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【エリカの部屋(8)】市役所あるある「時代錯誤の会議」をバッサリ斬る!

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目次

質問者(市役所勤務 女性) 市役所の「あるある話」を教えて!

英語教師、貿易実務、海外営業を経た後、30代前半で社会人枠の市役所採用試験を受け公務員へ転職した筆者が公務員にこれからなる方や現場の方からの質問や相談に本音トークで徹底回答していきます。民間と公務員を両方経験した筆者だからこそ語れる応援パワーを皆様にお届けします。

第八回の質問は、「市役所のあるある話を教えて!」です。それでは、エリカ様の登場です。

エリカ様回答:あるあるとつい答えてしまう話題を提供しましょう

この市役所あるある話ですが、かなりボリュームがあるので前編、後編に分けます。

では、今回はまず「正職員目線のあるある話 前編」についてご紹介致します。

市役所正職員あるある話・・「時代錯誤の会議」

どの課に異動になろうが入庁したての新人職員だろうが必ず会議と名の付くミーテイングに参加要請がきます。どの会議も前段の挨拶から始まり、本題になかなか入らず本題に入ったと思っても殆ど誰も発言をしません。ですが、いつの間にか長い時間を経て会議が終わっていきます。

民間から転職した私にはこの市役所の「会議」のやり方について「これは一体何の会議だったのか?」と自問自答の繰り返しでした。発言もポツポツ発言しやすい空気でも全くなくただ時間だけが流れていきます。進行役もお堅く、出席者もただ自席上の資料を読んで終わるという会議とは名ばかりの「消化不良の会議」がどれだけあったか分かりません。

庁内連携の会議や、研修等で出席者が多い、規模の大きい会議になればなるほどそれは顕著に出てきます。実は市役所の「会議」とは、その感想通り「形」が重視されるのです。「会議を開催した」という実績の為に会議を開いているのです。

何故そんなに会議実績が欲しいの?

それは後々決算報告上、第三者からの監査上、市民から情報開示を求められた場合に備える必要があるからです。「○月○日、○○会議開催」という事実は後に第三者から情報公開を求められた際、絶大の効力を持ちます。なので会議出席者はその「会議」に出席したという、会議が実際行われた重要参考人になるのです。

決して、その会議の答えを導く主力者として参加を求められているのではありません。会議があったという証拠を握る人物として重要な機能を果たすで事足りるということです。

では、会議の答えは誰が作るの?

実は会議前に事務局の人間が答え作りに奮闘します。市の運用したい方針や施策等、おおまかな流れに沿って既に事務局により根回し活動がなされるのです。なので本番当日はその根回し活動の結果、出席者全員で「答え合わせ」をするだけになるのです。

本番は誘導のみで事足りるという、これが市役所が形式的会議となる全容です。ハッキリ言って民間から来た私にはびっくり玉手箱でした。コレ、ありなん?位あり得なかったです。


民間の会議はご存知のようにそんな根回し的な二度手間はしません。むしろ、それは時間の無駄で、会議中に話合い、討論し合い、答えを参加者たちがその場で創っていきます。なので、先に誰かが答えを用意しその答えの誘導が何者かによってなされることはまずありえません。正に会議の中で出席者による出席者の為の議論が行われるのが民間の会議です。仮に民間にて市役所的な「会議」をしようものならブーイングが湧き上がるでしょう。

誰もブーイングを言わないのは何故?

民間を経て市役所に転職し、市役所在籍10年間自問自答を繰り返し私が導いた答えは、この二段手法を会議と思っているからです。新卒者が9割入庁の、一旦入庁するとほぼ退職まで留まる人ばかりの市役所正職員達にとって他の世界は知りません。この市役所の「根回し9割、本番は答え合わせ」のやり方が通常使用となっていくのは時間の問題なのです。

違和感より順応力

最初は違和感を覚える者もいつの間にか「こんなもんか~」と最初のハテナがいとも簡単に消されていきます。人間の持つ防御本能というべき、順応力がここで発揮されてしまうのです。違和感を持ち続けるより慣れることを選択していきます。

もし仮にこの形式的な「会議」のやり方を能動的で柔軟性のある活力ある会議に変革しようとしたら多大な労力が必要となるでしょう。残念ながら誰もここまで労力を伴う人材は稀です。

結果的にこの時代になってもいまだ時代錯誤の二度手間な形式的な「会議」が日常茶飯事で行われています。

市役所職員の力量とは?

ただ、私は庁内で得た自分の違和感が市民全体の為になるとは思えなかったので前向きに改革を進めました。

施策や方針に基づきながら現場の市民と一緒に模索し経過を一緒に共用することを重要視しました。市民自らが考え、自ら模索するので市民の会議の満足度、事業の満足度、事業の参加姿勢、事業の参加率は断然の飛躍がありました。

導く答えは同じでもそれまでの経過過程が全く以前と違うので、市民が市民による自分の為の意見となるのです。そうなった時、市民の目の色が変わります。自分自身の人生が楽しくなるのです。

本来はいやいや婦人会活動をされていた方がいつの間にかご自身のライフワークになるのです。自分の生きがいになる地元のボランテイア活動こそ、本望です。自分愛、地元愛、そういう市民が広がると市が活気づいていきます。市長の考える施策や方針がいかに素晴らしくとも市民がそれをしたい!と自発的に思えなければそれはただの強制でしかありません。

・何故この方向に持って行きたいのか
・そもそも何故この方向を良いとしているのか
・もっと良い他の方向の可能性はないのか

上記はほんの一例ですが、このように模索&検討の連続を市民と一緒に共有していくことが実は大事です。決められた施策や方針があるのならそれをいかに自発的に市民と一緒に活動できるかが市役所職員としての力量と思っています。

まとめ

今回は、市役所あるある「時代錯誤の会議」をご紹介致しました。

実は、市役所の体制が当たり前にあればあるほど今から入庁される方はご自身の感覚を大切にされることをお勧めします。最初に得たご自身の違和感こそお宝であり、必ずや将来貴方を助ける指針となるはずです。

何故ならそれこそ一市民として持つ市民感覚だからです。市役所の今ある体制、マニュアル、常識が必ずしも今の市民全体の為になっているとは限りません。時代は動いています。そして、昔の良い物が今の良い物とも限りません。

常に市民の持つ感覚を大事に、自分の持つ感覚を大事にして下さい。今の市役所がもっと良い物になれば、それは市長も市民もそして一番大事な自分自身が最も楽しいライフを送れる起点となるでしょう。素敵な市役所ライフを応援しています。


本記事は、2017年9月27日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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