東京都の若年女性支援、ずさんな制度運用「Colabo」監査で発覚と報道
2023年1月21日、東京都の若年女性支援、ずさんな制度運用「Colabo」監査で発覚したという産経新聞からニュース報道があり、話題になっていたのでご紹介します。
若年女性支援、ずさんな制度運用「Colabo」監査で発覚https://t.co/1dDJnWRiIt
税理士らへの不適切な報酬や領収書のない経費、1回当たりの支出が比較的高額で妥当性が疑われる食事代や宿泊代が一部計上されていると指摘。「実際とは異なる備品や購入していない備品」の存在も明らかにした
— 産経ニュース (@Sankei_news) January 21, 2023
住民監査請求とは?
住民監査請求(じゅうみんかんさせいきゅう)とは、東京都や●●市といった地方自治体に、「違法・不当な行為・必要な行為を怠る事実」にその担当する監査委員に対して、その行為に対する防止や是正やその他必要な措置を講じるよう請求することをいいます。
総務省では下記のように説明しています。
住民監査請求とは、地方公共団体の住民が当該団体の執行機関又は職員の違法又は不当な財務会計上の行為又は怠る事実について、これを予防し又は是正することで、住民全体の利益を守ることを目的とする制度。
請求をできる者は、法律上行為能力を認められている限り、自然人でも法人でも可能。1人であってもよい。
出典)総務省のサイト:https://www.soumu.go.jp/main_content/000071219.pdf
この監査請求の対象は、該当する普通地方公共団体の長、委員会、委員又は職員による違法・不当な財務会計上の行為又は財務に関する「怠る事実」についてで、具体的には以下の5つが定義されています。普通地方公共団体とは、わかりやすくいうと、都道府県や市町村のことです。
① 公金の支出
② 財産の取得・管理・処分
③ 契約の締結・履行
④ 債務その他の義務の負担
⑤ 公金の賦課・徴収を怠る事実又は財産の管理を怠る事実
参考)総務省のサイト:https://www.soumu.go.jp/main_content/000071219.pdf
若年被害女性等支援事業とは?
若年被害女性等支援事業は、厚生労働省が2021年(令和3年)4月1日より実施しているものです。
若年被害女性等支援事業は、様々な困難を抱えた若年女性について、公的機関と民間団体が密接に連携し、アウトリーチから居場所の確保、公的機関や施設への「つなぎ」を含めたアプローチを実施することにより、若年女性の自立の推進に資することを目的としています。
実施主体は、都道府県、指定都市、中核市及び一般市(特別区含む。)で、実施主体は事業の一部について、年間を通じて若年女性の支援を行う社会福祉法人、特定非営利活動法人(NPO法人)等(ただし、宗教活動や政治活動を主たる目的とする団体、暴力団及びその統制の下にある団体等を除く。)に委託等することができるそうです。
参考)厚生労働省のサイト:https://www.mhlw.go.jp/content/000967161.pdf
東京都:今回の住民監査請求の監査結果は、2023年2月28日までに不正がなかったといったことを客観的に検証可能にすること
2023年1月4日に東京都の監査事務より「東京都若年被害女性等支援事業について当該事業の受託者の会計報告に不正があるとして、当該報告について監査を求める住民監査請求の監査結果について」として、監査結果がPDFで報告されています。
監査結果の結論としては、令和5年2月28日までに監査対象局に対して、6つの措置を講じるようまとめています。第一項目である「本件契約に係る本事業の実施に必要な経費の実績額を再調査及び特定し、客観的に検証可能なものとすること。」という点で、不正の有無など客観的に検証できるようにするということで2月28日後の動きが注目されます。
住民監査請求の再調査の通知については、
勧告措置の締め切りが2月28日であるから、確認しそのあと発送することになるため、
3月はじめ頃の到着になり、いつかはお約束できない
また、監査請求の監査結果通知に倣って、請求人(僕)に通知されたあとで公表する予定である
だそうです— 暇空茜 (@himasoraakane) February 24, 2023
— 暇空茜 (@himasoraakane) February 27, 2023
本件で誤解がないようにしたいのは、今回の監査の対象はcolaboではなく行政=地方自治体である「東京都」に対してである点です。現状の都知事である小池百合子さんの動向なども注目されています。
PDF : https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2023/01/04/documents/02_01.pdf
