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【選挙にいこう】今さら人に聞けない「日本の選挙制度」入門編

地方公務員にとって関わりの深い県知事や市長、市議会議員を、国家公務員にとっては、立法府「国会」の衆議院議員と参議院議員を決める「日本の選挙」、今回は、日本の選挙制度の基本についてと、押さえるべきキーワードを4つにわけて解説します。

2018年11月07日更新

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目次
日本の選挙の基本と選挙の種別
日本の選挙制度4つの原則
ここを押さえよう!選挙ワード1「国政選挙」と「地方選挙」
ここを押さえよう!選挙ワード2「比例代表制」と「小選挙区制」
ここを押さえよう!選挙ワード3「公選・官選・互選・くじ引き」
ここを押さえよう!選挙ワード4「一票の格差」
まとめ
【選挙にいこう】今さら人に聞けない「日本の選挙制度」入門編

日本の選挙の基本と選挙の種別

現在日本の選挙には、国会議員を選出する「衆議院議員選挙・参議院議員選挙」と、「地方公共団体の長を選出する選挙」と「地方公共団体の議会の議員」を選出する選挙があります。これらはいずれも公職選挙法によって規定されています。

【日本の選挙 3つ】
1)衆議院議員選挙・参議院議員の「国会議員」(特別職の国家公務員)
2)県知事・市長などの「地方公共団体の長」(特別職の地方公務員)
3)県議会議員・市議会などの「地方公共団体の議会の議員」(特別職の地方公務員)

▼選挙権と被選挙権

公職選挙法では、選挙権は日本国民の満18歳以上の方で、投票日に18歳の方は高校生でも投票できます。なお地方の首長や議員を選出する選挙に参加するためには、その地域に3ヶ月以上住所があることが必要です。一方、被選挙権は、いずれも日本国民であることと、年齢資格として衆議院議員は満25歳以上、参議院議員は満30歳以上であることです。また知事は満30歳以上、市長村長は、満25歳以上であることと定められています。

都道府県議会議員や市町村議会議員などは、満25歳以上で、かつそれぞれ都道府県議会議員や市町村議会議員の選挙権を持っていることです。

このように日本の選挙権や被選挙権は、日本人のみに与えられた権利となっています。また立候補にあたり要件さえ満たせば、当局が事前に資格審査をしない自由選挙となっています。

日本の選挙制度4つの原則

日本の選挙では、4つの原則が定められています。

まず1つ目は「普通選挙の原則」です。戦前は高額納税者や、普通選挙という名称を使われていましたが、内容は、男性のみに選挙権が与えられた制度でした。終戦後ようやく男女とも財産や性別などで制限されることなく、誰でも選挙に参加できるようになったのです。

次に2つ目は、「平等選挙の原則」です。

これは、選挙権は一人一票で、その一票の価値は平等であることが定められています。しかし現在日本の小選挙区制度では、度々一票の格差が問題となっています。

3つ目は、「直接選挙の原則」です。

これは有権者が直接自分で選んだ候補者に投票することです。ちなみに選挙が近づくと封書が自宅に届き、それを投票所に持って行くと受付で投票券を渡されます。それを自筆で記入して投票ボックスに入れるという流れで投票します。最近では公示日または告示日の翌日から、区役所などで期日前投票が認められています。

最後の4つ目は、「秘密選挙の原則」です。これは有権者が誰に投票したか調べてはならないというものです。投票は無記名で行い、投票ボックスに入れる際も折りたたんで係員に見えないように投票するように求められます。

ここを押さえよう!選挙ワード1「国政選挙」と「地方選挙」

日本で実施される選挙は大きく、「国政選挙」と「地方選挙」に分けることができます。どちらの選挙も公職選挙法に基づいて実施され、有権者が選挙日に投じた票によって当選者が決まるのは一緒ですが、細部では様々な面で違いがあります。

