MENU

外国人観光客が日本に来る理由と日本旅行ブームを見て考えること(2025年7月記事)

当ページのリンクには広告が含まれています。


日本は世界で最も魅力的で一生に一度は訪れたいと、世界中の国と地域の人々に言われています。今回数年ぶりに一時帰国して感じた日本の良さや、滞在して改めて気づいた点などについてお伝えしたいと思います。

(※アメリカ在住日本人レポートです。)

目次

アメリカ在住日本人の思う外国人が思う日本の魅力

外国人から見た日本の第一印象は、日本人はとても礼儀正しく清潔で、日本文化も他国ではあまり見られないほどの独自性に溢れている、そういった日本特有の環境に魅力を感じて日本を訪れる人が多いのは確かです。

日本の魅力その1:食文化

まず絶対に外せない日本文化といえば「食文化」です。日本食はユネスコ無形文化遺産にも登録され、世界的に広く浸透しています。私の住むアメリカでも、日本食の知名度は高く、今では大体どこのスーパーにもパック入りの寿司がデリコーナーに置いてあるのが普通になりましたが、ネタの種類が限られていて、巻き寿司に関しては丸ごと一本天ぷらにして、上からマヨネーズやスウィートチリソースがたっぷりかけられた、不思議寿司が主流となっています。

そんな不思議寿司が多いからこそ、本格的な日本食を味わいたい人達にとって食自体が、日本旅行をする理由になるのは当然の結果だと思います。日本の食は種類が豊富で、ラーメンや蕎麦など種類は同じでも、地域によって味付けや盛り付けが異なる「ご当地グルメ」を観光の目的として訪れ、一緒に地域の地酒や陶磁器など他の伝統文化も楽しめるのはとても魅力的です。

日本の魅力その2:日本旅行が世界を魅了するのは、円安の影響だけではない

航空券やホテル代、現地でのアクティビティや食事、お土産の購入など、海外旅行には結構な額のお金が必要になるので、日本の円安傾向はとてもありがたいです。しかし金額だけを考えれば、タイやベトナムなど東南アジアに行く方が安く観光できると思いますが、必ずしも治安が確保されているとは限りません。海外では一見安全に見える観光地にも、スリや置き引き、誘拐や詐欺(ぼったくり)などにあう危険が常に潜んでいます。その点日本なら、子供連れで混雑する観光地に行っても、気を付けなければならないのは迷子にならない事だけ。世界中どこを探しても日本以上に安全な環境が保たれている国はそうそうありません。だからこそ他の国に行くより多少旅費が高くても、円安で訪れやすくなった今がチャンスと訪日観光客が増えるのだと思います。

日本の魅力その3:有名観光地での多言語対応の充実ぶり

10年ほど前までの日本は、外国語表記が少なすぎるフリーWi-Fiがない国として有名でした。日本には行きたいけど、旅行中にトラブルに遭った時に現地の人とうまくコミュニケーションが取れるかどうかが心配で旅行に踏み切れない、という話もよく聞きました。しかし今回の日本滞在中、有名観光地での多言語対応の充実ぶりには目を見張るものがありました。

以前はチケット売り場などで受付の人に大声でまくしたてている中華系の観光客や、コミュニケーションがうまく取れずにオロオロしている欧米系の外国人をよく見掛けました。しかし今回の旅行中ものすごい数の外国人観光客がいる割に困っている人をあまり見かけなかったのは、英語表記の案内やスタッフによる外国語での丁寧な対応が活かされていたからだと思います。

日本のインバウンドが物凄いという話は聞いていましたが、今回の旅行で箱根・芦ノ湖周辺を訪れた際に実際目にすると、その数の多さに圧倒されました。芦ノ湖遊覧船乗り場に向かう道はもう外国のよう。しかし外国人だらけで大混雑している割に、現場は静かで秩序が保たれている印象を持ちました。その理由は大きな矢印がついた多言語表示の看板が幾つもあって、迷うことなく目的地に向かえるようになっていたのが大きいと思います。また列に並んでいる時は大声で話さない、食べ物を持って歩かない、などの注意事項が絵付きで表示されていたのも良かったと思います。

