地方公務員である「市町村の職員」として働く上で、どのような知識・能力が必要となるのでしょうか。今回は、市町村職員としてずっと働いていく上で、大事な力4つをまとめました。これから目指す人も、現役の人も是非参考ください。
その1「使命感」ーその地域や住民の事を知ること
市町村職員にとって必要な知識とは一体何でしょうか。
まず市町村職員の仕事や使命について考えてみましょう。
市町村職員の使命は、一言でまとめると「市町村民がハッピーに生活できるようにサポートすること」です。ハッピーな生活の中には、健康であったり、経済的に不安が無かったり、安全で便利に暮らせたり、また自分が社会の一員として役割を持っているなど、本当に多種多様な要素が含まれています。そして個人の価値観によって、何が幸せかという事は異なっています。
具体的な市町村の仕事で言い換えると、例えば、健康増進のために保健師が健康教室や健診を実施し、経済的に困窮している人がいれば、生活保護なども視野に入れながらサポートをしていきます。安全で便利に暮らすために、道路や河川などの整備を行っていますし、趣味などを通して誰もが社会的つながりを持てるように、各種講習会を開催することもあります。
それらの具体的な事業を行う上で非常に重要となるのは、その土地ならではの視点です。例えば、その市町村の中核を担っている産業は何か、人口や世帯の構造はどうか(年齢分布、核家族が多いのか多世代家族が多いのか等)、どのような歴史的背景のある土地なのか、などを知る必要があるのです。
そのうえで、市町村が今抱えている問題を考え、また住民のニーズに応えるような事業内容を展開していかなければなりません。
つまり、市町村職員として第一に求められている知識とは、その地域や住民の事を知るという事なのです。
その2「法律や条例についての知識」
市役所職員は、法的根拠に基づいて仕事をしています。
例えば、建設工事で騒音や振動が発生する機械を用いる場合、施工業者は市町村長に「こんな工事をしますよ。こんな風に騒音防止対策を施す予定ですよ。」といった内容を届け出なければなりません。また、市町村はこの工事において、騒音などのトラブルが起こった際には、立ち入り調査をしたり、改善勧告を行ったりすることが出来ます。
この例では、市町村職員は「騒音規制法 特定建設作業に関する規制」に基づいて実務を行っています。このように法律の中に市町村職員の持っている権限(立ち入り調査や改善勧告を出す等々)や責任が謳われているのです。
よって、市町村の職員として働くには、法律の知識が必要となります。少なくとも、自分の担当している事務内容に関する法律については、その内容と市町村の役割を把握しておかなければなりません。
もちろん、市町村職員は法律の専門家ではありません。実際には、自分の事務の分野について、仕事をする中で勉強しています。これから市町村職員になりたい!という場合、法律の知識が必要というわけではありませんが、法文を読んで内容を読み解く力は必要です。法律の言い回しは独特なので、機会があれば法律や条例に目を通し、慣れ親しんでおくと良いでしょう。
また、法律以外にも各自治体で定めている条例があります。もちろん条例にも基づいて実務を行いますので、法律同様に知識を深めながら仕事をします。
その3「事務処理能力」 – ビジネス業界に劣らないPCスキル
その他に、一般的な事務処理能力は必要とされます。
例えば、エクセル、ワード、パワーポイントなどの基礎的なパソコン操作ができること、ビジネスマナーに基づいた電話応対や来客応対ができることなどが挙げられます。
事務処理能力に関しては、実際に働きだしてから身に付ける部分が大きいですし、特に新人のうちに研修などで勉強する機会が沢山設けられているので、職業年齢を重ねれば誰しもできるようになります。
その4「コミュニケーション力」
どんな職業であってもコミュニケーション力は必要ですが、特に市町村職員にはそれが求められています。
住民には高齢者もいれば子どももいます。また、社会的地位の高い人もいれば、経済的に困っている人もいます。一人一人違う個性をもった住民誰とでも、きちんとコミュニケーションがとれる力は、市町村職員にとって必須であると言えるでしょう。
まとめ
市町村職員にとってまず大切なことは、地域や住民のことを知ることです。そこから、より良い街づくりのために考え、行政に反映させることが求められます。また、実際に仕事をするにあたっては、法律や条例の根拠の中で動いています。
ここで述べた内容は、市役所職員であれば、どの職員であっても必要な知識です。この基本の上に、所属先や自分の担当の仕事内容に特化した知識を身に付けていくことが求められます。
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