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【県庁職員に聞きました!】県庁出納局の仕事について

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目次

はじめに

私は、新卒である地方の県庁職員(行政職)となり、約6年間の勤務を経て現在は民間企業で働いている者です。私の経験から県庁出納局の仕事についてご紹介します。

県庁出納局とは?

出納と聞いて何のこと?と思う方は多いと思います。公務員や経理の世界以外ではほとんど聞かない言葉だと思います。

出納を一言で表現すると現金の管理のことで、出納局では県庁における現金の管理役、金庫番の仕事をしています。

と言っても、本物の現金を県庁の金庫で保管していることは基本的になく、多くの企業と同じように銀行に預けています。ですから、出納局では県が銀行に預けているお金の出し入れに関して責任を持って管理している役割だということになります。

通常、企業でも同様ですが、大きな組織では費用を執行する担当者と、実際に銀行に預けている現金を出し入れする担当者つまり預金通帳を持つ担当者を分けることが一般的です。

これは前者の費用執行担当者が、後者の現金を出し入れできる権限まで持っていると、自分の都合で好きに費用・現金を使ってしまうことができてしまうためです。反対に後者の預金通帳を持つ担当者が、費用執行の権限まで持っていても同様のことが起こり得ます。これらの場合、最悪担当者が不正な支出をしても組織的に気付くできません。

そこで、企業や行政機関ではそれを防ぐため、お金を使う権限を持つ部署と、現金を出し入れする権限を持つ部署を分けることで、どちらか一方だけでは費用執行・現金支出ができないようにダブルチェックできる体制を敷いています。県庁の出納局は後者の担当組織ということになります。

県庁出納局での主な仕事

出納局の仕事は各都道府県庁によって細かく違いはあるものの、主に以下の仕事を行っています。

仕事その1)会計審査

各行政領域で施策の執行を担う部署(これを県庁では「事業課」「原課」と言います)が実行しようとする費用支出に対して、手続きが県の会計制度等に照らして適正か?支払先に齟齬がないか?などを審査します。事業課・原課から回ってくる膨大な量の会計伝票を日々チェックし、問題がなければ実際の支出手続きを行います。

仕事その2)資金管理・運用

県の預金口座を管理し、日々行われる入金・出金をモニターします。特に先々の入金・出金の時期や金額を予め把握しておくことで、すぐに使わない現金はより金利の良い手段で運用するなど、より効率的な資金運用を指向します。

仕事その3)会計指導

県の会計規則等を管理し、行政環境の変化で必要が生じた場合にはその規則等の改訂を行います。また、事業課・原課からの会計手続きに関する問い合わせへの対応や庁内の会計研修を行います。


仕事その4)物品調達

行政事務を進めるにあたって庁内で必要なデスク用品から公用車まで様々な物品の調達を集中的に行っています。

仕事その5)給与・通勤費支払い

県職員の給与・通勤費・諸手当のほか、外部有識者等への報償費の支払手続きなどを行います。また、これに伴う所得税や住民税などの徴収と支払いなども行います。

いずれも税金を原資とする公金の執行に関わるとても慎重さの必要となる大切な仕事です。

県庁出納局の仕事に向くのはこんな人

県庁出納局の仕事は、行政上の施策を実際に遂行する事業課・原課の仕事と違って、必ずしも華やかさはありませんが、上記の通り公金を直接に扱いますので絶対にミスが許されないものになります。

したがって、細かな内容にも目が行き届いて間違いに気づく、見落とさないような仕事ぶりの方が向いていると言えます。

また、定型的な業務となりやすいため、ルーティンワークであっても苦にならない、むしろ好むような方が馴染みやすいです。年度末はどうしても支払手続きが増えるため、チェックすべき伝票の量が増えて繁忙期となりますが、そのほかの時期は比較的落ち着いてワークライフバランスを確保しやすい環境であるのも利点です。

反対にルーティンワークが苦手な方には日々が苦痛に感じる可能性があり、そういった方は事業課・原課の仕事の方が合うでしょう。

私の知る限り、実際に出納局に配属されている方は、派手さや大胆さこそなくとも、細かく慎重に仕事のできる優秀な方が多い印象でした。

ところで、出納局では会計規則等に関する知識・理解が不可欠になります。このため配属された場合はこれを細かく学ぶことになります。

一方の事業課・原課においても会計規則等に関する知識は仕事をする上でのベースとなるものです。なぜならば、行政施策の執行は半分以上が費用支出を伴うものだからです。

このため、出納局での業務は自治体で働く上で基本となる知識を細かく学べる環境とも言え、特に若手には有効な配属とも考えられます。

まとめ

以上、一般的な県庁出納局の仕事についてご紹介しました。

金銭の管理が主な仕事なので、苦手な人もいれば、逆に得意な人もいると思います。自分の得意分野を見極めたうえで、配属先のひとつとしてお考え下さい。

本記事は、2021年3月7日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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