令和3年度東京都若年被害女性等支援事業委託契約の委託料の精算には不当な点が認められ、その限りで本件請求には理由があるから、次に掲げる措置を講じることを勧告する。
1. 監査対象局は、本件契約に係る本事業の実施に必要な経費の実績額を再調査及び特定し、客観的に検証可能なものとすること。
2. 調査の結果、本事業として不適切と認められるものがある場合や委託料の過払いが認められる場合には、過去の事業年度についても精査を行うとともに、返還請求等の適切な措置を講じること。出典)https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2023/01/04/02.html
参考)https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2023/01/04/02.html
Colabo側の【弁護団声明】東京都に対する住民監査請求結果についての「違法行為は確認されず」報告
東京都の事業を受託した一般社団法人「Colabo(コラボ)」(仁藤夢乃代表)の会計処理に対し、住民監査請求が行われ、2022年12末に監査結果が示された件について、2023年1月4日付で、Colabo側は住民監査請求結果についての報告として、公式サイトに掲載しています。
内容としては「違法行為は確認されず」と報告しています。
しかし、後にご説明するとおり、そのほとんどは監査委員によって適切に退けられるに至りました。すなわち、本件監査においては、なんら違法行為は確認されず、監査請求人が主張した事実のほとんどは認定されませんでした。
出典)Colaboのサイト:https://colabo-official.net/wp-content/uploads/2023/01/20230104.pdf
ABEMA 変わる報道番組 #アベプラ【公式】 【Colabo】異例の勧告?再調査で疑念は?住民監査請求を読み解く動画が無料で公開
ABEMA 変わる報道番組にて、今回の住民監査請求についての報道がYOUTUBEで無料で閲覧できます。YOUTUBE上で、2023年1月10日に公開され、2023年2月25日時点で、約62万回、視聴されています。
キャスト MC:大空幸星 藤田孝典(NPOほっとプラス代表理事) 若原芳治(公認会計士/税理士) あおちゃんぺ(ギャルユニットBlack Diamondリーダー) 安部敏樹(一般社団法人リディラバ代表) ひかりんちょ(モチベーショナルスピーカー) 田中萌(テレビ朝日アナウンサー) 司会進行:平石直之(テレビ朝日アナウンサー) ナレーター:田所あずさ
みんなの反応・SNSの反応
東京都の若年女性支援について、Twitterでの反応をいくつかご紹介します。東京都に説明を求める声や、疑惑の解明を求める声などがありましたがデマや極端な行動なども散見され、冷静な対応をという声もあります。
11/29Colaboの記者会見動画と配付資料はここからhttps://t.co/WVoDpCN8AI
配付資料「Colabo及び仁藤夢乃さんに対する誹謗中傷等について」に「Q1~Q17」として、拡散中のデマへの説明があります。これを読めばとても悪質な言いがかり、難癖だとわかります。連ツイしますhttps://t.co/IJFmKS06d6 pic.twitter.com/7Id3EyhkrH— Colaboと仁藤夢乃さんを支える会 (@Colabomamorukai) November 29, 2022
東京都が、性暴力や虐待を受けた若年女性に対する支援事業の見直しに着手です
特定の民間団体と「委託契約」を結ぶ方式から、「補助制度」にしたいとの考えを示しました
制度改正で公金の運用はどう変わるのでしょうか#東京都#若年女性支援事業#Colabo #見直し#委託契約#補助制度 pic.twitter.com/kRoIgXmcrX— こちら夕刊フジ編集局 (@yukanfuji_hodo) February 22, 2023
【裁判費用カンパのお願い】
Colaboに対するデマや中傷が深刻で、それに扇動された人によるシェルターの特定やバスカフェへの妨害等が続き、女の子から「私たちが頼れる場所がなくなってしまわないか心配」という声も。女性に対するヘイトクライムを許さないと共に声をあげ、ご支援いただきたいです! https://t.co/Pi30EVnaxH— 仁藤夢乃 Yumeno Nito (@colabo_yumeno) February 10, 2023
https://twitter.com/akasayiigaremus/status/1628268885115031552「困っている若年被害女性等を支援することは大切であり重要」って言うけどさ。WBPCのどの支援が重要なの?
