省のサイト:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000186912_00002.html


緊急避妊薬“処方箋なしで”一部薬局で試験的販売へ

「緊急避妊薬」は現在は“医師による処方”が必要です。

悪用や乱用されるおそれがあるなどとして、日本国内では医師による処方が必要で薬局では購入できないため、支援団体は夜間や休日ですぐに受診できなかったり、性被害に遭って受診をためらったりしているうちに妊娠し、中絶手術を余儀なくされる人も少なくないとして、薬局での販売解禁を求めているそうです。

厚生労働省は2023年6月26日に開かれた専門家の検討会で、一定の要件を満たす薬局で試験的に販売を行いながら、医師の処方箋がなくても適正に販売できるかを検証する調査研究を始める方針を示しました。

販売を行うのは緊急避妊薬を調剤した実績がある薬局を中心にする予定で、研修を修了した薬剤師が販売にあたることなどの条件を満たす薬局を地域ごとに選定する方針とのことです。

参考)厚生労働省のサイト:https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198111_00023.html
NHKのサイト:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230626/k10014109421000.html

みんなの反応・SNSの反応

「緊急避妊薬」の試験販売についてのTwitterでの反応をいくつかご紹介します。自分の体のことを自分で決められる国になってほしいや、ついに日本でもや薬局が少ないなどの声がありました。

本記事は、2023年7月19日時点調査または公開された情報です。
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