小柴龍太郎– tag –
刑務官など矯正職員歴37年、現在里山で晴耕雨読を享受している「小柴龍太郎」さんのエッセイ・コラム記事です。
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刑務官のコラム
世界から「審査」される日本の行刑 – 受刑者の人権について
「日本政府審査」 何とも仰々しいタイトルですが、別に奇をてらうようなものではなく、文字どおり、日本政府が世界各国から審査されるという意味です。具体的には、「国連人権理事会」において国連に加盟している各国から日本の人権状況について審査される... -
刑務官のコラム
【受刑者の大移動!】刑務所の引っ越し、病人受刑者をどのように護送したか
「東日本成人矯正医療センター運営開始」 この刑政には、平成30年1月、東京都昭島市に「東日本成人矯正医療センター」が開設されたことが紹介されています。八王子医療刑務所を同市に移転するとともに、医師や医療スタッフ、医療機器などを集中的にこの... -
刑務官のコラム
【再就職先も刑務官!】定年退職した後の「刑務官」の暮らしとは?
退職後をどう暮らすか? 「刑務官」が定年退職してもすぐには年金がもらえなくなって久しいものがあります。そうすると、年金が支給されるまでの間どのように暮らすのかが「刑務官」にとっても重要な問題になります。 中には再就職せずに、それまでに貯め... -
刑務官のコラム
【刑務所内における驚きの風景】刑務所の中を自転車が走る!?
刑務官が刑務所で自転車? 刑務官が刑務所の中で自転車に乗っているのを初めて見たときはびっくりしました。 普通自転車というのは道路を走るものです。それが刑務所の構内を走っている。銭湯に行ったらスーツを着てお風呂に入っている人がいたみたいに面... -
刑務官の仕事内容
法務省がどのようなことに力を入れようとしているのか?
刑務官が読む機関誌「刑政」(矯正協会発行、2018年6月号)に掲載された記事から興味深いものを紹介します。 「矯正運営の重点施策」とは 「刑政」では毎年1回、「平成○○年度矯正運営の重点施策について」という論文を掲載します。 法務省矯正局の高官が... -
刑務官の仕事内容
【日韓交流40年】日韓における受刑者処遇の違いについて
刑務官が読む機関誌「刑政」(矯正協会発行、2018年4月号)に掲載された記事から興味深いものを紹介します。 日韓矯正職員親善武道大会 日本と韓国との刑務官が武道大会を行っていることは、矯正界以外の人はほとんど知らないでしょう。しかし、昭和53... -
刑務官の仕事内容
【現場の発言】大阪刑務所と福岡刑務所の刑務官が語る現場の声
「現場の発言」 「刑政」には毎号、「現場の発言」というコーナーに現場職員の生の声が掲載されます。「刑政」の編集室がテーマを設けて、それに対して全国の矯正職員が自分の思いなどを披露するコーナーです。 読んでみると千差万別でひとくくりにはでき... -
刑務官のコラム
【再犯防止に向けた取り組み】婦女暴行の再犯率とその対策について
はじめに 忌まわしい犯罪とされるものの一つ、「強姦罪」。これは再犯率が高く、刑務所から出てきたらまたやるに違いない、と思われているようです。でも、実際の再犯率は約5パーセント。残りの95%は再犯しないのです。 これが事実なので、世間の人た... -
刑務官のコラム
地震が来たら刑務所へ行け? – 避難先としての「刑務所」
震災時の刑務所って? 関東大震災があった時は、受刑者が刑務所から大量に脱走したというデマが流れて住民がパニック状態になったと聞きます。さもありなんです。 しかし、現在の刑務所ではおよそそのような事態は考えられませんし、むしろ大地震などに被... -
刑務官の仕事内容
【刑務所を支えるボランティアの存在】篤志面接委員の活動とは?
刑務官が読む機関誌「刑政」(矯正協会発行、2018年4月号)に掲載された記事から「篤志面接委員」について紹介します。 篤志面接委員とは 「そういえば現役時代、刑務所などで働いているときは篤志面接委員さんにずいぶんお世話になったなあ」、と思い出... -
刑務官の仕事内容
局付検事の府中刑務所における実務研修での体験レポート!?
