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【県庁職員に聞きました!】民間企業と比べた「県庁」の職場事情について

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県庁職員に聞きました


目次

はじめに

今回は、新卒である地方の県庁職員(行政職)となり、約6年間の勤務を経て現在は民間企業で働いているAさんに、「民間企業と比べた県庁の職場事情」についてインタビューしたので、ご紹介します。

求められる働き方 -「紙とハンコの文化」と「スタンプラリー」

私のいた県庁の働き方を一言で表すと「紙とハンコの文化」でした。民間企業では経費節約や働き方改革の一環での業務効率化から「ペーパーレス化」を促進していますが、根強く紙の書類が大量に存在しています。

例として、組織としての意思決定を行う際の稟議書は、私が現在所属する民間企業ではシステム内で登録・送信し、受信者はシステム内で閲覧・承認を行うのに対して、県庁ではシステム内で入力した文書を紙に打ち出し、自身のハンコを突いた上で関係者に順番にハンコをもらう、いわゆる「スタンプラリー」を行っていました。

また、会議を行うときは、民間企業ではノートPCやタブレットでカラーで作成されたパワーポイントのスライドをメンバーで共有するのに対して、県庁では会議の出席者全員分の紙資料を配布してしていました。紙は白黒印刷が一般的でしたので絵図は少なく、ワードでの文字と表での表現が中心でした。資料の記載ミスがあると手書きで修正したり印刷のし直しをしたりしますので、効率性は低かったと思います。

さらに、県庁では紙資料を重視するためメールでのコミュニケーションをあまりしないのも特徴的で、メールはもっぱら文書ファイルの送受信のために用いるといった位置づけでした。必要な情報は対面、電話、メールの優先順位で伝達するといった慣習が強かったです。加えて個人メールアドレスのほか組織メールアドレスがあり、オフィシャルなものは組織メールアドレスを使って連絡するのが共通認識でした。

このように一見非効率な働き方は見られますが、一方でその背景には「個人でなく組織で仕事をする」というスタンスが強固であるがゆえと考えています。

県庁では公文書開示請求により、過去・現在の意思決定をどのようにしたのかについて住民の方などから資料開示を求められることがあります。担当者1人で物事を進めていくのでなく、客観的かつ合理的な意思決定を組織として公明正大に行っていくことが県庁で求められる働き方と言えます。

人間関係 – 意外と多い転職組

意外かもしれませんが、県庁には意外と転職して働いている方が少なくありません。民間等での職務経験〇年以上といった条件を付した中途採用の枠も設けられていますが、概ね30歳ほどまで新規採用として新卒者と同様の採用枠で入庁することが可能です。

このため、閉鎖的な組織、人材構成に見られがちですが、ベースとして一定数生え抜き以外の方がいらっしゃり多様性があります。感覚として、よく聞くような新卒者と転職者のキャリアアップ上の区別や職場での差別的扱いはないように感じていました。

県庁の人間関係を語る上で欠かせないのが庁内の部活動やスポーツ大会です。もちろんオフィシャルなものでなく非公式なサークル活動のようなものですが、庁舎ごと、組織ごとで野球やサッカーチームが組まれ、全庁でのトーナメント戦などが行われています。

私が出先機関に配属されていたときには1時間の昼休みの間に庁舎から程近いグラウンドへ庁舎の半数近い職員が毎日サッカーの練習を行いにいっていました。週末を使って何週間かに掛けて行われる大会前には特に熱が入っていました。


とりわけ出世コースと呼ばれる部署に行くには、〇〇部に入部して顔を広めておくと有利といったような噂もありましたので、ただのスポーツ懇親会といった側面だけではなかったかもしれません。

休み方 – やはり取りやすい有給休暇

一般的に時間の融通が利きやすく有給休暇を使いやすいのが県庁のメリットであったように思います。

今の民間企業ではシフト勤務の部署があり、有給休暇を取るには1ヶ月前申請が原則といったスタイルもありますが、そういった形式面の制約を持つ職場は少ないと考えるからです。

加えて、1時間単位の有給休暇も可能で、例えば知人とのランチのためお昼休みと1時間の有給休暇を重ねてゆっくり食事を摂るといった使い方もよくありました。庁舎に歯科医や診療所があり、1時間休暇を取って寄るという活用の仕方もできました。

一方、人員効率化の流れで職員定数を減らしていたこともあり、業務量が少なくない部署はやはりありました。場合によっては平日の残業に加え休日出勤をしている職員もまま見られました。更に予算上限により残業代が不足するような場合は、残業代が付かずサービス残業となることも私は経験しました。

とはいえ、そこは個人の仕事の捌き方による部分もありますし、使いやすい有給休暇制度に加え、柔軟な働き方を検討していく世間的流れもあるため、今後働きやすさはより改善される余地が十分あると考えられます。特に働き方の改善は行政が積極的に世間に発信していかなければ、企業もその変化に付いて来てくれないため期待できるのではないかと考えます。

まとめ

以上、公務員と民間企業の両方の働き方を経験した筆者だからこそわかる、公務員特有の働き方についてご紹介しました。

特に休み方などは、まだまだ有給を消化しにくい企業もある中で、公務員は比較的有給が消化しやすいのが特徴だと思いました。

本記事は、2019年10月26日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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