ブランドバッグ持ってる女の子に食料わんさか配ってコンドーム箱ごとあげて、パインあめ2個とか、アロマでリラックス、チラシばらまくことが重要だって言ってるの?
https://t.co/G8Xp3ALd4W— うさぽん (@airu_7272) February 22, 2023
すげええええええ!!!
2018年Colabo活動報告書、「本人から相談した0~5歳が4名」Colaboを知り相談にくる5才児ギフテッドだろ!?国で保護しようぜ pic.twitter.com/Ft9xXknxLH
— 暇空茜 (@himasoraakane) February 22, 2023
同感です#拡散希望︎ #Colabo問題 を追求しない東京都の対応は、どう見てもズブズブで証拠隠滅の手伝いしてるようにしか見えない#Colabo不正疑惑の徹底解明を求めます
マスコミは報道しないけど、colabo問題は寄付や支援団体全てが信用できなくなるレベルの話であり、これを放置してるのはおかしい https://t.co/9waboq2RRH— ナクシ@話の種を蒔いてみる (@nakusi2) February 13, 2023
なんでColaboの問題にむかつくかというと、東京中小企業振興公社に限らず、雇用系、中小企業庁系の助成金って七面倒臭い書類揃えてキッチリ審査があって、使った後も当然検査があって、そのあと入金って段取りで皆真面目にやってるからなんすよね。
他でやっている段取りを省く意味が全く分からない。 pic.twitter.com/lhdffygacy
— えびすい・Webのマーケ、制作、集客、ライティング、デザイン(ポップ、チラシ、ポスター)をする人。 (@ebyan2013) February 14, 2023
伊藤ゆう監査委員は、「会計報告に不正があった」というツイートをしましたが、後にこれを「訂正の上、削除」しています。
監査の評価としては、会計不正は確認されなかったためです。
訂正前のツイート画像が拡散してしまっているようですので、訂正されたことが拡散されてほしいです。 https://t.co/zd1TgudSfe— Colaboと仁藤夢乃さんを支える会 (@Colabomamorukai) February 23, 2023
こういう扇情的な釣り見出しやって多少増えるPVから得られる小銭と、これをやることで失う信頼や定期購読者を天秤にかけたら秒で後者の方が深刻ってわかる話だし「こんな見出し付けるなバカ」と言ってデスクが止めなきゃいけない案件ですねこれ。貧すれば鈍するを地でいっててつらいな……。 https://t.co/glc1OqkFgB
— 津田大介 (@tsuda) February 19, 2023
明日2/15のバスカフェは20-24時でオープン🚌新宿区役所前にて🌷
10代女性ならご飯、お菓子、服、コスメ、充電、Wi-Fi、妊娠検査薬ぜんぶ無料⭐️
アフターピルの処方や診察等について相談に乗ってくれる連携病院があります。家に帰れない時、状況に応じてホテルへの宿泊できます。気軽にきてね〜😊 pic.twitter.com/6jLEI5xFkQ
— Colabo*Tsubomi Cafe (@colabo_official) February 14, 2023
⬜️小池知事、Colabo問題に言及せず 東京都議会で一般質問https://t.co/O4KFtk4xx1
とても話題になっていることなのに…完全にスルーって、何か都合が悪いの?
— フィフィ (@FIFI_Egypt) February 24, 2023
東京都の若年被害女性等支援事業の契約がそもそもダメだと思うんだよな。
札幌市の方が東京都よりも仕様書の質が良い。
特に報告期限を年度内にしてる事が好印象(普通はそうなんだが…)。
colaboの件は東京都の責任がデカいよ。 pic.twitter.com/fKO5fK3E79— ヴォルヴィーノ@読書垢 (@dokushoa) February 25, 2023
https://twitter.com/big_lawfirm/status/1629359148679979008?s=20#Colabo とか #東京都知事 の #小池百合子 とかの関係。東京都 #福祉保健局 宛じゃなくて警視庁宛に出すべきやつじゃないのかな。 https://t.co/sesHLMaiIS
— 亀吉@駁尊 (@ichonan) February 25, 2023
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