刑務官が読む機関誌「刑政」(矯正協会発行、2018年5月号)に掲載された記事から興味深いテーマ「局付検事」について紹介します。 検事が刑務官の服を着て刑務所の中へ 全国の刑務所などの運営を指揮監督している法務省矯正局には検察官も勤務しています... -
刑務官のコラム
【刑務官への感謝状】刑務官の能力が活かされた支援活動
避難者から刑務官への感謝状 東日本大震災で被災した宮城県の石巻での出来事。避難先の小学校に刑務官への感謝状が掲示されたことがありました。そこで支援活動をしていた刑務官に対して避難している方たちが感謝の気持ちを表したものです。 刑務官が被災... -
刑務官の仕事内容
【刑務所での障害者処遇】障害を持った受刑者の暮らし
刑務官が読む機関誌「刑政」(矯正協会発行、2018年4月号)に掲載された記事から興味深いものを紹介します。 障害のある受刑者はどれくらいいるか 刑政の4月号には播磨社会復帰促進センターの作業療法士である足立さんが書いた小論が掲載されています。... -
刑務官の仕事内容
【ワシントン州の刑務所で新たな取組】アメリカにおける興味深い刑務所運営
刑務官が読む機関誌「刑政」(矯正協会発行、2018年4月号)に掲載された記事から興味深いものを紹介します。 著者の大塚敦子さんについて 今回は、ジャーナリストの大塚敦子さんが刑政に寄稿した「刑務所に自然を持ち込む」と題する記事の紹介です。 大塚... -
刑務官のコラム
矯正協会に関する機関紙「刑政」と国内1つしかない「矯正図書館」とは?
刑務官が読む機関誌「刑政」(矯正協会発行、2018年3月号)に掲載された記事から興味深いものを紹介します。 3月号の最後は、矯正協会のことです。「平成二九年の矯正協会の事業を振り返って」と題する記事が目に止まりました。 「矯正協会」とは 矯正協... -
刑務官のコラム
【受刑者の服役生活に潤い!?】「塀の中の放送局」について
刑務官が読む機関誌「刑政」(矯正協会発行、2018年2月号)に掲載された記事から興味深いものを紹介します。 今回は、「塀の中の放送局」です。 「塀の中の放送局」について 刑政2月号では「矯正施設とコミュニティメディア」と題する特集記事を掲載してい... -
刑務官のコラム
【受刑者の就労支援の意味するところは?】「目で見る矯正」
「目」でみる矯正について これは、この「刑政」の冒頭に必ず掲載されるもので、最近の矯正事情をグラフから読み解く記事です。様々な統計数値をグラフ化して、そこから何が見えるのかを解説しており、分かりやすく、示唆に富むものです。 おそらく、刑務... -
刑務官のコラム
「開かれた刑務所」への動向と「矯正の回顧」について
刑務官が読む機関誌「刑政」(矯正協会発行、2018年3月号)に掲載された記事から興味深いものを紹介します。 今回は、「矯正の回顧」です。 「矯正の回顧」とは 「刑政」では毎年1回、前の年の主な動きを整理して「矯正の回顧」と題する小論を掲載してい... -
刑務官の給料・年収・働き方
【幹部刑務官の養成】「高等科研修員の生の声」とは?
刑務官が読む機関誌「刑政」(矯正協会発行、2018年2月号)に掲載された記事から興味深いものを紹介します。 昇任研修について この「刑政」には昇任研修の入所試験受験指導というコーナーがあります。刑務官の昇任研修というのは、係長クラス(副看守長)... -
刑務官のコラム
【受刑者の脱走騒ぎ!?】2018年4月 松山刑務所での逃走のニュース
このコラムを書いている2018年4月8日に、ある受刑者が松山刑務所の大井造船作業場から逃走するという事故が起きました。 なかなか捕まらないために、テレビ・ラジオでは連日トップニュースの一つとして報道される事態となりました。 受刑者の逃走(一般に... -
刑務官のコラム
刑務官の比較的新しい表彰制度「矯正局長表彰」とは?