「国政選挙」とは衆議院選挙と参議院選挙の2つを指し、いずれも選挙区か比例区のいずれかで立候補した人の中から、国会議員を選出するために行なわれます。選出された国会議員は選挙終了後に召集される国会で、所属する院の議員の投票によって衆参両院の議長を選出し、その後内閣総理大臣として指名する議員を決めます。

これに対して、都道府県内や市区町村などの地方自治体で実施される「地方選挙」は、その自治体に設置されている議会の議員を選出する議会議員選挙と、地方自治体の長を選出する首長選挙に分かれます。国政選挙との大きな違いは、議会議員選挙も首長選挙もどちらも有権者が直接投票して決められることと、地方議会の議員が自治体の首長を選出する仕組みにはなっておらず、首長選挙では地方議員も他の有権者と同じように一票を投じることです。

国政選挙と地方選挙はいずれも、議員や首長の任期満了日の前30日以内に行なわれます。ただし、衆議院議員と地方議会議員は、議会が解散された場合は40日以内に選挙が実施されて全議席が改選されます。一方で、補欠選挙や再選挙については、地方選挙と国政選挙で違いがあります。地方選挙については議会議員選挙も首長選挙もいずれも、任期満了日の前6ヶ月以内に欠員が生じた場合を除き、選挙を行なわなければならない事由が発生してから50日以内に実施することとされていますが、国政選挙の場合は原則として4月の第4日曜日と10月の第4日曜日にまとめて実施されます。しかし、欠員が生じた時期によっては、地方選挙と同様に補欠選挙を実施しなかったり、次点だった候補者が繰り上げ当選になったり、参議院選挙と同日に実施するなど、原則とは異なる対応がとられる場合があります。選挙が実施される場合は自治体のホームページや新聞などで必ず報道や告知が行われるので、それを見て把握するようにしましょう。

ここを押さえよう!選挙ワード2「比例代表制」と「小選挙区制」

「比例代表制」とは選挙の際、有権者は候補者個人に投票するのではなく、政党に投票し、政党は立候補者の名前を並べた立候補者名簿を提出します。立候補者に対して順位づけを行う拘束名簿式や、順位をつけない非拘束名簿式などがあります。投票の際、拘束名簿式では政党名を、非拘束名簿式では政党か候補者の個人名を書いて投票することで、その政党への票とみなされ、得票数に応じて当選者数を各政党に割り当てることで最終的な当選者を決定する選挙方式です。得票数に応じて当選者が配分されるため、少数意見が反映され安いというメリットがあります。

次に「小選挙区制」とは選挙が行われる地域をそれぞれの選挙区に分けた後、各選挙区に対して一人の当選者を選ぶ選挙方式のことを指します。小選挙区制度では支持基盤が強固な大きな政党の所属するほうが当選する確率は高く、小さな寧党の候補者が当選にしくいという点が特徴です。ですから、大政党が安定した政権基盤を作るのには有利な選挙制度といえます。ただ、得票数と例えば議員数の割合は乖離(かいり)しやすくなり、また選挙で当選しなかった候補者への投票した死票が多くなりやすいため、少数意見が反映されにくいという特徴があります。

「小選挙区比例代表並列制」はその名の通り、小選挙区制と比例代表制の選挙制度を一つの選挙内で並列して行う制度です。この場合、選挙区では仮に0票で全く得票がなかったとしても、比例代表制で政党の立候補者名簿で上位に入っていれば当選してしまう可能性があり、不適格な人材がその職についてしまう可能性があることなどの問題点もありますが、少数意見を反映することができる制度としてのメリットもあります。

ここを押さえよう!選挙ワード3「公選・官選・互選・くじ引き」

現在の日本の選挙制度は、それまでの派閥政治や一党優位の政党政治からの改善をはかる目的で、1996年より衆議院選挙から比例代表と小選挙区の重複立候補ができる形で、参議院では重複立候補はできませんが1983年より比例代表制と小選挙区制の2つの選挙制度が区別して行われています。衆議院選挙においてはたとえ比例代表で当選しても小選挙区で一定の得票率がなければ当選できない仕組みも作られています。

