はじめに
「海上保安庁」は、東京都千代田区霞が関にあり、1948年に設置された国土交通省の外局です。定員は、1万3,208人です。
なお、前身の組織は、「運輸省海運総局不法入国船舶監視本部」でした。
今回は「海上保安庁」の公務員を目指す方に押さえておいてほしい基本的な情報と役割について解説します。
「海上保安庁」について
「海上保安庁」は、1948年に置かれた国土交通省の外局で、長は、海上保安庁長官です。
「海上保安庁」では、海の安全や権益を確保するため、大きく分けて6つの業務が行われています。
1)密輸・密航・密漁等の海上犯罪の取締り業務
2)領海等の警備や海洋環境の保全業務
3)海上防災・海難等への対応などの警備救難業務
4)海洋調査や海洋情報の提供などの水路業務
5)海上交通情報の提供業務
6)航路標識の整備・保守・運用等の航行援助や航行安全業務
「海上保安庁」の役割について
「海上保安庁」の役割は、国民が安心して海を利用し様々な恩恵を享受できるよう、関係国と連携しながら、海上における犯罪の取締り、領海警備、海難救助、環境保全、災害対応、海洋調査、船舶の航行安全等の幅広い活動を行うことです。
「海上保安庁」の特徴は、陸上での保安活動が警視庁や各地方の自治体などの異なる行政機関が行なっているのに対し、「海上保安庁」が一括して先の活動を担い、行っていることです。
日本の海の保安について
日本の領土面積は約38万平方キロメートルで、世界第61位にすぎませんが、領海および排他的経済水域の面積は、領土面積の約12倍の約447万平方キロメートルと広大です。
このように広大な海に四面を囲まれている日本は、貿易や漁業により恵みを得る一方で、海難や密輸・密航のような海上犯罪や領土・海洋資源の帰属における国家間の主権主張の場となるなど、海上での様々な事案が発生してます。
そこで、「海上保安庁」は、国民が安心して海を利用して様々な恩恵を享受できるよう、関係国との連携・協力関係の強化を図り、海上での犯罪の取締りや領海警備、海難救助や環境保全、災害対応や海洋調査、船舶の航行安全等の業務を担当しています。
「海上保安庁」の組織構成について
「海上保安庁」の組織構成は、長である「海上保安庁長官」、特別な職である「海上保安庁次長」「海上保安監」と、「内部部局」である「総務部」「装備技術部」「警備救難部」「海洋情報部」「交通部」「首席監察官」によって成り立っています。
長官・特別な職および「内部部局」のほかに、「施設等機関(海上保安大学校、海上保安学校)」「地方支分部局(11)」があります。
「海上保安庁」の年間予算は約2,303億4,200万円
「海上保安庁」の平成30年度の予算は、約2,303億4,200万円で、一般要求と優先課題推進枠とに分かれています。そのうち一般要求は、2,049億6千5百万円、優先課題推進枠は、253億7千7百万円でした。
一般要求の主な内訳項目は、大きく物件費と人件費に分かれており、物件費は、1,046億9,2百万円で、人件費は、1,002億7千4百万円です。
さらに、物件費については、巡視船艇・航空機等の整備費が367億円、巡視船艇・航空機の運航費が371億円で、物件費全体のおよそ80%を占めています。
内訳についてはこちらの予算概算要求の概要をご参考ください。
https://www.kaiho.mlit.go.jp/soubi-yosan/30youkyuushiropan.pdf
まとめ
いかがでしたか?
「海上保安庁」は、四面を広大な海で囲まれた日本における海上犯罪や領土・海洋資源の帰属問題などの様々な問題を取り締まり、関係国と連携・協力しながら海洋情報業務、海上交通業務、海上の保全および治安の確保に努めています。
ちなみに、「海上保安庁」の英語名称は「Japan Coast Guard」で、略称は「JCG」です。
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