刑務官が読む機関誌「刑政」(矯正協会発行、2018年3月号)に掲載された記事から興味深いものを紹介します。 今回は、「矯正局長表彰」という比較的新しい表彰制度についてのコラムです。 「矯正局長表彰」とは この刑政3月号では、平成12年12月、法... -
刑務官のコラム
【刑務官の新たな期待】「国際法務総合センター」が落成
刑務官が読む機関誌「刑政」(矯正協会発行、2018年3月号)に掲載された記事から興味深いものを紹介します。今回は、グラビア写真コーナーに掲載された「国際法務総合センター」のことです。 「国際法務総合センター」とは なんか、いかにも法務省らしい... -
刑務官のコラム
「福祉専門官のポスト」と「刑務所とハローワークの関係」について
刑務官が読む機関誌「刑政」(矯正協会発行、2018年1月号)に掲載された記事から興味深いものを紹介します。 この「刑政」では、毎年1回程度「会長を囲む座談会」という特集が組まれます。「会長」というのは矯正協会の会長のことであり、矯正協会とは刑務... -
刑務官のコラム
【受刑者の再入率は?】再犯防止に舵を切った「刑務所」について
刑務官が読む機関誌「刑政」(矯正協会発行、2018年3月号)に掲載された記事から興味深いものを紹介します。 「目でみる矯正」 「目で見る矯正」については以前にも紹介したことがありますが、矯正の現状をグラフで分かりやすく解説したものです。今回は... -
刑務官のコラム
「受刑者を雇いたい」という【協力雇用主】になるには?
はじめに ある日、会社の社長さんが刑務所に来て、「おたくの受刑者を何人か雇いたい」と言って刑務所に便宜を図ってくれるように求めました。受刑者が更生して社会復帰を果たすには、出所後に職を得て収入を確保することがとても重要ですので、有り難いお... -
刑務官のコラム
【日本の刑務官は世界一!?】そう言われる理由とは何か?
はじめに 折に触れて「日本の刑務官は世界一だ」というお褒めの言葉に接してきました。人によって理由は異なり、中には自画自賛的なものだったり根拠がよく分からないものもあったりするのですが,それを割り引いても日本の刑務官のレベルは世界的にかなり... -
刑務官のコラム
【母は死んで子を生かす…】矯正不能な受刑者はいない
刑務所での喪服休業 受刑者の親族が亡くなったことが分かると、刑務所では服喪休業の措置が取られます。作業に従事することを免じられて、自分の部屋で喪に服するのです。 ある日私が刑務所内を巡視して歩いていた時、一人嗚咽にむせんでいた受刑者の部屋... -
刑務官のコラム
【タタミを土足で…】刑務所にもある、日本人と外国人の感覚の違い
「外国の偉い方」の刑務所訪問 ある刑務所で働いていたとき、外国の偉い方の訪問を受けました。その刑務所にはその偉いさんの国の受刑者(外国人受刑者)も収容していましたので、自国民が適切に処遇されているかどうかを確認しに来たということでした。下... -
刑務官のコラム
【刑務所は刑務所を無くするためにある?】刑務所が目指す「異常なし!」
刑務所は犯罪を抑止する 刑務官になると早い段階で「刑は刑なきを期す」という言葉を学びます。これは孔子の言葉で、刑罰というものは刑罰が必要でなくなるようにすることが目的であるといったような意味です。何やら逆説的で、難しい言い回しですが、刑罰... -
刑務官のコラム
【刑務官が仁王さんを見て思うこと】仁王さんと刑務官は似た者同士
静かなお寺の異様な存在? お寺に行くと、参道の両側に仁王さんが立っていることがあります。正式には金剛力士像というのだそうですが、筋肉モリモリのマッチョマンで、顔はこれ以上やると壊れるのではないかと思うほど怖い表情をしています。静かで穏やか...