刑務官など矯正職員歴37年、現在里山で晴耕雨読を享受している元・国家公務員の小柴龍太郎さんのコラム「北朝鮮はかつての日本?」(平成28年1月12日)です。平成28年、新年早々の核実験についてのコラムです。
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新しい年が明けたと思ったら早々に北朝鮮が核実験を行った。
自らは初めて水爆の実験に成功したと鼻息が荒い。困ったものである。
当然、韓国をはじめ世界各国から非難され、これまでは北朝鮮寄りであった中国もいつになく怒っているようだ。日本も安保理を開催し、新たな制裁を科すことなどを先導して求めている。北朝鮮は国際社会を敵に回し、どんどん孤立を深めていっているように見える。
そんな中、ふと、この北朝鮮のことをかつての日本みたいだと言った人のことを想い出した。「かつての日本」とは、戦前の日本のことである。
誰だったかは忘れたが、要は、日本が満州事変を非難した国際連盟を昭和8年に脱退し、国際的な孤立を深めていって、遂には石油の輸入も止められて太平洋戦争に突入したことを指している。
昔のこととはいえ日本が北朝鮮と同じと言われるのは愉快ではないが、よくよく考えてみるとうまく反駁もできない。
「窮鼠猫を噛む」という。追い詰められてどうしようもなくなるとネズミだって猫に噛みつく。そんな経験を自らもした日本は、北朝鮮問題について独自の立ち位置があってもいいような気はする。
(文:小柴龍太郎 平成28年1月12日)
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