東京も広島も京都も、日本の主要観光地はどこも多言語化が進んでいて、日本語が話せない訪日外国人に対して言語が障壁にならない取り組みが積極的に行われているのは素晴らしいと思いました。また外国人でなくても、必要な情報をわかりやすく伝えてくれる案内板があるので、初めて訪れる街でスマホの地図アプリを使わなくても、迷わず目的地に辿り着けるのは安心感がありました。

改めておもう魅力に思うこと:卓越したおもてなし=日本人の我慢

日本にはチップを払うという文化が原則存在しないというのは世界的にも有名です。そのためチップなしで提供される最高のサービスや罰則がなくても清潔さが保たれる美しい街並みに憧れて、日本を訪れる外国人観光客も少なくありません。実際海外に住んでいると、日本に住んでいる日本人の優しさや思いやり、清潔さや町の安全性の高さなど、他の国とは全く違うレベルなのを実感します。


道端に置き去りにされたゴミを無言で片付ける人を見た外国人は、「日本人はなんて綺麗好きで素晴らしい!」と感激します。しかしゴミ拾いをしている人達がいることを知っていても、ゴミ箱が少ないからとか、ゴミの分別方法が難しすぎるなどと言って、結局ゴミを置き去りにしていく人があとを絶たないと聞きました。それでも街が綺麗なのは、そこに住んでいる住民が文句も言わずに片付けてくれているからこそ成り立っている部分が多いのだと思います。

観光地のゴミ問題だけではなく、新幹線の自由席チケットで指定席に座り続けようとする中華系のグループ、ロープウェイ待ちの行列で平然と横入りをしてくるヨーロッパ系家族旅行者、その横入りした人達に喧嘩腰に大声で抗議する別の外国人などなど、私が日本に滞在した数週間の間だけでも、マナーの悪い外国人観光客をなん度も目撃しました。そう言った迷惑外国人に対する批判コメントがSNS上に殺到しているのを見ると、観光地に住んでいる人達がどれほど外国人の迷惑行為に苦慮しているのかがわかります。それでも面と向かって抗議する人が少ないのは、日本人が優しくて寛容だからでなく、余計なトラブルを避けるためにじっと我慢しているだけで、いつか限界を迎えるはずです。

日本のマナーや慣習を完璧にマスターするのは、日本に住む日本人にとっても難しいと思います。全く異なる文化、考え方、環境からやって来た人達が、日本のルールをよく知らずに自覚なくマナー違反をしてしまうのは、ある意味当然のことなのかもしれません。しかし問題は、迷惑になると知りながら、このくらいやっても許してくれるだろうとタカを括って、故意にルール違反をする人達で、自分たちの国ではやらないような迷惑行為を日本に来てあえて行う人達には、強制力のある措置を取るべきだと思います。

近年日本は外国人観光客を増やす取り組みを積極的に行なっているようですが、肝心のオーバーツーリズム対策が未完成だから、市民が被る迷惑トラブルが雪だるま式に増えていくのではないかと個人的には思います。観光客の数が増えればトラブルの数も増えるのは当たり前。もし国が本気で観光立国を目指すのなら、企業や民間だけにトラブルの後始末を求めるのではなく、あまりにひどい迷惑行為をする人に対しては、断固とした姿勢を見せる必要があるのではないでしょうか。日本のおもてなしはあくまでもビジネスであることをしっかりと海外に示していかなければ、事態は悪化するばかり。そうならないための対策を国が真剣に検討する時期が来ているのではないでしょうか。

まとめ

外国人観光客が日本にくる理由は様々ですが、私の知る限り日本を訪れた人はみな一様に、日本は世界一魅力的な国と称賛してくれます。しかし日本に住む側からすれば、迷惑な外国人にはもう来てほしくないと思う気持ちもよくわかります。オーバーツーリズムが観光公害にならないよう、観光と暮らし双方共が犠牲にならない方策が求められていると感じます。

本記事は、2025年7月18日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

コメント

コメントする

目次