選挙とは、特定の投票者により当選者を選ぶことを指しますが、投票する人は一般人だけとは限りません、投票者により選挙は分類することができます。

まず、「公選」とは国会議員や市議会議員などの公職に就くものなどに行われる一番なじみのある選挙制度といえます。投票者は年齢などの条件を満たす、すべての人が持っている制度です。一般国民が広く投票する制度といってもいいでしょう。現在の日本では国会議員や地方自治体の首長や地方議会議員などで行われています。一般の人たちが投票するという点から民選という言葉で表現されることもあります。

次に「官選」という制度についてです。官選とは国などの行政機関が指名することで当選者を決定する方式です。必ずしも候補者に対する投票が行われるわけではありません。一般の人たちから見ると、あらかじめ決められていることさえありますので、選という言葉が適切ではないような印象を受ける場合もあります。また、時として官選が問題となるような人事が報道されることもあります。

次に「互選」です。互選とは関係者の中から、特定の役職に就く人をお互いの選挙によって選出することです。一般生活の中では非常によく行われている方法です。例えばクラスの学級委員長を決める、マンションの管理組合の理事長を決めるなどのことはその関係者だけでお互いを選ぶ互選の典型的なものといえるでしょう。

選挙において「くじ引き」が行われることもあります。これは選挙の方法ではないと思われる方もおられるでしょうが、一応は選挙の方法です。例えば小さな村の村長さんの選挙などでは有権者が少ないため、得票数が同じになってしまったということも考えられます。もちろん、有権者が非常に多い状況でも得票数が1票たがわず同じになってしまうことも考えられます。このような場合は決選投票という形をとられることもありますが、くじ引きでその勝敗を決定することもあります。公平性が保たれているものであれば立派な選び方と考えられています。

ここを押さえよう!選挙ワード4「一票の格差」

一票の格差とは、選挙区間で有権者が投じる票の重みに格差が生じている問題のことを指しており、日本に限らず選挙区制度を採用して選挙を実施している国(例えばアメリカ合衆国など)であればどこでも起こり得る問題です。

選挙区の割り振り方は、公的機関公表の人口統計を基準に割り振るケースや、地域単位で区切るケース、部族ごとに区を割り振るケースなど様々ですが、どのような形式をとっても定数不均衡は必ず生じてしまいます。

その理由は、地域内の人口や有権者の数は絶えず変動するからです。一票の格差問題はその性質上、永遠に解決されることはなく、問題が大きくならないうちに是正することが求められます。

このため、選挙区制度を導入している国では法律で一定期間ごとに選挙区の見直しを行う規定を設けています。しかし、その規定をつくるのは選挙によって選ばれる議員であるため、議論の過程では必ず議員や政党の利害が絡むことになります。場合によってはゲリマンダーだという批判を受けることもあります。(※ゲリマンダー:恣意的な選挙区割。特定の政党や候補者に有利なように選挙区を区割りすること)

日本においては、日本国憲法の第14条と第44条によって選挙は法の下で平等に行われなければならないとされており、定数不均衡をめぐって度々選挙無効の訴えが起きています。過去、最高裁判所で衆議院議員総選挙、参議院議員通常選挙ともに違憲状態と判決されています。

近年の日本の国政選挙において、一票の格差が生じてもなかなか解消されないのは、参院選については現行の特殊な選挙制度そのものが原因で、憲法を改正しない限り根本的な解決は不可能といわれています。これに対して、衆院選の場合は、1994年の総選挙から導入されて2012年に廃止された、各都道府県に無条件に1議席ずつ配分する1人別枠方式が事実上残されたままになっていることが原因といわれています。

なお、近年は区割りにおける一票の格差だけでなく、若者と高齢者の間や、都市部と郊外部の間に生じる投票率の違いに起因する一票の格差問題も論じられるようになっています。

まとめ

日本の選挙制度、いかがでしたでしょうか。
ここを押さえよう!選挙ワードで4つに分けて解説しました。くじ引きも選挙!?と、驚きもあったかもしれませんね。

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